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彼岸録

ときどき、12歳以上推奨。心して御覧下さい。


King's Speech 2011年04月04日(月)

 「英国王のスピーチ」原題は「King's Speech」。

 行ってきました。吉祥寺のバウスシアターは月曜日1,000円で入れる。
 ようやく行くことが出来た。それまでは開始時間を間違えたり、(無)計画停電や余震を気にして行きにくいところがあった。

 時代背景が分かってても解ってなくてもいいけど、時代としては第二次世界大戦直前。ドイツに向けて宣戦布告をしなきゃあならぬ英国王室が舞台。先代のジョージ五世が亡くなり、長男坊のエドワード八世が一回即位するものの、よくわからない女と駆け落ちするみたいにして王位を捨てちゃう。

 で、おはちが回ってきたのが次男坊のアルバート王子改メ六代目三遊亭丈二、もといジョージ六世。このジョージ六世がどもりで、なんとか民衆を前に喋れるようにならなきゃならない。んで、この六代目のかみさんがオーストラリア人の言語聴覚士にこっそり依頼して――という、話。

 後天的などもりというのは小さい時からの抑圧やら精神的な壁が原因らしくて、話題が壁に近ければ近いほど吃る率は高くなる、ようである。つーてもアタシも大概の吃りでやんすから、あながち信用に価するというわけでもなささうな。

 話としては簡単。即位するんでオーストラリア人の療法士を付けたらうまいこといきました、めでたしめでたし、であります。それ以上の話はない。が、いい映画だった。英国王室の様子をあれだけ丁寧に造ってくれて、チェンバレンもチャーチルもああいう造形をしてくれるとニヤリとしてしまう。のと、いわゆるイギリス的なサタイア。腹筋を鍛えるのに王妃がお腹の上に載ったり、ファックファック叫びまくる王子とか、ああいうのは、日本じゃあ出来ない。それはなんだね、王と民の関係性の違いであるから、どちらがどうと言える話ではないのだけれども。でもこの映画、実に丁寧で品のある造りになっている。

 イギリス史(というか、近代世界史)を知っていればなおよし。さにあらずとも「どこかの王様がスピーチの練習をしてうまいこといきました」でもよし。英語がわかんなくても、字幕を頼りに「最後のはいいスピーチだったわね」という作りにはなってる。役者もいい。おおむね結構。

 よく出来ていると思います。もう一回くらい観ると粗がわかるかもしれない。

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