2002マウンテンサイクリング in 乗鞍
日本最大級のヒルクライムレース「マウンテンサイクリング in 乗鞍」にエントリーした。
毎年長野県乗鞍高原で行われるヒルクライムレース。
標高1400m(観光センター前)から2780m(畳平:車道の日本最高所)まで、登りのみ距離22kmのタイムを競う!!
こんな過酷なレースに毎年3000人も集まる!
いや、定員が3000人で、半月ほどで定員オーバーになるほどの人気のレースなのだ。
ヒルクライムは自分との戦い。去年より、昨日より、今日より、どれだけ頑張れるか。
登り切った時の達成感、眼下に広がる下界を見下ろすため登り続ける。
今までタイムトライアルではなくサイクリングとして走ったことが2回あるが、「速く」走るためにはなめてかかるわけには行かない。
チャンピオンクラスで優勝するような人たちのタイムは1時間を切る。
一般的には1時間30分を切れれば速い方だろう。
開催日は02/08/25。なんとか1時間30分を目標にこれから練習等努力したい。
・ネオコットクロモリプロフェッショナル乗鞍出場仕様・
ハンドルをライザーバーからストレートバー(アルミ芯カーボン巻き)に交換、バーエンド(余分な部分をカット)をつけた。
タイヤ・チューブを軽量な決戦用に交換。タイヤはマキシスの「フライライト330」。
実測326g!今つけているタイヤは約530gだから1本で200gも軽い!2本で400g!
しかし、確かに軽いが、乗ってみた感じは何となく走りが思ったほど軽くないかな・・・。
坂を登るのに荷物は軽い方が良い。当然自転車も軽い方が良い!
人によっては耐久性の低い軽量パーツや、ドリルで軽量化などする人もいるが、自分は最低限の変更で望むことにした。(後で戻すのも大変だし)
めちゃくちゃな軽量化をしていないクロモリMTBとしては驚異の9.6kg!!となった!
ネットで入手したコースマップ
02/08/24:受付
盆で帰省したことなどもあり最後の練習から3週間自転車に乗ってない。
記録的にはあまり期待できそうにないか・・・。
週間天気予報では週末は天気は良くなさそうだったが、24日は快晴ではないが悪くない。
前日は雨で自転車を車に積むなどの準備ができなかったので朝早く準備する。
しかし出発は10時と遅くなってしまった。高速に乗ると軽井沢で渋滞。
松井田妙義で下りて下道を行き、小諸からまた高速に乗る。
松本で下りるとやたらと自転車を積んだ車が多い。やっぱり乗鞍だなー。
R158を登る。途中には自走で向かう人もいる。受付は17時までだから間に合わないのでは?
受付だけ他の人にやってもらうのかな?途中のトンネルも危ないのによくやるなー。
奈川渡ダムを過ぎてトンネルをいくつか抜ける。やっぱりこんなトンネルは自転車で通れたものじゃない。
15:30、会場が近くになると自転車に乗ってる人がたくさんいる。駐車場はいっぱい、路上駐車だらけ。
自分たちは今日宿に泊まるつもりはないので、どこかに駐車しなくてはならない。
会場前にちょうど一台分スペースがあったので路上駐車。自転車を下ろし、受付へ向かう。
しかし、さすが乗鞍。人が多い。受付をして、記念品(Tシャツ)をもらいセンサーチェック。
こいつがちゃんと働いてくれないとタイムが計測できないのでドキドキ。
とりあえず、することはおしまい。後は駐車場だ。とりあえず受付の時間が終了するとこの辺りも落ち着くだろうからしばらく待とう。
その間にちょうど16:00ごろから行われるかの有名自転車サイト「MTBer.com」のオフ会へ行ってみる。
MTBer.comの管理人りょうさんはお子さんが産まれそうなので今回の乗鞍は不参加(おめでとうございます!?)
自分としてはネットで知り合って7年ほどたつので今回やっと会えると思っていたのでちょっと残念。
MTBer.comのオリジナルジャージを着た人が集まっている。
自分はあまりMTBer.comへ顔を出してないので(汗)、あまり知り合いはいないけど自転車の話などで盛り上がる。
自分がこの時乗っていった会場移動用の折畳自転車「ハンディバイク」が結構注目を集めた。
これでレースに出たらヒーローだよ!実際、自転車雑誌にも「これで出るんですか?」って聞かれた。
「違います」って答えたら行ってしまったけど(笑)
オフ会を終えて、駐車場を見ると、良い場所が空いている!会場の隣の温泉「ゆけむり館」のすぐ前の駐車場。
つまり、会場も温泉も歩いてすぐって場所!周りのクルマも腰を据えて、キャンプのようにご飯を作ったりしている。
僕らは今回は余計なことはせず、コンビニで買ったご飯を食べて、温泉に入ってすぐ寝た。
明日は5時起き、7時集合だ。
02/08/25:レース当日
朝、快晴!目覚め良し!しかし気温が低いのでなかなか外に出たくない(笑)
トイレに行くと長蛇の列、いろいろ準備し始めると、段取りが悪く焦る(笑)
しかも、集合は7時なのだが、場所取りは6時からOKというのを知らず、7時に集合するとすごい人数!当然列の最後尾辺り。しかし、よくぞこれだけ集まったもんだ!
よく聞けば、今回3000人の定員と聞いていたのに4000人以上エントリーしているという。
頂上で受け取る荷物(走り終わった後の食料や、水、ウィンドブレーカー等)をスタートで預ける。
7時半のチャンピオンクラスからクラス別に順次スタート!自分は一番最後の8時スタートだ。
各クラスがスタートするごとに当然会場は広くなっていく。
そしていよいよスタートに並ぶ。列がだいぶ動いてしまったので、場所的には真ん中あたりだろうか。
そして8時スタート!でも後ろの方は詰まっていてすぐには動き出せない(分かっていたけど)。焦らずにスタートし、道路の一番端っこを走って牛蒡抜き。そして集団がばらけ始める。自分と同じか少し速いペースの人を見つけ後ろにつけて
引っ張ってもらう。どんどん遅い人を抜く。ちょっとペース速いかな?と思いつつ、でも今はこれが良いペース。第1チェックポイント三本滝スキー場(スタートから7km)で水やアクエリアスを配っていたので水をもらう。調子は悪くない。
しかし、ここまでに既にパンクして止まっている人などが見られる。
年に一度の大会でレースも序盤でリタイヤでは悲しい。座り込んでうなだれている人もいた。
自分のメーターでは10kmくらいのところで「コース中間地点」の看板が!ちょっとメーターずれてるか?
よし、中間地点で40分ちょっと。単純に行けば80分、まだまだいけそうだ!
その後数分、1、2km走ったところで突然「バーン!!」と大きな音と共にリヤタイヤがバースト!!
ここまでたくさんのパンクした人を見たが、なんと自分も・・・。
スタート地点で空気を入れすぎていたのが、高度が上がって膨張したのか・・・?
とにかくその場で予備チューブに交換、フロントタイヤもこのままではパンクの恐れがあるので空気を少し抜く。この間にもどんどん抜かれていく。10分弱タイムロスした。(予備チューブを持っていくか迷ったが、持っていって良かった)
焦ってペースを上げる。しかし、コースは一番きついところ。
全くペースは上がらず、焦っても体力を消耗するばかり。またパンクしないかビクビクものだし・・・。
ここは、体力回復につとめるかと思っていたら、そのままどんどん力が出なくなって・・・。
15km地点第2チェックポイント位ヶ原山荘。ここでもアクエリアスをもらう。
そしてもう一度タイヤの空気を少し抜いておく。パンクが恐い・・・。
スタートするが、力が入らない、足が回せないどうやらハンガーノック(腹が減って力が入らない)っぽい。
練習の時は2時間くらいもつだろうと思っていたのに・・・。
結局練習でよく走った11kmくらいまでは調子が良かった(泣笑)
時速8km。もうカメのように遅い。足も全然回らない。
そんな中、もう既に先のクラスでゴールした人たちが下ってくる時間になったので、左車線を登り、下りは右車線。下ってくる人の声援を受けながら登る。
その中になんと女子高生コスプレでしかもママチャリの人がいた!
しかもこの時間帯に下って来るんだから、かなり速いはずだ。力抜けた・・・(笑)
下記HPの乗鞍ヒルクライムの記事で紹介されています。必見(笑)
その後も自分のペースは落ち続ける。森林限界を超えて景色が広がる。
雪渓も見えてきてもうゴールまで何kmもない。なのに足が回らない、進まない。
とうとう2時間を超えた。1時間半を目指していたのに大笑いだ。
最悪でも2時間以内は大丈夫だと思っていたが、なんてザマだ。
自分より全然安い自転車で(スタンドついてたりして)、カッコだって本格的じゃない人にも抜かれてしまう。
自転車は値段じゃない・・・。軽量化等のこだわりや努力が馬鹿らしくなる。
途中、何度も休もうかと思った。というのも、時々休んでる人がまた後ろから追い上げてきたりすることがあったから。
適度な休みを取った方が結果的には速く走れるだろうか?
でも、自分は乗り続けた。タイムが絶望的な今、最後の誇りは乗り続けることしかない。
大雪渓の前で一人一人の写真撮影がある。弱々しい笑みを浮かべてゆっくり通過する。
そしてやっとゴールが見えてきた。ゴールには2つ計測器があり、2車線でゴールする。
左カーブの先にあるので勾配はキツイかもしれないがイン側の左を行ってゴール!
終わった・・・。惨敗だ(誰に?自分にか?)。
気持ちとは裏腹に空は晴れ渡り、今まで登ってきた道が下にくねくねと見える。
ま、天気が悪いと救いようが無いのだけど。
ゴールは走り終わった人たちでごった返していた。後で聞いたところによると、ゴールが集中したときには先に進めず、ゴールが渋滞してゴールするのに何分も待たなければならない事態が発生したという。タイムを1分1秒を縮めるべく練習してきた人たちにとって、渋滞で何分もロスするとは・・・。
定員3000人のところに4000人以上がエントリーしているわけだから、混乱しこのような事態になったのだろう。来年は是非このようなことが無いようにして欲しい。
自分は全く渋滞とは無縁でしたが・・・(涙)
ゴールを通り過ぎるとスタート地点で預けた荷物を受け取るため探す。
ゼッケンNOで固まっているので、すぐ見つかった。
遅いほうだからあまり荷物が残ってなかったし・・・(涙)
聞いた話ではスタート地点で荷物を預けるとき人に頼んで、しかもその人が適当に預けたらしいので、どの固まりにあるか分からず4000個の中から探す羽目になった人もいたとか(笑)
タオルで汗を拭き、アンダーを着替え、ウィンドブレーカーを着て、パンを食べる。もくもくと・・・。
やっぱりハンガーノックだったのかな・・・?
ポカリスエットを飲み干し、下山の準備。体力が余ってれば、乗鞍岳に登山とかゆっくりしても良かったが、予想以上に時間がかかったし、体もヘロヘロで、精神的にも打ちのめされて・・・。
ここで失敗したのは、カメラを忘れてきたこと。せっかく登ってきたのに写真がないなんて・・・。
下山の列に並ぶ。まだ登って来る人がいるため、自由に下るのではなく、先導されて下る。
下山の列は200mぐらい続いている。写真のことが残念でならない。
しかし、並んでいる途中に、後ろの人がカメラを持っていることが分かり、頼んで撮ってもらうことにした。
非常に厚かましいと思ったけど、どうしても写真が欲しかったのだ。
ゴール付近はゴールする人、下山する人でとても写真が撮れる状況ではなかったので、下り始めて少し行った、景色の良い場所で撮ってもらった。本当に天気が良くて景色も見渡せた。これだけは救いだ。
嫌な顔ひとつせず、本当にありがとうございました!!写真楽しみにしています!
そして登りのうっぷんを晴らすべく、下り始める。
しかし!なんかおかしい!リヤタイヤがガタガタする!バイブレーションが!
止まって確認するとタイヤが一ヶ所ゆがんでいる。ホイールには異常はない。
タイヤをはずしてチューブも確認、はめ直してみるが直らない。
下りだすがやっぱりガタガタするのでもう一度やり直してみる。
下りでパンクなどして落車すると大怪我する可能性が高い。
乗鞍の路面はたまに悪いところや溝があったりするので下りで落車するひとも多いと聞く。
重大な事故となった場合は今後の大会の運営に関わるかもしれない。
結局うまく直らないのでもしものことを考えて30km位でゆっくり下る。
よって、登りも下りも時間がかかってしまった(涙)
こうして乗鞍初挑戦は見事にボロボロに終わった。
チャンピオンクラスは今年も村山選手なんと5連覇。
毎晩9時に寝て朝4時に起きて練習してるそうな・・・。
ま、乗鞍は逃げやしない。またがんばるさ。
ちなみに、乗鞍はエコーラインは03年度よりマイカー乗り入れ規制となります。
バス・タクシー以外でのクルマでの登山はできません。
上高地もマイカー規制となっていますが、自転車は通れるので乗鞍も大丈夫かな?
大会はやるみたいですが。
詳しい情報が分かり次第また連絡いたします。