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揃い過ぎた役者

2008年サッカー欧州選手権

R/NL 90 Min. 縺れて延長戦

出場者

ロシア・ティーム

オランダ・ティーム

聞いた時期:2008年6月

先日ドイツが4強に残り、トルコも進出という報告をしました。次がロシア・オランダ戦、その次がイタリア・スペイン戦です。

★ ロシア・オランダ戦

トルコが勝ち残り、ドイツとの対戦が25日と決まったため、頭を痛めていますが、ロシア・オランダ戦では何となくロシアを応援していました。

ソ連時代は西ベルリンという摩訶不思議な立地条件だったので、ソ連を積極的に応援するのも変ですし、サッカーに興味を持ったこともありませんでした。当時のソ連はサッカーの欧州選手権にはほとんど無関係。帝政ロシアのサッカー・チームに代わってソ連チームというのができたのですが、サッカーに全く興味が無かった私はソビエト・チームの話を聞いたことがありませんでした。ソ連の活躍の場はもっぱらオリンピックだったようで、世界選手権とか欧州選手権で名前を聞いた記憶もありません。

その辺の統計を見てみると、世界選手権には、気合を入れて出て来る時があり、そういう時は上位に食い込むようです。出場には斑があり、全然出て来ない時期というのもまとまってあるようです。欧州選手権も似たような感じで、とにかく斑のある出場の仕方です。今年は久しぶりに気合を入れて出て来たようで、ちょっと前に若手が大勢入って調子を上げているドイツと似たような感じとも言われています。これは全部伝聞です。

さて、壁が開いてからロシアのナショナル・ティームが再結成され(とは言っても多分ソ連ティームが横滑りしただけでしょう)、すぐには芽が出なかったようですが、今年は絶好調。ベスト・フォーに入りました。

★ ロシアも延長戦

トルコ・クロアチア戦は延長戦に入る直前までにエネルギーを使い切ったらしいクロアチアの負け。実は本命視されていたティームです。しかし危機に瀕しても気合を入れて諦めないトルコの勝ちでした。

オランダ・ロシア戦では下馬評は圧倒的にオランダ。ロシアは上にも書いたように国際舞台ではしょっちゅう出て来るわけではないのであまり知られていません。ところが応援団5桁の大量動員をして完璧な姿勢で試合に出て来たオランダが、負け。ロシアはソ連時代を入れても20年ぶりの準決勝。ベスト4に入った経験は初回1960年優勝、2回目1964年2位、3回目1968年4位、4回目1972年2位、と調子が良かったのですが、その後ぽつんと1988年に2位に入った切り20年のご無沙汰。つまり私がサッカーに全然興味を持っていなかった時代が全盛期だったわけです。

オランダはソ連の姿が見えなくなった頃から上昇していますし、ドイツに住んでいるとニュースはちょくちょく耳にします。ベスト4に入るという点ではドイツと並んでオランダは80年代から最多組に入っています。ですから私もロシアをいくらか贔屓にしていましたが、オランダの方が勝つだろうと思っていました。ところが先に点を入れたのはロシア。オランダは追いついたので、この勢いでやられるかと思いきや、延長戦。若手が多く、延長になってもエネルギーが残っていたロシアが勝ち。

★ スペインも延長戦の上11メーター

スペインとイタリアではどちらを応援していいのか分かりませんでしたが、イタリアは世界選手権でトラブルがあったので、まあ、スペインか、ぐらいの軽い気持ちでした。深く考えたわけではありません。延長戦でも決着がつかず、11メーターになり、そこでスペインの勝ち。

★ 絶妙なバランス

上にもいくらか贔屓と書きましたが、私はオランダと当たるのならロシアを応援しようと思って中継をラジオで聞いていました。正直なところどちらのチームも良く知らず、特定の選手を応援ということではありません。単に国のバランスのためでした。というのはオランダとドイツが残るとゲルマン系の国が2つになってしまうからです。しかし勝敗の様子を見ているうちに不思議な気分になってきました。

ベスト4が決まるにあたって、ドイツが勝った相手はポルトガル。トルコが下したのがクロアチア。オランダを下したのがロシア。イタリアを下したのがスペイン。4ティーム全部決まって見るとあまりにもバランスが良いので驚きました。

ドイツが負けていると、ベスト4にラテン系の国が2つ入って来ます。トルコが負けると東欧系の国が2つ入ります。ロシアが負けるとオランダが入り、ドイツが勝っているとゲルマン系の国が2つ、ドイツが負けているとラテン系の国が2つ。ですからドイツ、トルコ、ロシアが勝つというのは非常にバランスがいいのです。最後のイタリア・スペイン戦ではちょっと前に勝ちはしたものの大問題を抱えていたイタリアが勝つより、スペインの方が好まれるのでは・・・。とても穿った見方です。

サッカーは親善のためにあると独善的に定義してしまうと、今年の準決勝は決勝がやりにくい平和共存大会。EUのまとめ役のドイツかフランスのいずれかが残り、EUが今後仲良くして行きたいロシアが入り(ドイツ首相は通訳無しにロシア語が分かり、ロシアの新首相は通訳無しにドイツ語が分かるとか言われています)、EU加入を先送りされたけれど仲良くしておきたいトルコが入り、2006年世界選手権の問題児イタリアを上手くはずして、ラテン系の代表にスペインを連れて来る。ちょっとでき過ぎているようにも思います。

これで準決勝はドイツ対トルコとロシア対スペインです。ドイツがトルコと当たらなければならないのはベルリン人としては辛いところ。「全ティームベスト4で満足して握手」というわけに行かないのが勝負の世界。万一ドイツとロシアが勝ち残って対戦となったら、首相同士はあまりやりたくない戦いでしょう。ま、遊びは遊びと割り切るのがベストのようです。ここ暫く天候にも恵まれ、野外で試合を楽しむには最高です。

★ 傷だらけのトルコ

今日(6月24日)午後からはブランデンブルク門の近くは閉鎖され、大スクリーンが用意されます。パーティーが今日から始まり、明日の夜がドイツ・トルコ戦です。下馬評ではドイツとロシアが勝ち進み、決勝と言われています。そしてレーマンは引退直前に金星のお土産と。また、新人を育てて来たドイツとロシアの対戦というおもしろみを挙げる記者もいます。どうなるんでしょうねえ。

トルコは確かに分が悪いです。怪我人続出の上にペナルティーを取られた選手もおり、試合に出せる選手は半分ぐらい。ドイツは僅かにけが人が出ていますが、大きな打撃は受けていません。気合のトルコか、勢いのドイツか。この2ティームから決勝に出るティームを決めなければ行けないんですかねえ。

□ なぜトルコと喧嘩   2008年サッカー欧州選手権 1
□ 若さ対気合   2008年サッカー欧州選手権 3
□ 負けてしまった   2008年サッカー欧州選手権 4

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