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ミクロヴェレ 2

考えた時期:2002年12月

ミクロヴェレ 1を読む

この年になってまだ科学の驚異に素直に心を弾ませられるのは良い事ですが、時代の波には見事乗り遅れています。が、しかし3年前に本格的に PC に取り組み始め、ホームページの管理人に昇格した井上さんを見習い、ここでめげては行けません。

「百姓は知らないものは食べない」という北ドイツの格言に従い、まずは知っている事から始めてみます。余ったご飯を電子レンジを買った日にサランラップに包んで冷凍庫に入れておきました。それを取り出してそのままレンジへ直行。ちなみにレンジは油が飛んだりしないということなので、台所ではなく普通の部屋に置いています。マニュアルには壁からこれこれの間隔を取って、上には物を乗せないうんぬん書いてあったので、それに合わせて小さい箪笥の上に置きました。そこへカチカチに凍ったご飯を持って行ってスタート。

・・・のつもりでしたが、百姓の知っていた《強》と《弱》などという分類ではなく、《800》とか《560》とか《400》とか書いてあります。ここでもう躓いてしまいます。家で母がやっていたのは《強》か《弱》か知らないけれど、確か最長でも3分ぐらい。原則として少なめとマニュアルに書いてあったので、《560》でこわごわ1分。

箱が《チーン》と言うのを待っていたのですが、言わない!ここでまた百姓の知らない事が起きました。《ピーップ》と言うんです。《チーン》を楽しみにしていたのに・・・。日本では電子レンジと言わず《チーン》と呼ぶ人を知っていましたし、《チーンする》などという新しい動詞が定着してからもう長いはず。《ピーップする》ではエレキバンと間違えられそう。しかしご飯の方は1分でちょっと温かくなっていました。それでその後2回1分ずつ試してみてアツアツのご飯に。近所の韓国料理店で買って来たキムチと合わせて食べてみましたが、炊き立てのようにおいしかったです。

数日後、ピーマンの中に肉を詰めて冷凍しておいた物を取り出して来て、レンジへ。またマニュアルのお世話に。こういう時は解凍というボタンを押し、食品の重さを計り、それを入力してスイッチを入れると書いてありました。すると片手ぐらいのピーマンに12分かかるというのがディスプレイに。12分?電子レンジは速いと聞いていたのに?

ま、仕方ない。そう書いてあるんだから。幸い秤の方は非常に精密なのを持っているから、間違いは無いだろうってんで、スイッチを入れました。ところが間もなく《ピーップ》。何事じゃ。ディスプレイには Turn と書いてあります。そんなはずは・・・ありました。暫くするとブザーが鳴るから食べ物の向きを変えろですって。納得せざるを得ません。開けてみたら片方はまだ氷状態。反対側は少し解け始めています。こんなわけで毎回驚いたり、感心したりの連続です。

そして電子レンジでない方がいい物というのも徐々に発見しました。例えば買って来たラザニア。普通食べ物は家で作るのですが、せっかく電子レンジを買ったというので、半分仕上がった食べ物を試してみようということになり、ラザニアを買ってみました。箱には「電子レンジとオーブンでできるがオーブンを推薦」と書いてあるので、その日は忠告に従い、オーブンへ。おいしかったです。しかし好奇心と誘惑に負け、もう1度買い、今度はレンジへ。確かにあまりおいしくありません。ところが同じ会社の別な食べ物の場合は「電子レンジを推薦」と書いてあります。これも好奇心に負けて後日試してみましたが、忠告通りでした。

次に飲み物。ミルクを温めるのは電子レンジの方がいいようです。私はミルクの上に張る皮が大嫌いで、あれが怖くて長年ホットミルクは飲んでいませんでした。レンジだとそういう事が起きず、ココアの粉を放り込んでおいしく飲めました。だめだったのがコーヒーと紅茶。私はコーヒーはわけあって未だにメリタの紙フィルターで漉しています。大橋巨泉がフィリップス・コーヒーメーカーの宣伝をしてから久しく、私もああいう機械がオランダから出ている事は知っていました。稀代のコーヒー好きな国民ドイツ人の家庭、職場にはどこにでもああいう機械が置いてあって、1日中暖かいコーヒーが飲めるようになっています。ところが私はコーヒーメーカーのコーヒーより目の前でやかんとフィルターで入れたコーヒーの方がたとえ冷たくなってもおいしいような気がして、結局かなり安い物ですが、コーヒーメーカーは買いませんでした。せっかく電子レンジがあるので、1度冷めたコーヒーをレンジで温かくして飲んでみました。おいしくない!紅茶も同じ。なぜか分かりませんが、冷めたままの方がおいしいいです。紅茶の方は冷めてもとてもおいしいという特徴があるダージェリンを買っています。これをレンジで温めるとまずく感じます。

ついでながら電子レンジで水を温めて紅茶を入れるのはだめそうです。どういうわけかレンジで温めた水からはカルキを取り出すことができません。それで水は従来通りの方法で温めて、紙フィルターを通しています。

インターネットから仕入れた情報の中に干ししいたけを速く柔らかくするというのがあり、これも早速やってみました。上手く行きます。これまで半日前に熱湯につけておいたのが、電子レンジだとあっという間に準備完了。すぐ料理に取りかかれます。

そして1番重宝しているのが、残り物を集めて昼食などという時。前の日に食べ残したものを皿に並べて《ピーップ》。すると温かい昼食。

このページを読んでいる方は何をいまさらアホな話を・・・とお思いでしょう。皆さんは25年間にすっかりレンジに慣れ、当たり前の話になっているでしょう。男がシングルでやって行けるのに電子レンジはかなり寄与しているでしょう。価格破壊が無ければ私はこの先25年レンジの事は何も知らずに過ごしていたと思います。新しいおもちゃを手にした子供みたいなものです。

《チーン》とは言ってくれない わがレンジ。

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