映画のページ

The Tournament

Scott Mann

2009 UK 95 Min. 劇映画

出演者

Ian Somerhalder
(Miles Slater - トーナメントに参加する暗殺者、サディスト)

Kelly Hu
(Lai Lai Zhen - トーナメントに参加する暗殺者)

Scott Adkins
(Yuri Petrov - トーナメントに参加する暗殺者)

Liam Cunningham (Powers)

John Lynch (Faruk Samier)

Craig Conway

Iddo Goldberg (Tech Rob)

Andy Nyman (Tech Eddie)

Rachel Grant (Lina Sophia)

Bashar Rahal (Asaf Sadiq)

Sebastien Foucan

Thomas Craig

Velizar Binev (持ち主)

J.J. Perry

Camilla Power (Sarah Hunter)

Ving Rhames

(Joshua Harlow - 暗殺者、前回トーナメントの優勝者)

Robert Carlyle

(Joseph Macavoy - アル中の牧師)

見た時期:2009年8月

2009年ファンタ参加作品

要注意: ネタばれあり!

こちらのページではネタがかなりばれます。先に映画を見る予定の人は退散して下さい。目次へ。映画のリストへ。

★ ジョシュアの立場

ショーダウンの対決シーンで妻がなぜ殺されたのか、誰が命令したのか、誰が実行したのかが語られます。動機、理由には納得がいきますが、驚いたのはそれをここまではっきり映画に描いた点です。

ジョシュアの妻を殺させたのは主催者。理由はジョシュアを今年も試合に参加させるため。その理由はジョシュアのような優秀な殺し屋が大金を貰って完全に引退してしまったから。主催者は何が何でも彼に再登場させたかったのです。

彼を現役に引き戻すには、怒らせるのがいい、彼を怒らせ、復讐に燃えさせるには、最愛の妻を殺し屋に殺させるのが1番と踏んで、主催者は今年のトーナメントに参加予定の殺し屋の1人にジョシュアの妻暗殺を依頼します。その噂がジョシュアの耳に入れば当然ジョシュアは引退を取り消して参加して来ます。まんまとその手に引っかかってしまったのがジョシュアでした。

The Tournament ではそこまではっきり出演者に語らせています。中途半端な暗示はしませんでした。観客は「なあるほど」と分かり、すっきりした気持ちになります。

★ 難しい引き際

世界には時たま大成功して大金を手にする人がいます。F1のレーサーかも知れず、テニスのプロ選手かも知れず、映画の大スターかもしれず、大歌手かも知れず、スーパー・モデルかも知れません。自分で苦労して上まで上り詰めた人もいれば、思いがけないチャンスに恵まれ、誰かに見出された人もいます。

難しいのは引き際。呆れるような賞金や出演料を貰い、他の人から羨まれる、あるいは恨まれるわけで、適当な時に引退するのは、後の人にチャンスを残す意味でもいいかも知れません。ところがそれに納得しない人もいるのです。

昔からある理由の1つは、その人に群がって金を儲けている人たち。そういう話は各国で聞きます。大賞を取りまくるような歌手ですと、コンサートをして儲ける、CDで儲ける等など、色々な所に人がスタッフとしてくっついて来ます。そのため結婚もままならないスターもいます。結婚させては儲け、離婚させては儲けというパターンは50年代、60年代のハリウッドにもありました。引退したはずの歌手が再デビューという話も多いです。中には小金を貯めてきちんと引退してしまった人や家族をトラブルに巻き込み、負債ができたので仕方なく再登場など言う手の込んだ話もあるようです。

力を無くして落ちぶれてやめるのは比較的簡単なようですが、まだ余力を持って引退すると呼び出しがかかるようです。最近はむしろそのパターンが多くなっているようです。ジョシュアはそちらの例当てはまり、規則通り優勝して、貰うべきものは貰い、引退したのですが、それが行けなかったというわけです。とことん使い回され命を落とさないと主催者は納得しません。

2つ目の理由はエンターテイメント。賞金を払う側はお金は他所で十分稼いでいます。ジョシュアに賭けて儲けを狙っているるわけではありません。カジノの客がここでこの日失う金はお小遣い。主催者はそういうカジノの参加者に刺激的なエンターテイメントを提供したかったのです。

まあ、何と言う話だろうと呆れるのもいいのですが、いかにも本当にありそうな筋、演出でした。

と、ここまででもかなりネタがばれましたが、それが全てではありません。その先が一捻り。そこまでばらすのは止めておきます。

この後どこへいきますか?     前のページに戻る     次の記事へ     前の記事へ     目次     映画のリスト     映画以外の話題     暴走機関車映画の表紙     暴走機関車のホームページ