中級室 プレイ計画と関連手法 4 2003/05/14
目次    
 
   

 アボイダンス

K63LHOからのリードにはストッパーになりますが、RHOからのリードにはストッパーになりません。この場合、RHOが危険なオポーネントになります。
このような危険なオポーネントにリード権を持たせないようにプレイすることをアボイダンス・プレイといいます。

例題1 3NT/W OL= J
   
K9
KQ4
Q43
A8762
AQ1087
73
AK7
983
W N E S
1C 1H 1S /
1NT / 3NT A.P.

オポーネントのHCPは40−27=13です。絵札は殆どNにあるとみてよいでしょう。

Jに対し、S4をプレイしたので、Kで勝ちました。ウイナーは図のとおり8個あり、補充源はスペードです。
Sにリード権をもたせると、QNAに取られ、ハートを走られてしまいます。このデールでは、危険なオポーネントはSです。

したがって、スペードをエスタブリッシュするには、ダイヤモンドでダミーに入り、9をフィネスします。失敗しても、Qはストッパーとしてはたらきます。成功すれば、スペードの分れが5−1でない限り、スペードで走れるので、10トリックとれます。

例題2 3NT/W J52
KJ952
 
N E S W
5 3 Q 4
2 7 10 8
9 6 6 A
2 6 9 7
       
743
A84
AK65
Q62
AK86
73
7432
AK3
  Q109
Q106
 

オープニングリードは5です。
ウイナーは8個で、コントラクトをつくるには1個たりません。ダイヤモンドかスペードで、オポーネントが3−3の分れを期待してプレイ計画をたてます。ハートは2回ホールドアップして、3回目に勝ちます。スペードの3−3を期待して、3をリードし、Nがローをプレイすれば Sに勝たせるようにします。

       
 

 エントリー

エスタブリッシュする場合、長い枚数のあるハンドにエントリーを保存しておくことが肝要です。したがって、プレイ計画にはエントリー問題も考慮にいれておくことが必要です。

□ エントリーの確保

エスタブリッシュするスーツのあるハンドにエントリーを残しておくことが大切です。

例題1 3NT/W OL= 6
 
AJ
AKQ
J32
A5432
K743
J73
KQ1087
8

オポーネントのオープニングリード(6)に対し、S9をプレイしました。 ウイナーは6個ですが、ダイヤモンドで3個は確保できそうです。
Wはもうけたとばかり、Jでとり、早速、Jをリードし、プロモーションに着手しました。しかし、敵もさるもの、ホールドアップして3回目にAでとりました。このときのハンドは下図のとおりです。

A
AKQ
-
A5432
K74
J73
KQ
8

Eに移りたくとも、スペードはブロッキングしています。8トリックしかとれません。これは、最初のトリックはAで勝ち、Jを残しておくべきでした。

例題2 3NT/W OL= J
 
N E S W
      1NT
/ 2NT / 3NT
/ / //  
Q43
A4
AQJ10
A873
J102
Q3
9543
KQ42

オープニングリードに対し、J-Q-K-Aとプレイされ、デクレアラーには後がありません。
クラブの3−2の分かれとKがSにあることを期待してプレイ計画をたてます。
A2をプレイします。8Kでとり、最初のフィネスをします。成功。
9Qでとり、2回目のフィネスをします。最後は34でとります
クラブとダイヤモンドで8トリックとり、コントラクトをつくれました。

       
 

□ ダッキング

サイドスーツにエントリーがない場合、ダッキングが有効な手法になります。

例1 AK876
A4
432
Q32

スペードが3−2の分かれなら、スペードをA,K,8とプレイし、リード権を得たら、ダイヤモンドで入り、残りの2トリックをとれます。

例2 AK876 432

サイドスーツにエントリーがなければ、上記の方法は使えません。この場合は、1回目は負けます。

例2a AK87 43

オポーネントのカードの分れは3−2から2−1になりますので、4トリックとれます。

この手法をダッキングといいます。

例題1 3NT/W OL= 5
 
N E S W
      1NT
/ 2NT / 3NT
/ / //  
A1083
AQ4
AK2
953
97
832
765
AK1082

オープニングリードに対し、SからJがプレイされたので、ウイナーは7個です。
クラブの3−2の分かれを期待してプレイ計画をたてます。
9をリードしてオポーネントに勝たせます。つぎのトリックで勝ち、クラブを走り、コントラクトをつくります。

例題2 3NT/W OL= 3
 
N E S W
      1NT
/ 2C / 2D
/ 3NT A.P  
763
AK9
AQ2
K1054
AQ42
54
K63
A832

ウイナーは8個です。スペードのフィネスとクラブのエスタブリッシュが考えられますが、クラブの3−2の分かれのほうが確率が高いので、こちらをえらびます。Aで勝ち、4をプレイしてダックします。


 

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