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スチュアート・リトル 2 /
Stuart Little 2

Rob Minkoff

2002 USA 78 Min. 劇映画

出演者

Geena Davis (Mrs. Little)

Hugh Laurie (Mr. Little)

Jonathan Lipnicki
(George Little)

Michael J. Fox
(Stuart Little - 鼠、声)

Melanie Grifith
(Margalo - 鳥、声)

James Woods
(Falcon - 鳥、声)

見た時期:2002年7月

子供用の映画はあまり見る機会がありませんが、最近連続して見る機会があったのでその話を。

まずは スチュアート・リトル 2マウス・ハント 1マウス・ハント 2 (そんなのあったっけ? − 半分ぐらい下にスクロールして下さい。)、マウス・ハント 3 (あるはずないって)と スチュアート・リトル (1) を見た人が「かなりひどい」と言っていたので、わざわざ行かずパスしていました。今回スチュアート・リトル 2 は友人の好意で見ることができました。結果を言うとやはりひどい。これがなぜドイツではマウス・ハントを忘れさせるほど受けたのか分かりません。子供の映画だからと言っていいかげんに作るんだろうかという疑問が真っ先に浮かんできました。

私の経験から言うと NO です。子供の時見たディズニー映画では手を抜いていなかったと思います。ジェーン・ワイマン、リチャード・イーガン、カール・マルデンなどを集めて作ったポリアンナ、モーリス・シュバリエ、ジョージ・サンダースを連れて来て作った難破船、ドロシー・マクガイヤー、マイケル・J・ポラードで作った夏の魔術、ここで主演をつとめたヘイリー・ミルズはベルリン映画祭の特別賞、アカデミー賞などを取っています。彼女が1人で輝いていたのではなく、脇を固めた大人も手を抜いていませんでした。それでか私の心には鮮明な印象が残りました。

大人になってから見た数少ない子供用の映画ミュータント・タートルズウォレス&グロミット(誰があれをグルミットと呼び始めたんでしょうか)、マウス・ハントでは手を抜いていないどころか、かなり気合を入れています。ドイツではマウス・ハントのすぐ後にスチュアート・リトルが公開されたように記憶していますが、ポスターを見ただけで行く気をなくしてしまいました。子供だけでなく大人も狙った映画と、完全に子供だけを狙った映画がありますが、上に挙げたディズニー映画は子供向き、それでも手を抜いていませんでした。

見ないで評価しては行けないと思っていましたが、見てしまった今スチュアート・リトル 2 は出来が悪いと言いたいです。特に目立つのが大人の演技のまずさ。ジーナ・デービスは視線からしてプロの俳優とは思えず、学芸会に出た主婦のようでした。確か彼女はノミネートだけでなく、オスカーを取っていたと思いますが。相手役のヒュー・ローリーもジーナ・デービスに合わせず、もうちょっとそれらしく演技してもらいたかったです。英語で見たので責任をドイツ語の声優に押し付けることはできません。

意外だったのは仲が悪くて仕事に差し障ったという話のあったマイケル・J・フォックスとメラニー・グリフィス。フォックスの病気のため録音の能率が悪く、グリフィスが腹を立てたというニュースが伝わっていましたが、それにしてはボロが全然出ていません。2人は役柄上友情、信頼云々の演技を要求されるのですが、声だけで充分それを伝えていました。グリフィスは以前セシル・B ザ・シネマウォーズという映画に出ていましたが、そこで「監督からやれと言われると一瞬のうちにがらっと態度が変わって、それらしく演技をする大スター」という役を演じていました。その時の彼女のセリフは一言「私はプロだから」。スチュアート・リトル 2 でもそのプロらしさを発揮したようです。

けなしてばかりいても仕方ないので少し良い所も拾ってみましょう。音楽はわりとシーンに合ったものを使っています。ねずみのアウトフィットは野暮ったくていただけませんが、猫は2匹ともけっこう良かったです。口が言葉ぴったりに動くのを感心しながら見ていました。後半アクション・シーンがたくさん盛り込んであってメリハリはあるので、出演者をもう少し何とかすれば、かなりはらはらするおもしろい作品になったのではないかと思います。スチュアートの部屋の舞台装置をニック・パーク並に気合を入れて作ればかなり素敵なシーンができたのでは、とも思いました。家具などアイディアは悪くないです。ニック・パークに依頼してリメイクしたらどうでしょうね。

衝撃の発見を2つ・・・とは大げさですが、スチワートは5本指でした。これまでいつも登場動物が4本指で、私は不思議に思っていました。ベルリンで知り合いに理由を聞いても答えてくれる人はいませんでした。動物学の専門家がこの点について何を考えているかは分かりません。アニメ、漫画などでは動物が4本指でも誰も不思議に思わないようになっているらしいです。ねずみに実際に指が何本あるかなんてことは知りませんが、アニメではこれまでみな4本だったから今回もそうだろうと思って見ていたら5本でした。いったい何を基準に決めるんでしょうかね。

もう1つは今回もニューヨークのシーンが出たことです。昨年の9月まではそんな事考えたこともなかったのですが、事件以来ツイン・タワーのシーンをカットする作品が続出。映画でシーンをカットして市民の気持ちを刺激しないようにという配慮なのだそうです。まあその判断の良し悪しは当事者でない私が口を出す事ではないかも知れませんが、これを機にあまりにニューヨークが映っている映画が多いのに気付き唖然としました。これまで何の気なしにハリウッド映画を見て来て、大都会というたびにニューヨークのシーンをチラッと見せられ納得していましたが、実際サンフランシスコやワシントン DC を見せる映画に比べてニューヨークのシーンが圧倒的に多いということを考えてみたこともありませんでした。SF でよく大都会の廃墟が出て来ますが、ニューヨークと思われる町が多いです。誰かが田舎から大都会に出て来るというストーリーでもニューヨークが選ばれることが多いです。やはり絵になるんでしょうかね。

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