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バイオハザードIII /
Resident Evil: Extinction /
Resident Evil 3: Extinción /
Resident Evil 3 - A Extinção /
Resident evil - La extinción

Russell Mulcahy

2007 F/D/Australien/UK/USA 95 Min. 劇映画

出演者

Мила Йовович/Milla Jovovich
(Alice - 元アンブレラ・コーポレーション(以下《傘組織》と略す)の入り口をガードする傭兵)

Jason O'Mara
(Albert Wesker - 傘組織の大ボス)

Iain Glen
(Isaacs - 傘組織の科学者)

Matthew Marsden
(Slater - 傘組織でアイザックと対立する男)

Oded Fehr
(Carlos Olivera - 傘組織の傭兵、主任、現在は避難中の生存者)

Mike Epps
(ロイド・ジェファーソン・ウェイド - 避難中の生存者、ベティーの恋人)

Ashanti
(Betty - 避難中の生存者、L.J.の恋人)

Ali Larter
(Claire Redfield - 避難中の生存者)

Linden Ashby
(Chase - 避難中の生存者、狙撃手)

Christopher Egan
(Mikey - 避難中の生存者)

Joe Hursley
(Otto - 避難中の生存者、メカに強い)

Spencer Locke
(K-Mart - 避難中の生存者)

Madeline Carroll
(White Queen - ホログラフの画像)

見た時期:2008年2月

重要部分はばらしません。

★ 実話の方が恐い

最近細菌の実話を知ってちょっと落ち込んでいるところです。ウィル・スミスが作った人類滅亡ストーリーにそっくりな出来事が海を隔てた隣国で実際に起きていたそうなのです。鼠が増え過ぎて退治しなければ行けないほどになったため起きたことだったそうです。動物愛護を声高に叫ぶ国でもあるため、増え過ぎた動物を銃で撃ち殺したり、薬殺するわけに行かず取った措置ではないかと勝手に解釈しておりますが、目的は子孫を増やさないようにするところにあったようです。遺伝子をいじったのか、あるいは何か薬でも作り出したのか、とにかく実際に効果のある対策が生み出され、実験を行っていたら、当初の予定より強力な100%効く物ができてしまったようなのです。最近はこういう時にブッタマと言うらしいですが、ブッタマなのはそれが非常に危険な発明で、厳重に政府の管理化に置かれているのだと思ったら、何とその資料が簡単に民間の手に入ってしまう点です。報道記事で知ったのですが、書いている人は「非常に危険だ」との見解です。経緯がウィル・スミスが最後の人類になってしまう話によく似ていました。

最近細菌テーマの映画が増えています。またかと思う寸前だったのですが、このような実際の話にぶつかってしまうと、映画は「危ないぞ、気をつけろ」と警告してくれているのかと思います。ただSF好きの知り合いの間では「警告のつもりで作った監督も大勢いただろうけれど、結果としては予告になってしまっており、人類は最近悪い方向に進む一方だ」と暗い顔をする人が多くなって来ています。人間には警告が出た後でそれに慣れてしまうという不思議な習性があるなあと最近特に感じますが、それだけ恐いと感じているのでしょう。マジで恐いからその場から逃れようと思って考えないようになってしまいます。そこを乗り越えて更に考えろというのはなかなか要求しにくいものです。ま、私は「SFよ、警告してくれてありがとう」と感謝の念を持ちながら見るようにしています。

★ シリーズ最終作(の予定)

というわけで、ついに来ました3作目。それが良かったかはともかく一応この作品でバイオハザードシリーズはオトシマエのようです。最初はあのシンボル・マークもはっきり意識していなかったのですが、今では目に付くと「あ、やばい」と思うようになりました。それを教えてくれただけでも見る価値はあったかも知れません。バイオハザードIIIは 無理をすれば4作目も可能になるような終わり方ですが、あとはもう地下に引きこもっている悪人を退治するだけです。

★ ここでざっとおさらいを

第1作は有名なキャロルの小説にヒントを得ており、そのため主人公の名前はアリス。当初記憶を失っているのですが、実はアリスはアンブレラ・コーポレーション(以下《傘組織》と略す)の傭兵。自分も属している部隊が、地下に居住して研究をしていた科学者チームの死亡を確認しに行くという話でした。実験ラボで何かが起きて伝染病が広がってしまったのです。詳しくはこちらをご覧になって下さい。謎を探って行く要素が3作の中で1番強く、私には1番おもしろく思えた作品です。視覚的にきれいなシーンが多いです。

次の話はアリスが、研究をした組織をつぶそうとする話。こちらはビールスでゾンビ化した元人間との戦いが多く、謎は減っています。そのため私のような人間にはつまらなくなったような印象です。あの美しいヨボビッチに謎を加えると神秘的で素敵なのですが、2作目からは戦士という印象に変わってしまいます。詳しくはこちらをご覧になって下さい。

★ そして最新作

第3作はおびただしい数のアリスの死体から始まります。このシーンはよく考えてみるとエイリアンの確か4でしたか、それとプレステージのパクリ。悪党科学者がアリスを何度もクローンして、人体実験をし、失敗したアリスは死亡。ごみ捨て場へ。実験はこれまで成功していません。

このシリーズ、最初からパクリの連続なのですが、これまでの2本はパクリにもそれなりの意味があります。「細かい描写は自分たちでやらない、有名な作品を思い出してイメージを抱いてくれ」といった感じの役割分担。「その代わりコンセプトはずらさないぞ、映画のメッセージは充分理解してくれ」というものです。まあ、それはある程度うまく行ったと言えないこともありません。3作目はその焦点がボケたような印象です。アリスの死体がぞろぞろ出て来るシーンはいくらかショックを受けます。観客の受けるその印象をもう少し大事に扱ったらよかったかと思います。

さて、なぜ彼女の体を使って実験が行われているかと言うと、第1作で始まった伝染病が全世界に広まり、ごく僅かの人類が砂漠地帯に生存しているだけになってしまったからです。 複数アリスの1人は外界で生存し、旅烏。しかし実験をしている傘組織にばっちり衛星で監視されています。旅の間に入手した情報では、アラスカはまだやられていないとのこと。「低温に弱いビールスやったんか。そんな事、はよ突き止めいな」と突っ込みたくなりますが、まあ第1作でばれてしまうと続編が作れませんから、そういう事にしたのでしょう。

もっぱら一人旅をしているアリスですが、行動を共にしたこともある生存者に再会。皆でコンボイを組んでアラスカに向かおうということになります。男も、女も、子供もおり、安全な地に行きつけば、再びやり直すチャンスはありそうです。中にはかつて同じ会社で働いていた同僚も混ざっています。

しかし簡単にハッピーエンドには行けません。人間だけでなく、動物もゾンビ化して襲って来ます。道中仲間が次々にやられます。その上傘組織の科学者は研究を続けているので、スーパー・ゾンビも登場。第1話よりずっと危険になっています。そんな中生存者をアラスカへ逃がすだけではだめと思ってか、アリスは傘組織との対決を決心。

★ なぜ監督を変えた

第1作に比べ第2作、第3作は作りが荒いという印象を否めません。3作目は脚本がわりといい加減で、最初にあまり意味の無い対決シーンがあります。生存者を探してコンボイと別行動を取っていたアリスが、悪人生存者の罠にかかり襲われます。ドタンバタンの戦いの末生き残るのは当然ながらアリス。その後コンボイと合流し、コンボイの生活ぶりがざっと分かる仕組みです。そこで典型的なホラー映画の手法を使い、「だめ、だめ、だめだ ったら。危ない・・・」のに何かをやってしまうシーンがあったり、人類がこれだけ減っているのだから当然警戒心を持っていいはずなのに、意外とずさんでやられてしまったりと、緩い脚本になっています。

第1作は最初から、終わりまで通しの筋が作られていて、あまり出たとこ勝負とか行き当たりばったりという印象を受けません。2作目は荒いアクションが増え、その分ストーリーに1本通っているべき筋が弱くなっています。それでも何かの筋は通っているような印象。3作目は継ぎ接ぎという印象が特に強くなります。1作目はアツアツだった監督が作った作品。2007年暮れにはヨボビッチはアンダーソン監督との間に娘も授かり、婚約状態は4年以上。

ヨボビッチはこれまで監督が彼女に惚れ込み、彼女をきれいに撮った映画ができるというパターンで来ていました。アンダーソン監督とは長く続いている、子供もできた、優しくていい人のようだなどと考えると映画も作ってあげたらいいのにと思います。しかし2作目以降はあっさり人手に渡してしまい、プロデュースなどの方に回った様子です。ことバイオハザードに関しては、彼に全部やらせた方がよかったのではと思います。

コンピューター・ゲームと縁の無い生活をしているので、ゲームには触れませんでした。

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