地球ゴルフ倶楽部 パー4
ヘローコース 15番


イヤな奴


「むかしのコースは、ボールなど打たなくても十分に楽しめる場所だった。木陰には動物が休息し、蝶も乱れ飛んで小鳥がさえずり、誰もが散歩のついでにゴルフをしたものだった。ところが1960年ごろからゴルファーが急増して、ゴルフ全体から余裕というものが消えてしまった。
 要するにイヤな奴が増えたのだ。スコアのためなら可憐な花までなぎ倒す輩をゴルファーと呼べるだろうか。いまやコースは楽園から戦場に変わって、優雅なるゴルファーが消滅、スコアの亡者がわがもの顔で跋扈(ばっこ)する。なんと嘆かわしいことだろう」ショーン・コネリー

「このゲームの魅力の一つに、思索する豊かな時間があげられる。四季の自然を愛(め)でながら、静かに真摯(しんし)にゲームと取り組むことが自分の人生の贅沢だと思っている。
 ところが、もし大声で喚(わめ)き立てる人物と同伴したならば、何もかも台無しになる。大声の持ち主は自己中心的であり、周囲の感情などお構いなし、わずかなミスにも大騒ぎ、贅沢な時間は彼によってズタズタにされる。そこで私は体調の悪さを理由に、9ホールでさっさと家に帰ることにしている」
クリント・イーストウッド

「これまでに出会ったイヤな奴?それは俺がニギリで負けた相手全部が最悪、というのは冗談だが、俳優仲間のPとは同じ組で回りたくないね。何しろ彼は、絶対に人のプレーに視線を向けず、徹底的に無視するのだ。まるで俺が存在しないかのようにふる舞われてみろよ、こちらの気分としてはムッとして、とてもゴルフどころではない。次第にイライラが昂(こう)じてスコアにならず、結局、彼の思う壺に嵌(はま)るわけだ。ゴルフには同伴競技者もいるのだから、人のプレーに拍手する程度のマナーある人物と一緒にゴルフを楽しみたいね」ディーン・マーチン

「プレー中にカネの話、人の悪口、うわさ話、下卑(げび)た話、宗教と政治の話をする奴がいる。こいつらとは二度とゴメンだ」マイケル・ジョーダン

「下手でもいい。18ホールで150打の超ダッファーでも構わない。なぜなら私にも私のプレーがあるからだ。ところがへぼのくせにクサったり、砂や芝に八つ当たりしたかと思うと、ひとり仏頂面でパーティから離れたり、世間には手に負えない奴がいる。この手のゴルファーが最悪だ。とくに歩行が遅く、現場に到着してからもクラブ選択にダラダラと時間をかけ、打つのかと思うと何度も素振りをくり返し、さんざん人を待たせた揚げ句にチョロとザックリでは殴りたくもなる。スロープレーヤーこそゴルフ最大の敵であり、私は有罪を宣告して追放するのがコース側の責任だと考える」バーナード・ダーウィン

「女性だからといって、理由もなしに侮辱の色メガネで見る男性ゴルファーこそ、この世で最悪。彼は偉大なるゲームまで侮辱している」アガサ・クリスティー

「コースに棲息(せいそく)する最もイヤな奴とは、自分のスコアを適当にごまかした上で、何はさておき相手のスコアを聞きたがる奴」ゴルフ評論家、フレッド・ピノン

「プレー中は我慢できる。無視すれば済むことだ。ところが世間に溢れるゴルフ自慢、こいつだけは我慢ならない。スコア、飛距離、まぐれ当たり、バーディ、イーグル、優勝、ついでにクラブまで自慢する奴もいる。目は閉じることができても耳はふさげない。連中はそこにつけ込んで、すべてを自慢のタネにする。こいつらこそ本当にイヤな奴だ」作家、ジェームズ・フォルバーグ


「ナイス・ボギー」
夏坂 健 著
1998年4月9日発行
講談社より
「ナイス・ボギー」
夏坂 健 著
2000.5.15発行
講談社文庫


15番ホール(パー4)あなたのスコアは、
上記「イヤな奴」に、
・過去も現在も、該当することはなにも無い。・・・3
・思い返すと恥かしくなることもあるが、今はそうでないよう努めている。・・・4
・多少は該当する面がある。・・・5
・私はイヤな奴です。・・・6

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