「文学横浜の会」

 エッセー


3月「2000年Y2K」

4月「警察の不祥事とオーム問題」に思う

2000年5月


 「ゴールデン・ウィーク」

 いつ頃からこういう言い方になったのか知らないが、 四月末から五月五日(土曜、日曜と続く場合は、更に六日・七日)頃までを ゴールデン・ウィークあるいは大型連休と呼ぶ。 就職して間もない頃の、なんとなく解放されたような気分になった事を思い出す。

 今年ほど就職難ではなかったと記憶するが、就職する意識が稀薄だったせいも有り、 十二月に入って何処に就職しようかと探し始め、就職先を決めた。 学生の頃は社会人になる事への抵抗と言うか、 いつまでも自由な身でありたい、と言う漠然とした思いもあった。

 就職した頃は毎日職場に向かうのが苦痛であり、一日中職場にいると、 世の中から閉ざされた世界にいるような感じを持った。 無論、仕事への意欲も好奇心もあったが、束縛されているような思いが強く、 すぐには社会人になれきれなかった。

 三カ月の研修期間が過ぎて、職場に配属になった頃には、日中明るい太陽の光を窓から見て、 「しゃ婆」に出たいと切実に思った事もある。

 馴れとは恐ろしいもので、今では職場に向かうのが当たり前で、 平日職場に向かわない日は自身への理由も必要になった。

 そうした中で、新入社員の頃、ゴールデン・ウィークと言う言葉を耳にして、 救われたような気持になった事を覚えている。

 夏休み、正月を挟んだ冬休み、そしてゴールデン・ウィークの三回、 まとまった休暇が取れる。欧米人等から見れば、たかが一週間程度で、 と思われるだろうが、今の日本のだいたいの標準だろう。

 一週間余りの休暇があると、よくぶらりと旅に出たものだ。 周遊券を片手に、或いはそそくさとバイクに荷物を積んで北海道から沖縄まで 足をのばした。好奇心にかられて、或いはなんの目的もない旅だった。 バイクでの旅では、省みればよくぞ無事だった、と思うような事にも出くわした。 今ではもう昔の事だ。

 その頃の好奇心に満ちた心はいつまでも持ち続けたいと思う。

 さて、今年の厳しい就職戦線を勝ち抜いた新人諸氏はゴールデン・ウィークを どう過ごしているだろう。

(K.K)


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