10月6日、ケルンのユース。
翌日の昼にドイツ北部の「MEPPEN(メッペン)」で、
オーベルリーガ(ドイツ4部リーグ)の試合を観戦する予定なので、
この日は少しだけ北に向かおうと考えていた。
ケルンから鉄道で一時間ほど北に行った所、
「GELSENKIRCHEN(ゲルセンキルヘン)」という街に到着。
その街はドイツ1部リーグの「シャルケ04」のホームタウンで、
スタジアム「アウフ・シャルケ」がある。
シャルケ04のホームスタジアム「アウフ・シャルケ」
今日そのスタジアムで、2002年W杯欧州予選の予選リーグ最終戦
「ドイツ対フィンランド」が行われるのだ。
(そもそもその欧州予選のおかげで「各国リーグが休み→日本の欧州遠征」なのだが)
とは言ってもチケットなんてものは持ってないので、
最悪、スタジアム鑑賞だけになってしまうのだが・・・
駅員に教えられた通り、駅から路面電車
(と、言っても中央駅では地下にホームがあります)に乗車。
数十分乗ると終点に到着。そこに人はほとんどいなかった。
まだ誰もいないスタジアム・・・ダフ屋を探したがそれらしき人もいない・・・
「数時間後ここで予選が行われるのか?」
写真だけとって、とりあえず中央駅に戻る。
試合前、駅にいたドイツ人のおじさん2人
戻ると、先ほどより街中にサッカーの匂いがしてきた。
ドイツ代表のユニを着たおやじ、シャルケのユニを着たお姉さん。
そこらじゅうでビール片手に談笑が始まっている。
試合前、駅にいたシャルケサポのお姉さん2人
しかし、駅へ戻る最中、僕は土曜にもかかわらず、
ドイツマルクを切らしているのに気づき、
あわてて両替できる大きな街を目指して、再び南下。
(ダフ屋がいてもチケット買えなかったね。)
いくつかの街を回ってようやく両替に成功。
試合開始に間に合うかわからないが、もう一度ゲルセンキルヘンで下車。
今度は朝と変わって、路面電車は超満員。
ドイツサポの大合唱の中をかいくぐりひっそりと乗り込む。
到着するなり、ダフ屋らしき人から声をかけられ、
「150DM(ドイツマルク・1DM=約60円)(約9000円)でどうよ?」。
開始まで45分程度だったので、時間を見ながらちょっとだけ粘って、
「100DM(約6000円)で手を打つことにする。(額面は30DM(約1800円))
相場とかもよくわからなかったが、
当日券も販売していないので納得の値段。
しかし、チケットが非常に怪しすぎる。
海外のチケットなんてほとんど見たこと無いに等しいので、
このチケットで本当にスタジアムに入れるのかが心配だ。
第一の入り口、チケットは本物だったらしく、問題なく入場できた。
(この瞬間は本当に緊張した)
最近、日本も代表戦などでは二段階でチケットをチェックするようになったが、
こちらでは超本格的に行われている。
「旗・カメラ以外の荷物はすべて預かる」という徹底ぶり。
(ランスでの「日本対セネガル」戦でも実施されていた。)
ほとんどの人が手ぶらで来ているってのも大きいが、
膨大な数の荷物を集めておく場所もきちんと確保している。
(日本で実施するには責任問題とかあって難しいのでしょうか・・・)
そして第二の門。ほとんど手ぶらになった状態からボディーチェック。
開始まで数十分だがゲートがいくつもあるので、スムーズに入れる。
試合開始時
ついにスタジアムの中へ。すでにセレモニーは始まっていて、
会場内は熱狂の渦となっていた。
「さぁ、勝たせようよ!(予想)」などの放送で観客は一層盛り上がる。
試合はそんな中、開始される。
どこからともなく「ドイチュラン!」「ドイチュラン!」
ウルトラは見当たらないが、一人一人が声を出して、
まさにホームの雰囲気が出ている。
フィンランドのファールやドイツの凡ミスには
ブーイング代わりの猛烈な指笛が鼓膜を破らんばかりに鳴る。
ゴール裏の風景
フィンランドからのサポは一角に押し込められていたが、
ドイツサポのコールの合間にフィンランドサポの
「スオミ!」「スオミ!」が聞こえる。気合十分だ。
イングランド対ギリシャの試合経過が常にスクリーンに映される。
(この試合まで、ドイツとイングランドは勝ち点で並んでいる。
しかし得失点差はイングランドのほうが上。
つまり同じ結果ならドイツのプレーオフ行きになるわけだ。)
0−0で試合は進む中、イングランドがギリシャに負けていると言う情報で、
スタジアムは一層盛り上がる。
「このままなら、ドイツが一位通過だ!」「よし!このままだぁ。(多分)」
試合中の売店の方々
しかし、残念ながらゴールシーンが無いまま、試合終了。
「これで、ドイツ出場か?」と言う、ざわついた雰囲気の中、
「終了直前、ベッカムが入れちゃったよぅ」という放送が・・・
(残念ながらグループ2位で、プレーオフへ進むことになった。
しかし後のウクライナとの対戦でドイツは無事W杯出場を決めた。)
多くの人があれだけ飲んでいるのに、
ドイツ人は荒れることも無く、スタジアムを後にする。
帰りの路面電車は行きのそれよりは意気消沈しているが、
「次は勝つぞー!」などと盛り上がっている。
さずが常連国のサポは切り替えは早いです。
試合後の列車内
今日の宿はちょっとだけ北上して「MUNSTER(ミュンスター)」へ。
日も暮れている中の宿探し。
駅前の適当な宿で休むことにした。
参照「SHALKE 04 OFFICIAL HP」 http://www.schalke04.de/