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Deepwater

David S. Marfield

2005 USA 93 Min. 劇映画

出演者

Lucas Black
(Nat Banyon - 流れ者)

Peter Coyote
(Herman Finch - 村のモテルの経営者)

Mía Maestro
(Iris - フィンチの妻)

Lesley Ann Warren
(Pam - ダイナーのウエイトレス)

Xander Berkeley
(Gus - フィンチとお金についていざこざがある男)

Jason Cerbone
(Sal - フィンチとギャンブルでいざこざを起こした青年)

Michael Ironside
(Walnut - 中古車屋)

Ben Cardinal
(Petersen)

Dee Snider
(バーテン)

Kristen Bell
(Laurie - 看護婦)

見た時期:2005年8月

2005年ファンタ参加作品

ストーリーの説明あり

最後のネタはばれません。

Open WaterDark WaterDeep Water などと最近は似たようなタイトルが並んで混同してしまいますが、今日は Deepwater と間を空けずに書く作品です。ドキュメンタリーではありません。原作はマシュー・F. ジョーンズのスリラー。

原作が良かったのか、脚本が良かったのか、演出が良かったのか、コヨーテが良かったのか分かりません。コヨーテの今一つはっきりしない曖昧さが良く生きています。小さい作品で、大スペクタクル映画やハンニバルのような予算たっぷりの豪華猟奇作品とはわけが違います。しかしそういう作品の間に並んで引けを取らない良さがある作品です。

監督は David S. Marfield で初仕事。それにしては出来が良いです。脚本も書いています。映画界の仕事は少なく、ファンタに関連する作品では Strangeland にスタッフとして顔を出す程度。それから7年ほどどこで何をしていたのか分かりませんが、突然監督として登場。

地味な俳優を使って、地味な土地を舞台にした地味な作品なので、前半を見ていると退屈な印象を受けます。そういう退屈な土地に住んでいる人の話で、雰囲気がよく伝わって来ます。観客も一緒に退屈してくれないと話に上手く乗れません。

病院を退院して行くあても無くふらりと旅に出る若者ナットのシーンから始まります。最初の町で軽いいざこざを起こし、喧嘩の相手が自動車の鍵を落としたのを幸い、赤いスポーツカーを失敬してしまいます。その車で旅行中に交通事故に出くわし、コヨーテ演じるところのフィンチを救います。フィンチの車は使い物にならなくなったので、彼を家まで送ります。

素敵なスポーツカーを乗りまわしているのにナットが失業中と聞いてフィンチは最初は驚きますが、車が盗品だろうという見当はついた様子。そこへ保安官がやって来てナットは御用。命を救ってもらったという気持ちがあるフィンチがどこでどう話をつけたのか、ナットはじき保釈。ナットが無職の流れ者と聞いてフィンチはアルバイトをさせることにします。知り合いの店で青い中古車を買い与えて、ホテルの壁のペンキを塗り替えたり、プールの掃除をしたら、借金を返したことにするという申し出で、ナットも食事と宿を貰えるので話が成立。

ナットはあれこれ文句は言わない男で、静かに働き始めます。そこへ若い女性が登場。ホテルの従業員でもあり、ナットの妻でもあるアイリス。魅力的な女性です。

ちょっと妙な事が起きます。保安官は3人ほどいますが、うちの1人が名刺を置いて行き、何かあったら自分に電話しろと言います。ナットはフィンチが大金を持っているところを見ています。客が全然来ないモテルを経営していてどこからこんな大金が、とふと疑問に思います。

暫く住んでいるうちに、フィンチが数人で賭けトランプをし、1人が金のいざこざを起こしているところに居合わせます。かと思うと別の家庭を持った男がフィンチに借金をしていて、小額返しに来るところにも居合わせます。フィンチははした金は嫌で、全額要求。ナットには優しい男ですが、時々トラブルがある様子。

そのフィンチはナットに対しては父親のような優しさで接し、ボクシングを習えと言い出します。ボクシングの試合をして自分に勝ったら・・・などと提案し、グラブをプレゼントされます。で、ナットはトレーニングを始めます。その間にフィンチの妻が彼と恋仲に。一緒に逃げたいなどと言い出します。年齢的にはフィンチとアイリスは親子ほど年が違い、ナットとアイリスは恋人にちょうどいい年齢です。

ある日フィンチの所に白い車に乗って来た男がいます。どこかで見覚えのある車だと思ったら元は赤だったのを白に塗り替えた様子。逮捕された時に警察に渡った車を塗り替えて今乗り回している人間がいる・・・。静かな田舎町だと思ったのに結構怪しい出来事があります。

フィンチと懇意にしているらしい中年女性パムは何かを知っている様子。ところが日が経つうちに、フィンチといざこざがあったサルが死体で発見され、ナットに情報があったら連絡しろと言った保安官が死体で発見されます。そうこうするうちに約束のボクシング・デイになります。試合の準備をして待っているナットの所に現われたのは・・・。

3つ目の死体が出て来たところでアッと驚く展開になります。そこまでずっと退屈な作りになっていて、その退屈な町に実は裏があってという雰囲気が盛り上がったところへ、アッといううっちゃりをかけられます。小さい作品ではありますが、これぞファンタという作品で、私は思わずベスト10に入れてしまいました

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