ドラキュラ
BRAM STOKER’S DRACULA 1992年
監督:フランシス・フォード・コッポラ
脚本:ジェームズ・V・ハート
ゲイリー・オールドマン、ウィノナ・ライダー、キアヌ・リーブス、
アンソニー・ホプキンス

キリストの戦士として戦いながら最愛の妃エリザベータを亡くし、神への復讐を誓ったドラキュラ 伯爵。400年の時が流れ、永遠の愛を求めてさまよう彼は亡き妃に生き写しの美女ミナに出会う。 彼女の親友の血を吸って若さを取り戻したドラキュラと、婚約者ジョナサンがいる身でありながら彼に 心を奪われるミナ。そして甦ったドラキュラを滅ぼすべく彼を追うヘルシング教授とジョナサン。悠久の時を経て ついに結ばれた二人の愛の行方は…。

あらかじめことわっておきますが、本作は自分個人的に満点の作品です。この作品を観た全員が全員、満点をつける とはとても思えません。なので、ここでは「何故本作が自分な中で満点なのか」について述べさせて頂きます。

まずは、というより何より「出演陣の豪華さ」が挙げられます。主演ドラキュラ役にゲイリー・オールドマン、ミナ役に ウィノナ・ライダー、そしてキアヌ・リーブス、アンソニー・ホプキンスといった豪華な面々が、本作を支えます。 個人的にウィノナ・ライダーの大ファンである自分にとって、彼女の出演作はそれだけで十分な魅力を感じさせてくれま す。「キルトに綴る愛」「若草物語」「クルーシブル」「愛と精霊の家」「リアリティ・バイツ」「シザーハンズ」 「ナイト・オン・ザ・プラネット」など出演作には必ず強烈な個性を残す彼女は、今作も二人の男の愛に揺れるミナ役を 好演しています。また、主演のゲイリー・オールドマンも独特のドラキュラ像を作り上げ、伯爵の悲しい運命を我々に十 分に伝えてくれます。最近では「告発」「レオン」「エアフォース・ワン」「フィフス・エレメント」などの敵役の印象 が強い彼ですが「シド・アンド・ナンシー」「不滅の恋 ベートーヴェン」などは彼の本質的な演技力を観る事ができる ので、敵役しか知らない方にはそちらもお勧め致します。オスカー俳優アンソニー・ホプキンスは、本作では彼の演技力 のすべてを観る事は難しいと思われます(彼についてはオスカー受賞作品「羊たちの沈黙」にて)。 キアヌ・リーブスも自分を知っている素晴らしい俳優なのですが、「ハート・ブルー」「マイ・プライベート・アイダホ」 そして本作と縦続けにクランク・インしたこともあり、思いっきり疲れた顔をしています。しかし、ドラキュラの僕に血を 吸われ、半吸血鬼状態の役(髪も真っ白)なので、この覇気の無さがまたマッチしています(彼については「ディアボロス」「ビルとテッドの大冒険」にて)。

「ゴッドファーザー」シリーズ、「地獄の黙示録」で知られる巨匠コッポラが、永劫の愛に生きるドラキュラを荘厳な映像 美の中に復活させたゴシック・ロマン、というのが本作の振れ込みですが、実際は、今述べた「出演陣」と「衣装・セット のゴージャスさ」に頼っている部分が大きいと思われます。ちなみにその本作の命とも言えるべき「衣装」を担当し アカデミー賞美術賞を受賞したのはたのは、日本人「石岡瑛子」さんです。バンザイ!! \^o^/