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地球ゴルフ倶楽部 | パー４ |
| ヘローコース 10番 |
われらの掟、「第１条」
・・・1888年、スコットランド移民のジョン・リードによってニューヨークのヨンカースに作られた最初のコース「セントアンドリュース・ＧＣ」は、名前こそ本場から拝借したものの、実はリンゴ園の隙間に作られた３ホールだけのシロモノ、そのため１ゲーム終わるとゴルファーの頭はコブだらけだった。
もちろん悪いことばかりではない。季節ともなるとあたり一面真っ赤なリンゴで溢れんばかり、頭上の枝から失敬してかぶりつくところから、初期の連中は「アップルツリー・ギャング」と呼ばれたものである。
1892年といえば明治25年のこと、ようやくニューヨーク州サザンプトンにクラブハウス完備のゴルフ場が誕生する。第２回全米オープンの開催コースにも選ばれた「シネコックヒルズ・GC」がそれである。
・・・さて、1922年４月、シネコックヒルズ・GCでは恒例の「８クラブ対抗競技会」が行われる予定だった。ところが前日の午後から猛烈な春の嵐がやってきて各地に洪水の被害をもたらす騒ぎ。主催者側では各クラブに中止を伝えようとしたが、交通網に加えて電話線まで寸断され、どうにも手の打ちようがなかった。
「この悪天候では、だれが考えても競技中止は常識というもの。改めて開催日を決めるとして、念のため役員の１人ぐらいはクラブハウスに待機しようか」
トーマス・ハーモン理事の命令を受けて、とりあえず近くに住むデール・ベンブリッジ氏が翌朝の８時ジャスト、いくらか弱まりを見せはじめた風雨の中、クラブハウスに出向いて行った。と、間髪入れずハーモン宅の電話が鳴った。
「た、大変です。選手全員が顔を揃えています！」
「ゲッ！」
「とにかく、すぐ来てください」
理事は３キロの道を自転車で疾走したそうだ。息せききって到着してみると、まぎれもなく１チーム４人、合計３２人の選手が１人として欠けることなく食堂にたむろしている。中にはシカゴから前日のうちにニューヨーク市内のホテルに入る予定の２チームもいた。
「一体、きみたちはあの嵐の中、どうやってここまで来たのかね？」
驚嘆のあまり食堂の入口でしばし絶句していた理事が、ようやく口を開いた。するとシカゴの選手がいたずらっぽく笑いながら言った。「昨夜ホテルに到着、食事のあと寝ようとして戸外を見ると事態はさらに悪くなっている。このままでは遅刻すること必至、そこで全員相談の上、ひと眠りした午前３時から歩くことにした。午前７時には、もうクラブハウスにいましたよ」
「きみたちは、どうやって来たのかね？」
シネコックヒルズから５０キロも離れたセントポールの選手にも、理事は顔を寄せてたずねた。「似たようなものです。スタートに遅れるのは恥じですからね。午前１時に１台の車で出発したのはいいとして、ここから２０キロほど先で交通止め。仕方なく車を警察に預けて、あとは歩いて来ました」
この話を「アメリカのゴルフ史」で取り上げた作家H・W・ウィンドは、さらにこう書いている。
「数世紀にわたって、スコットランドでは２つの不文律が守られてきた。その１つは、いかなることが起ころうともプレー参加の約束を破ってはならない。もう１つは、決してスタート時間に遅刻してはならない、というものだ。もし悪天候によってプレーが危ぶまれたとしても、必ずクラブハウスまで到着していることがゴルファーの義務なのだ」
嵐の朝、スタート時間前に全選手が顔を揃えていたこの快挙は、ウィンドによって「シネコックヒルズの奇跡」と命名され、こんにちまで教訓として生き続けている。
一方、これは日本最古のコースとして知られる「神戸ゴルフ倶楽部」の南岡政一さんから直接うかがった話。・・・第２次大戦が始まる少し前のこと、11月中旬だというのに珍しく・・・
・・・このゲームでは、出会い頭のまぐれ当たりを自慢するのが最も愚劣とされる。ショット以前に果たすべきマナーがある。日米両国の先輩はそう教えてくれた。約束の時間すら守れない人間にゴルフをやる資格はない、と。
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「ダブルボギーが常識に候」 だからゴルフはやめられない PART３ 夏坂 健 毎日新聞社より |
規則６−３
a.スタート時間
プレーヤーは、委員会が定めた時間にスタートしなければならない。
本項の違反は競技失格
注：・・・スタート時間後５分以内にプレーできる状態でスタート地点に到着したときは、委員会は、遅刻の罰を競技失格とはせずに、・・・ストロークプレーでは最初のホールで２罰打とする旨・・・規定することができる。
１０番ホール（パー４）あなたのスコアは、
・プレーの約束、集合時間も守り、雨でキャンセルしたことも無い。・・・３
・集合時間に多少遅れたことはあるが雨でもキャンセルしたことは無い。・・・４
・雨でキャンセルしたことがある・・・５
・同じ日に上司から誘われ、約束をやぶったことがある。・・・６