中級室 プレイ計画と関連手法 9 2003/03/09
目次    
 

 スーツ・コントラクトの場合

スーツコントラクトでは、プレイ計画をたてる時は、ウイナーでなく、ルーザーを数えます。
手法としては、ノートランプで使ったもののほか、切札を使う手法が使えるので、プレイ計画で使える手法の種類は多くなります。

まず、ルーザーの数え方を確認し、復習してみましょう。

 ルーザーの数え方

普通、デクレアラーのハンドで数えます。(時には、ダミーのハンドで数えることもあります。)
デクレアラーの各スーツから、ウイナーをとったものがルーザーです。
ここでのウイナーとはトップカードとプロモートしたアナーのことを指します。

練習してみましょう。

例題1 Q53
87
KQJ9 8
A52
A82
A432
1065
KQ3

太字がウイナーです。ダイヤモンドは10Aを追い出せば、KQJ9がウイナーになります。したがって、アンダーラインのついたカードがルーザーになります。Qはフィネスすればウイナーになるのではと思うひともいるでしょうが、これをルーザーとして数えます。ルーザーは4つです。

例題2 AK7532
K52
6
A73
Q
A863
A874
9842

ルーザーは計算上全部で6個になります。
スペードが4−2の分かれと仮定すれば、スペードのルーザーは1つになるので、ルーザーは4つになります。

例題3 AQJ952
A
A62
943
K87
KQJ95
53
852

スペードは9枚フィットなので、オポーネントの分れは4−1と仮定して(例外は4%)ルーザーを0とします。ルーザーは全部で5個になります。ダミーのKQJは余分なウイナーで、その使い方は後で説明します。


 ルーザーを数える理由

ルーザーを減らすには、ノートランプで使った手法も使えますが、新たに次の手法が使えるようになります。

・ラッフィング
・デスカーデング

 ラッフィング

ルーザーを切札で消す方法で、いまさら説明するまでもないでしょう。 初心者の好きな方法です。普通は、デクレアラーのルーザーをダミーの切札でラフします。

例題1 4S/W
OL=K
2
K10875
J654
AKQ
 
AK1098
A64
3
J1098
QJ54
2
AQ102
7654
    763
QJ93
K987
32
 

ルーザーは6つ。
Nはクラブで3つとり、Sは9をデスカードしました。しかし、Nは 2をリードします。
WはAでとり、Aをプレイし、6Qでラフし、
Kでハンドに入り、4Jでラフします。
そのあと、スペードをドローすれば、コントラクトをメークします。


例題2 4S/W
OL=J
2
109842
K104
J1095
 
AJ10987
AK3
A83
6
KQ4
76
J652
Q742
    653
QJ5
Q97
AK83
 

Wのルーザーは4つ。SはKでとって、Aを返しますが、Wはラフします。すぐ、A,Kととり、3枚目をKでラフします。
そのあと、スペードをドローして、コントラクトをメークします。

 


デクレアラーの切札はドローに使いますが、例題2のようにラフすることもあります。


 デスカーデング

ルーザーを他のスーツのウイナーで消す方法です。普通は、デクレアラーのルーザーをダミーの長いスーツで捨てます。

例題1 4H/W
OL=Q
1087
5
QJ1053
K1063
 
54
KQ10973
AK
J92
KQJ2
J864
64
A84
    A963
A2
9872
Q75
 

ルーザーは4つ。
ダミーのQAでとり、すぐAを追い出しにかかります。Aがプレイされたら、スペードのウイナーで、デクレアラーのクラブのルーザーを消します。

 

 


例題2 4S/W
OL=K
A2
10984
976
KQ102
 
QJ1098
7
AK5
J754
76543
QJ32
Q2
A3
    K
AK65
J10843
986
 

ルーザーは6つ。
ダミーの3Aで捨てると、ダミーでクラブのルーザーをラフできます。
オープニングリードを
Aでとり、Q,K,Aととり、Aでダミーのクラブを捨てます。
あとは、ゆっくりクラブのルーザーをダミーでラフします。


例題3 4H/W
OL=K
J10983
5
KQJ7
Q108
 
AKQ
AQJ103
943
42
4
7642
A82
K9763
    7652
K98
1065
AJ5
 

ルーザーは5つ。
ダミーの8,2をスペードで捨てると、ダミーでダイヤモンドのルーザーをラフできます。
オープニングリードをA でとり、Aをプレイした後、K,Q8,2を捨てます。そして、4,3をダミーでラフし、ルーザーは3つに減りました。

例1はルーザーを捨てる例です。
例2、3はダミーでラフできるように、デクレアラーのウイナーでそのスーツのスポットカードを捨てる例です。

 
     
 
 切り札の使い方

 切札の役割

切札の効力については今更説明するまでもありません。サイドスーツがボイドの時は、切札の2はそのサイドスーツのAに勝てます。
これはオポーネントにも当てはまります。したがって、スーツコントラクトでは、オポーネントに切札を持たせず、自分達だけが切札を使うようにします。
このため、

@  「切り狩り」即ちドローイング・トランプ と
A  ルーザーを切札でラフするラッフィング・ルーザー

が切札の主な役目になります。

  □ 切札の役割分担

原則として、ドローイングは切り札の長いハンドで行い、ラッフィングは短いハンドで行います。勿論、例外もあります。

例1 AKQJ10
432
432
-

切札はスペード。Wの切札はオポーネントの切札のドローイングに使い、Eの切札をハートのラフに使うと、全部で7トリックとれます。

例2 AKQJ10
-
432
432

この場合、ハートをラフするのにデクレアラーの切札を使うと、ドローイングでは2トリックしかとれません。結局、Wの切札分しかトリックがとれません。

例外1 J10432
-
AKQ
432

この場合、オポーネントの切札の分れが3−2なら、ダミーのハンドでドローイングができます。したがって、デクレアラーのハンドでラッフィングすると6トリックとれます。


 ドローイングのタイミング

スーツコントラクトでは、切札で仕事をする必要がなければ、まず切札のドローイングを優先します。

次のように、切札で仕事をする時は、ドローのタイミングを状況に応じて調整します。

・ダミーでのラフが必要な時
・デスカードが必要な時
・切札をエントリーとして使う時

例1:直ぐドローイングする

4S/W
OL=4
52
4
98765
A9875
 
KQ104
AQ3
KQ3
J102
AJ97
KJ2
J1042
Q3
  863
1098765
A
K64
 

ルーザーは3つ。
A,A,Kでとられるだけです。
切札を使う場面がありませんから、Aで勝ち、直ぐ、切札をドローします。

 

 

 



例2:デスカードを優先する

4S/W
OL=Q
K3
854
J853
QJ109
 
QJ10982
AQ
AK
754
7654
KJ32
102
A32
  A
10976
Q9764
K86
 

ルーザーは4つ。
4をダミーのハートで捨てると、ルーザーは3つになります。すぐ、切札をドローイングすると、オポーネントはクラブを2つとってしまうでしょう。
この場合は、オポーネントのハートの分れを4−3と期待して、すぐハートをキャッシュして、クラブのルーザーをデスカードします。


例3:エントリー確保

6S/W
OL=K
983
Q854
J4
KQJ2
 
AJ10765
AK
95
A96
KQ2
32
AK872
1085
  4
J10976
Q1063
743
 

ルーザーは2つ。ダイヤモンドをエスタブリッシュして、6をダミーの8で捨てる計画をたてる。すぐA,Kとキャッシュし、2をラフする。1回切札をドローし、次にKでダミーに入り、ダイヤモンドをプレイし、ラフする。
Qでダミーに入り、8でクラブをデスカードする。



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