中級室 プレイ計画と関連手法 2003/05/14
目次    
   

プレイ計画

初級室で「プレイ計画」と「トリックのとり方」の骨子を紹介しましたが、もう少し詳しく説明しましょう。

プレイ計画の基本は下表のとおりです。

  NT スーツ
(1)   ウイナーを数える。   ルーザーを数える。
(2)   所要トリック数との差を数える。   許容ルーザーとの差を数える。
(3)   問題なければ、(5)へ。
(4)   この差を解消できる手法を検討する。
(5)   最良の手順を決め、実行する。

オープニングリードのあと、プレイ計画を立ててから、ダミーのカードに触るのは、中級者の常識ですね。

ウイナーを増やしたり、ルーザーを減らす基本的な手法は初級室で説明しましたが、ここでは、いろいろな役に立つ手法を説明します。詳細は目次をご覧下さい。

 情報の収集

中級者ともになれば、オークションやオープニングリードからカード情報を読み取り、計画策定に役立てましょう。また、カウンテングも有効なツールになります。

 オークションから分かること

オポーネントが5枚メジャー方式を使っておれば、次のことが推定できます。

・マイナーオープンなら、メジャーは多分4枚以下。
・1NTオープンなら、スーツの最低枚数は2、最高枚数は5。
・1のスーツオープンは12HCP。等等。

例1はオポーネントのビッドからNのハンドを推定する例です。
例2はAの位置を推定する例です。

例1   3NT/W OL= Q
 
W N E S
  1C / /
1NT / 3NT A.P.
  K97
KJ53
Q86
K104
1042
AQ10
AJ52
QJ63

クラブでオープンしているので、スペードを4枚、2枚のANにあると仮定します。
ウイナーは6個で、不足トリックはクラブ・ダイヤモンドで補います。スペードが4枚なら、すぐ、クラブでプロモーションしてもダウンするおそれはありません。

例2   4H/W OL= K
 
W N E S
      1S
2H / 2S /
4H / / //
  AJ
KQJ654
K82
74
432
A93
54
AQ632

SHCPを12と仮定すると、NHCPは最大4と見積もれば、NのアナーはあとJが1枚しかないと推定されます。したがって、ダイヤモンドのフィネスが成功しそうです。Aでとり、Aでダミーに渡り、
Kをフィネスします。そして、ダイヤモンドをプレイして、オポーネントにいれます。このあと、ダイヤモンドをラフすれば、コントラクトはメークします。

 
   

 

   

 オープニングリードからの情報

オープニングリードの場合、次のことが推定の手引きになります。

・アナーのリード。
・4th BEST。
・Rule of 11。

アナーのリードは、パートナーがビッドしていなければ、シーケンスからのリードと考えてよいでしょう。
NTの場合は3枚シーケンス、スーツの場合は2枚シーケンスからのリードと予想できます。

例1はパートナーのスーツをリードしたことから、フィネス計画をたてる例です。
例2はフォースベストからNのハンドを推定する例です。

例1   4S/W OL= 9
 
W N E S
    1C 1H
1S 2D 3S 4D
4S / / //
  98764
AJ8
K5
432
AKQ10
Q3
32
A10985

Nがハートをリードしたので、ルーザーは4個で、1個多い。
9-Q-K-AWで勝ち、切狩りをした後、3をリードし、8をフィネスする。そして、Jでダミーのダイヤモンドを1枚デスカードする。(Nには、8より高ランクのカードはない。

例2   3NT/W OL= 5
 
W N E S
1NT / 3NT A.P.
  K93
KJ53
AQ86
K104
1042
A10
KJ52
QJ63

5はフォースベストですから、(234が味方のハンドにあるNのスペードは4枚です。
ウイナーは7個ですから、すぐクラブでプロモーションをします。

 
 
   

 カウンテングの効用

オポーネントのHCPやスーツの枚数をカウントすることはプレイ計画策定に役立ちます。

例1は枚数をカウントして、オポーネントのクラブの分れを探る例です。
例2は枚数をカウントして、Qの位置を推定する例です。

例1   7NT/W OL= 10
 
W N E S
2NT / 7NT /
/ //    
  AKJ
A53
A32
KQ94
Q105
KQJ
KQJ
A1032

ウイナーは12個あります。Jの位置が分ればメークします。
ダイヤモンドをキャッシュしたら、Sが3トリック目にスペードをデスカードしました。
次にスペードをキャッシュしたら、Nが2トリック目にダイヤモンドをデスカードしました。これで、Nは×1、×5、 Sは×6、
×2であることがわかります。
次にハートをキャッシュしたら、いずれもホローしました。これで、Sのクラブが2枚以下であることが分かります。
したがって、KQとキャッシュして9をプレイすれば、コントラクトはメークします。

例2   4H/E OL= Q
 
W N E S
    1NT /
2D / 2H /
3NT / 4H A.P.
  764
AQJ98
AJ5
32
K53
K105
K104
AK54

SQからリードし、NAでとり、10をリードしてきました。
Aでとり、3回切札をプレイしたところ、Nは3回目に2をデスカードしました。クラブのA,5とプレイしたら、Nはスペードをデスカードしました。Nのスペードとダイヤモンドの合計は9枚です。
Kで勝でば、あと9トリックはとれます。ペア戦なら、1トリック増やしたいところです。
次にスペードで負けます。Nは両方ともフォローしました。これでNのハンドは×4、×2、×2ですから、もとのダイヤモンドは5枚、Sのダイヤモンドは2枚であることが分かります。したがって、QはNにある確率が大きいと推定します。
SJで勝ち、クラブをリードしてくるでしょうから、最後の切札でラフし、A,Jとプレイします。



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