monthly column |
2009 春の旅 |
3月24日、尚古集成館
仙巌園に隣接して、28代当主島津斉彬が藩の近代工業化を推進するために建てた工場群のうちひとつ、尚古集成館が建っています。1865年に建てられ、当時は「ストーンホーム」と呼ばれていました。幕末期の貴重な石造建築として重要文化財の指定を受け、現在は、博物館として公開されています。意匠的には、洋風を基調としながらところどころに和の言葉使いがあったり、木造のトラスをかけていながら、必要以上の断面の陸梁を用いていたりと、まっとうな西洋建築とは言えないのですが、あの時期の斉彬の気位の高さと、それについていった職人の技術が伝わってきます。
上の写真に見られるアーチの処理などには、唐破風を思わせるカーブが使われていますが、それを可能にした石積みの技術には、精緻な石橋の技術が流れているのだろうと想像できます。
Back Next |