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D/Sp 90 Min.
出場者
立ち止まる人、ドイツ・ティーム
ヨアヒム・レーブ (監督)
イェンス・レーマン
(ゴールキーパー - 海外ティーム所属)
ルネ・アドラー
(ゴールキーパー)
ロベルト・エンケ
(ゴールキーパー)
マルセル・ヤンセン
(ディフェンダー)
アルネ・フリードリッヒ
(ディフェンダー - ベルリンのティーム)
クレメンス・フリッツ
(ディフェンダー)
ハイコ・ベスターマン
(ディフェンダー)
フィリップ・ラーム
(ディフェンダー)
ペール・メルテザッカー
(ディフェンダー)
クリストフ・メツェルダー
(ディフェンダー - 海外ティーム所属)
バスティアン・シュバインシュタイガー、
通称シュヴァイニー
(ミッドフィールダー)
ミヒャエル・バラク
(ミッドフィールダー - 海外ティーム所属)
トルステン・フリンクス
(ミッドフィールダー)
ピオトル・トロホウスキ
(ミッドフィールダー)
シモン・ロルフェス
(ミッドフィールダー)
トーマス・ヒッツルスペルガー
(ミッドフィールダー)
ティム・ボロウスキ
(ミッドフィールダー)
オリバー・ノイビル
(フォワード)
ミロスラフ・クローゼ
(フォワード)
ダビド・オドンコー
(フォワード - 海外ティーム所属)
マリオ・ゴメス (フォワード)
ルーカス・ポドルスキ
(フォワード)
ケビン・クラニー (フォワード)
走る人、スペイン・ティーム
ルイス・アラゴネス (監督)
イケル・カシージャス
(ゴールキーパー)
アンドレス・パロップ
(ゴールキーパー、控え選手)
ホセ・マヌエル・レイナ
(ゴールキーパー、控え選手 - 海外ティーム所属)
ラウール・アルビオル
(ディフェンダー)
フェルナンド・ナバーロ
(ディフェンダー)
カルロス・マルチェナ
(ディフェンダー)
カルレス・プジョル
(ディフェンダー)
ホアン・カプデビラ
(ディフェンダー)
セルヒオ・ラモス
(ディフェンダー)
アルバロ・アルベロア
(ディフェンダー - 海外ティーム所属)
ファニート (ディフェンダー)
アンドレス・イニエスタ
(ミッドフィールダー)
シャビ・エルナンデス
(ミッドフィールダー)
セスク・ファブレガス
(ミッドフィールダー - 海外ティーム所属)
サンティー・カソルラ
(ミッドフィールダー)
シャビ・アロンソ
(ミッドフィールダー - 海外ティーム所属)
マルコス・セナ
(ミッドフィールダー)
ルーベン・デ・ラ・レッド
(ミッドフィールダー)
ダビッド・ビジャ
(フォワード - 海外ティーム所属)
フェルナンド・トーレス
(フォワード - 海外ティーム所属)
セルヒオ・ガルシア
(フォワード)
ダニエル・グイサ
(フォワード)
ダビッド・シルバ (フォワード)
見た時期:2008年6月
★ 準決勝 2
この日は日本の梅雨と似た感じで、だるい一日。で、試合は見に行きませんでした。うちでラジオを聞いていました。当然ロシアが勝つと思い込んでいたのですが、何と勝ったのはスペイン。へええ、そうなんだ、スペインも強いんだ。若手ががんばったようです。同じく若手が出ていたらしいロシアですが、今回は3位/4位止まり。とは言っても、トルコと同じく快挙です。
★ いよいよ決勝
ベッケンバウアー体制を止め、クリンツマンの元バラクやシュヴァイニーなどの若手で再編成し、がんばったのが2006年の世界選手権。2002年を見ると、イェンス・レーマン、ミロスラフ・クローゼ、クリストフ・メツェルダー、 トルステン・フリンクス、ミヒャエル・バラク、オリバー・ノイビルの姿が見えます。
2006年はご記憶の方もおられるかも知れませんが、イェンス・レーマン、マルセル・ヤンセン、アルネ・フリードリッヒ、フィリップ・ラーム、ペール・メルテザッカー、クリストフ・メツェルダー、バスティアン・シュバインシュタイガー、ミヒャエル・バラク、トルステン・フリンクス、ティム・ボロウスキ、トーマス・ヒッツルスペルガー、ルーカス・ポドルスキ、オリバー・ノイビル、ミロスラフ・クローゼ、ダビド・オドンコーが続投しています。大半が続投ですが、それはクリンツマンが1期で辞めた後をついだのが彼の助手だったヨアヒム・レーブだからです。決勝当日クリンツマンの姿が客席に見えました。
★ クライマックスは1試合早く来てしまった
ドイツ・ティームは試合開始の10分を除いて元気がありませんでした。スペインは全体的に元気でした。ですからドイツは負けました。
この日は停電も無く、主催者側からはこれといったトラブルは起きていませんが、ドイツは最初から精神的に負けていたように感じました。じゃ、スペインに気合が入っていたのかと言うとそうでもありません。スペインは普通に元気だっただけ。気合というのでしたらトルコの方が体全体から稲妻が出ているような感じでした。
スペインは元気のいい時の新ドイツ・ティームといった感じで、適度にリラックスしており、チャンスはある程度つかみ、なるべくドイツ側に攻め込むという姿勢でしたが、全く隙が無いわけではなく、ドイツにチャンスが・・・と思えるシーンも頻繁にありました。ところがドイツはそういう風になってもなぜかタイミングが悪く、ちぐはぐに動いてしまい、せっかくのチャンスを生かせませんでした。
冒頭に1点入れられてしまった時も、調子のいい時でしたらドイツはそれをきっかけに活気づき、同点とか逆転に持ち込めたでしょう。ところがどういうわけか元気が無く、前の試合ではいつも走り回っていた坊やたちがこの日は立ち止まっていたり。スペインは調子のいい時のドイツほどではなかったのですが、それでもたいていは走り回っているか、ちょうどいい場所に仲間が立っていてゴールを狙ったりします。どう見てもドイツはエンジンがかかっていないのです。
奇跡を信じたいドイツ人観客は多かったでしょう。私はまあ、自分の国ではないからドイツが負けてもドイツ人ほど心は痛みませんが、それでも活気のある試合は見たかったです。この坊やたちは元気に走り回ってゴールを決めるととてもうれしそうな顔をするのです。それが見たくてつい応援してしまうのです。それがこの日は見られなかった・・・。
★ 事件 - 不運 - どことなくフェア
ジダンの頭突き事件をご存知の方はおられるでしょうか。
世界選手権の最後、これを機に引退を決めかけていた有名なフランスの選手ジダンがかっとして相手選手に頭突きを食わしてしまったのです。プロの世界なのでウィニー・ジョーンズみたいな悪役パーフォーマンスの選手もいますし、人の見ていない所でひどい侮辱の言葉を吐く選手もいます。全てが勝つためのトリック。恐らくはジダンを個人的に恨んでいたりという話ではなく、誰でもいいからカッカと怒らせて赤い札を取らせてしまおうという作戦なのだと思います。
ジダンの時はそれがまんまと成功して赤札。即時退場。それまでかなり好調だったフランスはここへ来て一気に逆風。11メーターになり、イタリアに勝たれてしまいます。ドイツ・スペイン戦はそれとそっくりの事件に発展する一歩手前でした。
活発に動いていたスペイン選手のアドレナリンが上がり過ぎ、ドイツ選手に頭突きを一発。私の見るところジダンの頭が10センチ動いたと考えると、こちらは5センチ。まあフランス・イタリア事件に比べるといくらか短い距離ではありましたが頭突きには違いありません。加害者シルヴァ対被害者ポドルスキー。ところが主審はこれを無視。ジダンの時のように副審などが見ていれば当然赤札。監督も含め大勢がフィールドに出て来て抗議。それでも主審は無視。「俺は見ていない」ということなのでしょう。
実はファイナルにこの人が主審と決まった時に、審判の同僚からも「止めた方がいい」という声が上がった評判の芳しくない人だそうです。ドイツ・トルコ戦をやった審判の方がフェアだとか言われていました。確かにドイツ・トルコ戦では審判を巡っての大乱闘などは起きていません。この審判だったことが不運で、普通ならドイツの不調、好調に関係なくスペインに赤札が出るところです。
それを納得させる形で収めたのはポドルスキーとスペインの監督。ポドルスキーはその場では抗議していますが、だめとなったらさっと諦めています。そして試合再開。それから数分でスペインの監督がシルバをフィールドから引き上げています。シルバはそれまでかなり活躍していたので、引っ込めるといくらかスペインには損になるかとも思えましたが、アドレナリンが上がり過ぎている選手を置いておくとまたトラブルになるかも知れず、今回免れた赤札を今度こそ取られてしまいます。せっかくポドルスキーが静かにしているのならという感謝の気持ちだったのか、あるいは2つめのペナルティーが出たら国の名誉も含めて失うものが大きいとの計算だったのか分かりませんが、自主的に引っ込めました。
トルコ戦でも厳密に言えばペナルティーを取られてもいいような状況が何度もありました。走り過ぎて勢いを止められずペナルティーを取られるような状況になってしまうシーンがあり、笛を吹かれるかと思っても音はしない。あれっと思っていると、逆の場合でも笛を吹かない。なるほど、ペナルティー対ペナルティーにせず、見逃し対見逃しとしたのか、ふむふむ。そんな感じでした。ドイツ・スペイン戦では見逃した監督、黙ったポドルスキーに対して、自粛で応えたのがスペインだったようです。この1件を除けば、ドイツもスペインもきれいな試合をしています。
★ レーマンはいつも陰
前回の世界選手権ではただただ沈黙し、黙々と仕事に励んでいたレーマン。ドイツはベスト4には入りましたが、3位。もう年なので今期あたりを潮時にと考えていたので、レーマンが優勝すればいいと願っていたドイツ人は多いです。今年のレーマンは2年前と違い、かなり積極的に坊やたちに発破をかけ、私も何度も声を聞きました。前回はいくらか自閉的で、ドイツでは異☆人とも呼ばれていました。今年は地上に降りた異星人で、普通のおじさん風です。
ドイツは欧州選手権の大会全体を通しで見ると結構頻繁にベスト4に入るのですが、 最近で上位に入ったのは1996年まで。ご無沙汰なのです。ですから2位というのは快挙ですが、レーマンにとっては長い間誰かの陰に立っていたりした事情もあり、最後を優勝で終えたかったと思います。それが2位。やはり残念だったのでしょう。表彰式でトロフィーの前を通りがかった時、レーマンとシュヴァイニーは惜しいなあという顔でちょっとトロフィーに触ってみました。その表情がかわいいというかかわいそうというか。ティーム全体にとっても残念だという気持ちは強かったようです。自分で自分の間違いが良く分かっている様子。ドイツ・ティームのメンバーの何人かは銀メダルを主催者から首にかけてもらってもすぐ取ってしまいました。
レーマンはこの試合を機にドイツの国内専門になるそうで、2日後にはシュトゥトガルトのティームに再就職。今後はどうやら海外の試合には出ないようで、閻魔大王カーンに続いて名ゴールキーパーの引退です。(後記: という話が出た直後に、まだ決めていないという話がレーマン自身から出たとのことです。次の世界選手権ぐらいはがんばるか。優秀なゴールキーパーであることは保証します。)
★ サッカーには無関心だったはず
・・・の私がこういうことになってしまいました。ドイツ・トルコ戦を見た店に行って決勝を見たのですが、この日はなぜか店はガラガラ。トルコ人らしき人が僅かにいましたが、途中で出て行ってしまいました。最後に後を振り返るとドイツ人かなあと思える人がごく僅か。店で働いている女性は外国のアクセントがあり、東欧かバルカンの人かと思います。
帰り道でも花火の音はほとんどせず、失望したのだなあと思います。不思議なことにテレビはこの日最初からベルリンのファンの様子を映すでもなく、全然盛り上がっていませんでした。まるで負けることを予想していたかのようです。観客席は白と赤、つまりドイツとスペインのファンで埋まり、スペインからは国王夫妻、ドイツからは首相が来ていました。スペイン選手が元気だったので、負けは誰でも納得します。私もそれほど大きな失望はしていません。この若さなら間もなく次のチャンスもあるでしょうし、ドイツは何十年も偉大な成績を残しています。このティームもかなり優秀な選手の大集団なので、コーディネーションがよければまた上位に食い込んで来るでしょう。このまま敗退ということは考えられません。
私の心にちょっとだけ残念な気持ちが残ったのは、あの坊やたちの元気な笑顔が見られなかったからです。ま、あと2年すれば南アフリカ戦があります。その2年後はウクライナとポーランド。そのうちにまた笑うでしょう。
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