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6月の日記 /
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Diary of June

Lim (Im) Kyung-soo

2005 Korea 105 Min. 劇映画

出演者

Shin Eun-Kyung
(Chu Ja-young - 仕事が好きな刑事)

メン・セチャン
(チャン・ジュナ - ジャヨンの甥)

Eric Moon
(Kim Dong-wook - ドライな若手刑事)

Kim Yoon-jin
(Seo Yun-hee - ジャヨンのかつての同級生)

Yun Ju-sang
(ヤン - 刑事部長)

パク・ポムギュ
(ソン・イヌ - 優等生、殺人の被害者)

ピョン・チャンソク
(チャ・ガンテ - イヌ殺害の疑惑が生じていた生徒、自殺)

見た時期:2006年8月

2006年 ファンタ参加作品

見所は2つ。テーマになっている事件の捜査と、捜査を担当する2人のウマの合わない刑事の掛け合い漫才。

2人の刑事というのは仕事一筋で、趣味無し、ボーイフレンド無しの女性ジャヨンと、安定路線、将来は湾岸署署長を目指す、刑事より公務員が強調される若い刑事ドンウク。仕事が恋人路線の女性と、毎月振り込まれて来る給料の方に関心の高い男性では一緒に仕事をしてもウマが合うわけがありません。それなのに上司に「組め!」と言われてしまい、喧嘩をしながら共同で捜査開始。

連続殺人事件です。被害者の胃の中からカプセルが発見され、そこには殺人の予告が日記の形で入っていたというびっくりの展開です。

最初は殺人事件とも思われていなかった事件発生。普通の事情調査から始まります。それは交通事故のようでした。

数週間後その子に年齢の近い子供イヌの他殺死体が発見されます。間もなく飛び降り自殺事件発生・・・らしく見え、その子ガンテがイヌを殺して良心の呵責から死んだものと思えました。ところが検死中にガンテの胃の中から妙なカプセルが発見されます。中には自殺の解釈が成り立たないような事が書かれた紙片が入っていました。誰か(恐らくはこのメッセージを書いた人物)がガンテを突き落としたというのです。

そして最初の他殺死体からもカプセルが。内容はイヌに対する殺人予告でした。まだ生きている間に飲み込んだカプセルで、自分の死が予告されていた・・・。

結局どの死体からもカプセルが発見されます。犠牲者は全員死ぬ前に自分の死を予告したカプセルを飲まされていました。こりゃ間違いなく連続殺人事件だ!ってなことになります。2人の刑事はもう喧嘩なぞをしている暇はありません。

共通項探しは簡単でした。年齢が皆近く、同じ学校に通っていました。担当刑事ジャヨンの甥もこの学校に通っています。その学校の子供が何人も不審死を遂げる中、ジャヨンの甥が拉致に遭います。ただの仕事でその学校へ捜査に来たはずのジャヨンでしたが、自分が息子のように育てている甥も当事者として事件に巻き込まれていました。

捜査を進めて行くと、裏に子供の苛めが関係している事が分かって来ます。韓国の苛め状況はよく知りませんが、日本から長年に渡ってそういう事件、犠牲について聞いているので、テーマには簡単に納得できます。今年のファンタには苛めをテーマにした作品が韓国以外からも来ていて、主催者がメイン・テーマに選んだのかとも思いました。ドイツは苛めはそれほど極端ではなく、社会問題になるほどではありませんが、別な国からはチラリとそういう話も聞こえて来ます。

6月の日記は苛めに遭った子供の親が怪しいという展開になるのですが、間もなくご紹介するオーロラ姫と同様プロットに一捻りがあり、単純に苛められっ子の親がそれを恨んで苛めっ子を・・・という進み方はしません。本格推理小説の手法と比べても十分対抗できる一捻りがあります。ここはばらさない方がいいと思われるので沈黙。

私は韓国の芸能界を知らず、日本の韓国ブームにも乗り遅れ、無知もいいところです。しかし逆にそのためにファンタで見た映画については、先入観が入っておらず評価は客観的かも知れません。これまで見た作品だけで物を言うと、日本よりアクションの出来が良い作品があった、犯罪のテーマにマジに取り組んでいる、観客も一緒になって推理できるなどと良い点がいくつかありました。今年見た時代劇も良かったです。時代劇にも事件を盛り込んで来るなど、私の好みを見透かしたような参加作品でした。政治方面ではあまり明るいニュースが聞えて来ませんが、政治家と民間のやる事を分けて考えた方がいい時期なのかも知れません。

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