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■人物を描いてみよう(その2)
 ページのボリュームが予定外に大きくなってしまったので(^_^;)、2ページに分割しました。前ページからの続きです。よろしければ(その1)と併せてご覧ください。 Sample from「Battle!」
◆顔を描く〜【鼻】編
◆髪の毛を入れて仕上げ
◆特別付録

◆顔を描く〜【鼻】編
鼻1  鼻は陰影だけを使って描いています。輪郭線は使わずに、わりとあっさりと入れる感じ。
 ハイライトと影を入れて大体の形を確認し、鼻の下に濃い影を入れながら微調整していきます。目元や口元とのバランスを見ながら、グラデーションを入れて高低差を出す感じで。

◆輪郭線の入れ方で、印象が変わる!
鼻ヒント  鼻を濃いめの輪郭線で描こうと思うときは、注意が必要。マンガ絵にしないためには、線にグラデーション処理を施すなどして、極力周囲から浮かないようにした方がいいようです。

 右のサンプルの真ん中の図は、単色で輪郭線を入れたもの。描画を1色に頼ると、こうしたのっぺりした印象になってしまいます。ペイントで描くとき、陥りやすい症状ですね。
 これを防ぐには、面倒でも線の周囲を中間色でつぶして、ベースの色となじむようにしてください。(一番下の図)ちょっと手をかけるだけで、絵の印象がかなり変わってきます。

◆髪の毛を入れて仕上げ
髪1  ここまで書いておいて何ですが(^_^;)、描画の順番はこれにこだわる必要は全然ありません。先に髪の毛から入れた方が描きやすいという人は、もちろんこっちから先に描いてくださいね。

 さて髪の毛ですが、いきなりフリーハンドでざっくり塗っちゃいますので、あんまり参考になりませんね(笑)。
 上手く描けないという人は、右図のように楕円ツールで別に楕円を描いておいて、それを合成して当たりをつけるといいかもしれません。(→)
 ここでは、いったん拡大表示を解除して、大きめのブラシで髪の形を大雑把に入れています。少々輪郭がゆがんでも全然気にしてませんが(笑)、気になる人は、曲線ツールを使うといいですね。

髪1-2

髪2  髪の毛の明るい色と影の色で、大雑把に塗っていきます。

 髪の分け目と流れを簡単に確認するという程度なので、図のように本当に大雑把。ここでも、大きめのブラシを使って、フリーハンドでざっくり塗っていっています。

 曲線ツールを使ってきちんと描きたいという人は、太目の線を使うときれいに描けます。試してみてね。

髪3  拡大表示して、細部に手を入れていきます。

 髪の毛を仕上げていくのと同時に、肌との境界をつぶしていって、最終的な形を整えていきます。 前髪を入れたときにつぶれた箇所も、もう一度描き起こし。

 また、髪の毛の輪郭も削ったり描き加えたりして仕上げていきます。 このあと、背景と合成するので、一番外の輪郭の処理はしていませんが、このまま白背景で描画を終える場合は、当然ここで、中間色を使うなどして輪郭の処理も行なってください。

Sample from「Battle!」  とりあえず、完成。

 なお、実際の完成画像では、背景と合成したあとに、再度手を加えています。

●今回使用したサンプルについて、実際の完成画像を見たい方はこちら

<特別付録>
先に少しだけ触れましたが、同じ人物(別に人物に限りませんが)を描くにも、描画の仕方で印象がずいぶん変わってきます。
たぶん、最も違いが出るのが、輪郭線(主線)の有無でしょう。 すでにお気付きの通り、今回紹介した人物の描き方では、輪郭線というものをほとんど使っていません。 ちょっと周囲を見回して頂ければわかりますが、本来、物体の「輪郭線」というものは存在しないんですね。 私たちが絵を描くときに「線」として捉えているものは、実は、光や影の集まりであったり、光と影の境界であったりといったものなのです。

「輪郭線」を入れるにしろ入れないにしろ、このことをちょっと頭の隅に置きながら描いていくと、輪郭の捉え方も変わってくるのではないでしょうか。 これまで「線」に頼っていた人、「線」ではなく「影」を入れていくという考え方を、一度試してみてはいかがでしょう。

さて、下にいくつかのサンプルを描いてみました。 描画方法が変わるとどのように印象が変わるか、あんまり出来のいいサンプルじゃありませんが(^_^;)、比べてみてください。


特別付録1  輪郭線を使わずに描いたもの。今回紹介した描き方と同じ要領で描いています。前ページでも使用したサンプル。

 輪郭部分には、ハイライトを入れたり、影を入れるなどして、境界の区別を付けようとしています。 面倒なように見えるけど、ペイントで描く場合、実は意外にもこれが一番簡単な方法。 私のお気に入りの描き方です。



特別付録2  輪郭線を入れると、マンガ・アニメ系CG風に。(…どこが、とは言わないで(^^;))
 これは、スキャナで線画を取り込んで彩色、というパターンに多い描画方法ですね。
 ちなみに左に挙げたサンプルの線画は、ペイントでちまちまと描いてます。(だってスキャナないし(^_^;))
特別付録2(線画)  右下のサンプルが、左の絵の元になった線画です。(→)

 ペイントだけで描く場合は、輪郭線を1色で描かずに線自体にもグラデーションを入れるなどの工夫が必要。 元の線を活かしながら、周囲の色となじませるなどの手間をかけると、ペイントでもわりと自然な感じに仕上がります。
 線の色は、グレー系、ブルーグレー系、セピア系辺りが一般的できれいですが、場所によっては大胆な色を使ってみると面白い効果が出るかも。



特別付録3  輪郭を光と影の集合体と考えて描いていくと、こんな具合に。

 ・・・これは正直言ってペイントではキツイですね!
 このサンプルも、ハイパーペイントの助けを借りています。ペイントを使ったのは、目や口などを描くときだけ。描いているうちに、顔の向きが変わっちゃったのは、ご愛嬌(^_^;)。

 こんな感じの絵を描いてみたいのであれば、ペイントではなく、他の描画ツールを使った方がいいでしょう。 ペイントではまず不可能(笑)。・・・とりあえず、ご参考までに。



特別付録4  デフォルメするとこんな感じ。アイコンなどによく見られる描画方法です。こういう絵は、ご存知ペイントお得意のものですね。
(・・・また顔の向きが変わってる。しかもサイズも(笑)。いい加減だなぁ〜)

 こうしたアイコン向きの絵を描くときのコツは、なんといっても色数を少なくすること! 使用色数はなるべく16色以下に抑えましょう。 できるだけ、同じ色を使い回しするようにして、とことん身軽にすることです。 (ちなみに左のサンプルの使用色数は13色) 新たに色を追加するたびに、キャンバスの隅にもちょっと塗っておくと、パレット代わりにもなるし、使った色の数がひとめでわかって便利ですね。
 複数の色を使って混色することで、見た目の色はかなり増やせます。 ここは描き手の腕の見せ所ですから、ドット打ちがめんどくさいなんて言ってちゃダメ(笑)。 マンガ絵大いに結構。それよりもまず、画像サイズを出来る限り軽くすることを第一に考えて、チャレンジしてみてください。


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