デクレアラーの切札はドロー用、ダミーの切札はラフ用というのが「ロングハンド・ショートハンドの原則」です。しかし、何事にも例外があります。

□ ストッパー

切札は何ににもなります。ボイドなら、ラフしなければなりません。

例題１	4S/W OL=Q	86 Q1085 QJ1094 63
	KQ10943 A3 3 KQJ10		J72 K942 K8 9852
W N E S 1S / 2S / 3S / 4S A.P.		A5 J76 A7652 A74

ルーザーは３つ。
最初のトリックはQ-K-A-3となり、Ｓはハートをリードバックします。当然、ラフします。
あと、切札をドローして、とられるものはとられて、メークします。

　

　

□ スーツエスタブリッシュ

ダミーのサイドスーツをエスタブリッシュするためラフします。

例題１	6C/W OL=10	K942 Q865 J8 1096
	A106 K4 43 AKQJ87		J83 A72 AK762 32
W N E S 1C / 1D / 3C / 4NT / 5H / 6C A.P.		Q75 J1093 Q1095 54

ルーザーは２つ。
ダミーのダイヤモンドをエスタブリッシュして、スペードのルーザーをデスカードする計画をたてます。
クラブを３回ドローして、ダイヤモンドを１回ダックします。この後、A,Kととり、１回ダイヤモンドをラフすれば、ダイヤモンドがエスタブリッシュします。

□ 余分な切札でラフ

オポーネントに切札のハイランクのカードがある時は、切札のスポットカードをラフに使います。

例題１	4H/W OL=Q	Q1072 J1096 QJ2 Q3
	6 AKQ843 K83 964		A943 752 A65 A82
W N E S 1H / 1S / 2H / 4H / / //		KJ85 - 10974 KJ1075

ルーザーは３つ。問題はないようですが、Kで勝ち、すぐ切札をドローしたら、Ｓがボイドでした。
ここで、計画を変更します。ハートで６つとれば、メークします。
ダミーのスペードを切札のスポットカードをラフすれば３トリックとれます。
Aで勝ち、3をラフします。Aでダミーに入り、4をラフします。Aでダミーに入り、9をラフし、あと、トップアナーをとれば、メークします。

ダミーを基準にしてルーザーを数え、ルーザーをデクレアラーの切札で消す方法です。
この手法には次の条件が必要です。

例題１	6S/W OL=Q	963 QJ10 872 J942
	AQ1075 5 AKJ3 865		KJ4 A872 Q64 AQ7
W N E S 1S / 2C / 2D / 4NT / 5H / 6S A.P.		82 K9643 1095 K103

ルーザーは２つ。クラブのフィネスが成功すれば、メークできますが、失敗すれば１ダウン。
ダミーを基準にすると、ルーザーは５ですが、ハートはラフ可能であり、クラブはダイヤモンドでデスカードできます。
切札が３−２の分れなら、ダミーハンドでドローできます。
�@Q-A-3-5　�A8-4-5-10　�BA-3-4-2
�C7-6-K-8 これでオポーネントは３−２の別れであることが判明。計画を続行します。
�D7-6-10-J　�E3-2-Q-5　�G2-9-Q-2
�H5-2-A-3 �HJ-10-6-9。この後、ダミーのクラブをダイヤモンドでデスカードすればコントラクトはメークします。

例題２	4H/W OL=K	KQJ 843 AK1083 105
	7 AQ1052 Q96 K732		A532 KJ6 752 AQ4
W N E S 　 1D X / 2H / 4H A.P.		109864 97 J4 J986

ルーザーはデクレアラーで数えると４つ。ダミーで数えると６つ。しかし、スペードのルーザーはラフで消せそうです。
３トリック目、Ｎは10をリードし、Ｓはラフして、スペードを返します。
Aでとり、スペードをデクレアラーでラフし、その後、A,Jをプレイし、３−２の分れをチェックします。この後、スペードをラフ、クラブでダミーに渡り、残りのスペードをラフする。クラブででダミーに渡り、切狩りした後、Kをとってコントラクトをメークします。