音楽のページ
2007年1月
うたむらさん、井上さんを始め皆様、明けましておめでとうございます。今年もよろしく。
去年からそうですが、毎月の月始めに合わせて出そうとすると、プログラムが発表されていない店があったりするので、最近は3日から5日遅れて出すようになっています。今月は野暮用が重なりさらに遅れてしまいました。
うたむらさん、井上さんの好きなブルース、私の好きなソウルやファンクがどんどん減り、心もとなく、一時はこのコーナーもまもなく閉店かと危惧したのですが、去年の後半から盛り返してきたような様子が見られます。
特にはっきりしているのはベルリンのクロイツベルク区の貢献。夏にベルクマン通り祭というのがあり、野外コンサートが開かれるようで、そこでいい演奏をした新人や無名バンドに有名なカフェやクラブが話し掛け、出演の話を持って行っているようなのです。クロイツベルクという区は学生時代私も良く知っていた区で、この区にぴったりの企画です。
最近はつぶれた店と新しい名前が目につき、世代交代があるのかも知れませんが、ベルリンはブルースを無視する町でないようです。時にはアメリカら招かれたミュージシャンの顔も見られますし、アメリカから来てベルリンに居ついてしまった人もいます。そういう人たちがドイツ人と組んで定期的に出演しているのも見かけます。
ベルリンはドイツで有数の大都市とは言っても、日本の大都市とは規模が違います。それで定期的にプログラムを見ていると同じ人が交代であちらこちらのクラブに顔を出しているのも分かりますが、それだけブルースが定着しているのかも知れません。
さて昨年はよりによってクリスマスに「わしは黒人じゃ。誇りに思っとるでー」のソウル、ファンクの神様が本当に神様になってしまいました。始めニュースを聞いた時は口あんぐり。本当だと理解するまでに暫く時間を要しました。別にコンサートを見に行くわけではありませんが、神様のブラウンが同じこの世、アメリカのどこかで生きているのが当たり前のように思っていたので、大きな喪失感を味わいました。年齢の関係でこれからも時々そういう悲しいニュースはあるでしょう。悲しいのは、ロビンソン、ブラウン、ゲイ他のような大きな才能、インパクトを持って音楽界に大きな影響を与える人に肩を並べる新人が長い間出ていないことの方。たかが音楽、たかが芸能でも世界を動かす時代があったのですけれどね。CDの時代に入り趣味が細分化され、皆が同じ音楽を楽しむという時代が去ったことが大きな原因かも知れません。自分の趣味にぴったり合わせられる時代だという意味では店の方がお客様に合わせて来るので、文句を言うべきか、喜ぶべきか迷いますが。
ところで最近ベルリンにはアフリカ系のミュージシャンを招いての催しが増えているのですが、中には出演者に原始的な格好をさせ、植民地時代を思い起こさせるようなポスターが張られるものもあるようで、アフロと銘打っていても要注意です。そういうショーでも楽しいのかも知れませんが、ブルースやソウルを探している人向きではないようです。
なお、ここでソウル、ファンク、ブルースの他にジャズというコメントも入っているものは、ジャズの傾向が強い可能性があります。ジャズの側からソウルやファンクをのぞくというスタンスもあります。
場所 | アーティスト | 詳細 | ジャンル | メモ |
Acud sessioncafé | Carlos Dalelane, Cremildo Caifaz & Band | アフロ・ファンク、アフロ・ビート | Eb Davis、Kat Balon、Tom Blacksmith、Majika などとよく協力するベルリンでは有名な人。 | |
Acud sessioncafé | Don't tell Mama | Jenny Conrad, Carlos Dalelane, Steffen Siegmund | ブルース、ロック | 4年前にベルリンでロック・バンドとして結成。男女4人組・・・となっているのですが、どこを見ても3人分のメンバー紹介しかありません。書き間違いがあるのかも知れません。3人でロックというのはちょっと人員不足のような気もしますが。 |
Acud sessioncafé | Fresh Brain and the Neo Funkers | ネオ・ソウル、ファンクのセッション | フリー・セッション | |
Acud sessioncafé | Jan Pfennig's "Groovedealers" | Frank Braun, Max Teich, Erich Gramsauer, Steffen Scholz, Ralph Grässler, Jan Pfennig | ジャズ・フュージョン・ファンク | 3年間町を離れていたグループ。 |
Acud sessioncafé | Louey's Blues Session | ブルース、ソウル、ロックのセッション | ルーイー・モスという女性がジャズ・トリオを招いてのセッション。サリーという名の女装の男性がティナ・ターナーを演じたりかなり変わったショーのようです。 | |
Acud sessioncafé | Woman Unite Session | ソウル、ファンク他 | Evi Thaler という女性が中心になって女性のミュージッシャンを集めた催し。アクードのセッションカフェでは1999年から女性とジャズというテーマで催しをやり成功している。エヴィ・ターラーはアフリカ系ドイツ人女性ドラマー。 | |
A Trane | Christoph Grab's cryptic blues | Christoph Grab, Axel Dörner, Philipp Schaufelberger, Christoph Sprenger, Dieter Ulrich | ジャズ | |
Badenscher Hof Jazzclub | The Alleycats Blues-Duo | Kat Baloun, Nina T. Davis | ブルース | The Art of Duo と銘打っての特集。 |
Badenscher Hof Jazzclub | Desney Bailey, Helmut Bruger | ソウル付ジャズ | The Art of Duo と銘打っての特集。 | |
Badenscher Hof Jazzclub | Fuasi & Friends | ソウル、ジャズ | ||
Badenscher Hof Jazzclub | Guitar Crusher & the Mellowtones | Crusher, Jan Hirte, Hans Hoffmann, Klaus Krüger | オリジナル・ブルース & ソウル | ベルリンではおなじみのメンバー |
Badenscher Hof Jazzclub | Helmut Bruger Trio & Guests | ソウル、ジャズ | この店の家付きピアニスト Helmut Bruger の誕生会。 | |
Badenscher Hof Jazzclub | Mike Russell, Earl Bostic | ジャズ、ブルース、ソウル | The Art of Duo と銘打っての特集。 | |
Badenscher Hof Jazzclub | Rudy Stevenson Band | Rudy Stevenson, B. Plant, Ernie Schmiedel, Hans Hoffmann, Lenjes Robinson | ジャズ、ブルース、ソウル | Ben King Perkoff も出演。 |
Brauhaus Südstern | Los Reyel del K.O. | ブルース | ||
Deponie No 3 | Boogie Radio | ブルース、ブギ | ||
Deponie No 3 | Kat Baloun & Friends | ブルース他 | ||
Frau Mittenmang | Miss Jackies Delight | ファンク | ||
Junction Bar | Boots Off | ジャズ・ファンク | 若者4人組。ほとんど自作曲。 | |
Junction Bar | Paulus | ファンク | Aljoscha Paulus はベルリンに移住して来たファンク専門の歌手兼ソングライター。バンドは大半がハンブルク人。2004年に結成。60年代のディスコ、ポップス、ソウルの影響あり。ダンス向き。 | |
Junction Bar | Tayo & The Soul Knichts | ソウル、ジャズ、R&B | アフリカ系ドイツ人のタヨは英語、ドイツ語、ジプシーの使うロマン語の曲をこなす。 | |
Junction Bar | Yvonne Ambrée | ジャズ、ファンク、ソウル | 若いベルリンのシンガー。自作曲とカバー(Roy Hargrove、Joni Mitchell、Van Morrison など)。 | |
Petruskirche Lichterfelde | Franz de Byl | ブルース | ||
Quasimodo | Astrid North & Band | Astrid North, Esther Cowens, Kai Fischer, Gabriel Gordon, Edward Maclean | ソウル、ポップ | 同じ日にダブル・コンサート。 |
Quasimodo | Charlotte De Haas & Band | Charlotte de Haas, Veronica Rumpler-Perez, Anne de Wolff, Wolfgang Scheele, Stephan Kunz, Sebastian Vogel, Niklas Nesselhut | ソウル、ポップ | 同じ日にダブル・コンサート。 |
Quasimodo | Clan Destiny - Tour 2007 - Wishbone Ash | Andy Powell, Muddy Manninen, Bob Skeat, Ray Weston | 英国系ロック、ブルース | |
Quasimodo | Funk Delicious | ファンク | ||
Quasimodo | Funk Fabrik | ファンク | ||
Quasimodo | Michael Kersting "Batterie" | Yelena Kuljic, Eren Solak, Edward Maclean, Michael Kersting | ソウル、ジャズ | Yelena Kuljic も出演。 |
Quasimodo | Ngoné, The GooGoos and A Tribe Called Band | Ngone, Oleg Rovner, Sebastian Borkowski, Phillip Sindy, David Ben-Porat, Vivien Cutino Azahares, BooBoo, Boussa Thiam, Tobias Neumann, David Neumann, Arnd Geise, Felix Lehrmann, Phillip Kullen | R&B、ソウル | カシモドは小さいクラブで、こんなに大勢のメンバーと楽器は入り切りません。どうするつもりだろう。 |
Quasimodo | Orientation | Bekir Karaoglan, Babak Akhoundi, Serkan Kaynarcali, Andreas Advocado, Suleyman Celik, Ümit Ürgen, Enno Kuck | オリエンタル・ソウル | |
Quasimodo | Ruf's Blues Caravan Tour 2007 - Blues Gruitar Women | Sue Foley, Deborah Coleman, Roxanne Potvin | カナダ、アメリカ系ブルース | |
Rickenbacker's Music-Inn | 10 Miles | ファンク、ロック・バラード | ファンクもやりますが、ロック・バラードの方に重きを置いている様子です。 | |
Rickenbacker's Music-Inn | Blues Power | 1985年、当時ベテランのブルースマン、Michael Berzewski、Jochen-Peter Schulz、Charly Rückert によって結成。80年代は西ドイツの人気バンド。90年代に Henri Villain が加わる。大成功。いつ入ったか分からない A. Funke が脱退し、Eberhard Post と交代。世界的に有名なアーティストの前座をやった人もあり。 | ||
Rickenbacker's Music-Inn | Fast Luck Strings | ブルース、ブルーグラス、フォーク、カントリー |
ブルースとブルーグラスのどこに共通項があるのかは、ブルース・ブラザーズ 2000 を見ても理解できなかったのですが、そんな小さいことにはこだわらず・・・。バンジョー、マンドリンなども使われるので、どちらかと言えばカントリー・ファン向き。Robert Johnson、Townes Van Zandt、Earl Scruggs、Bob Dylan、Taj Mahal などの名が挙がっています。 | |
Rickenbacker's Music-Inn | Heaven Roads | Henry Marcinkowski, Andy Gut, Siggi Bley, Sigge Helcmanowski | ブルース、ロック | Bob Dylan、Carlos Santana、Chuck Berry、Chris Rea、Eric Clapton、Garth Brooks、Garry Moore、Joe Cocker、Steve Ray Vaughan、The Bluesband、The Rolling Stones、ZZ Top を信奉しているグループ。 |
Rickenbacker's Music-Inn | Jürgen Bailey Band | テキサス・ブルース・ロック他 | Jürgen Bailey はテキサス生まれのギタリスト兼シンガー。25年のキャリア。世界中を回った後ベルリンに住みつく。古典的なブルースからテキサス・ブルース・ロックまで。 | |
Rickenbacker's Music-Inn | Kat Baloun | ブルース | Kathrine Baloun はテキサス生まれ、オハイオ州シンシナティー育ち。5歳から各種の音楽、楽器を始める。John Mayall、Bonnie Raitt、Little Walter などの影響を受ける。1994年からベルリンに住む。 | |
Rickenbacker's Music-Inn | Roger & The Evolution | ニュー・オルリンズ系 R&B、ジャズ | 1986年結成。 | |
Ultra Lounge | More Town Sou | ソウ | ||
Ultra Lounge | Tayo & the Soul Knights | ソウル | ||
Wabe | Jonathan Blues Band | ゲスト Guitar Crusher、Henry Kotowski、Christiane Ufholz、Berd Kühnert | ブルース | 第12回新年ブルースを Jonathan Blues Band と共に開催。 |
Yorckschlösschen | Guitar Crusher & the Mellowtones | Sidney Selby, Jan Hirte, Hans Hoffmann, Ernie Schmiedel, Klaus Kruger | ブルース、ソウル | Guitar Crusher の本名は Sidney Selby。1931年カロライナ生まれ。 |
Yorckschlösschen | Waldi Weiz Bluesband | ブルース | ||
Yorckschlösschen | Los Reyes del K.O. | Marcos Coll, Adrian Costa, Tom Blacksmith, Michael Maass | スペインの R&B | マドリッド出身のデュオ。特にコルは14歳の頃にはすでにブルース病に感染していて、舞台に立っていた。コスタは何種類もの楽器をこなし、James Brown、Stevie Wonder、Mike Bloomfield を混ぜたような声の持ち主。スペイン・ブルースの新星。 |
Yorckschlösschen | Roger & The Evolution | Roger Radatz, Peter Muller, Robert Gutowski, Thomas Keller, Harold John, Joachim Dette | ジャンプ & ジャイヴ | |
Yorckschlösschen | Twoogie Woogie | Tom Miller, Hanno Vehling | ピアノ2台のブギウギ | |
Zosch | Soul-Syndicate | ソウル |
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