★　2作目の始まり

1作目の最後に悪漢を退治しただけでなく、不正な金を稼いでいた実業家で、ミカエルが不正を暴こうとしたため逆にミカエルが返り討ちに遭った男ヴェナーストロームから大金をせしめたリズベスは、暫くスウェーデンを離れ長期休暇を取っていました。せしめた金で一生暮らして行け、特に働く必要はありません。帰国してすぐリズベスはストックホルムの高級アパートのペントハウスに居を構えます。

リズベスを苦しめていた悪徳弁護士は彼女との約束を守っておらず、刺青を除去しようとし、約束の書類も書いていませんでした。そのため弁護士を改めて脅し（この時弁護士所有の銃を使う）、約束を守るように要求。

一応判決に従い刑務所入りしていたミカエルはリズベスの提供した資料もあって無罪が証明され、正式に釈放され、ミレニウム社に戻っています。

そこへ若い記者ダグが現われ、ホットな情報を提供します。ロシアから若い女の子が組織的に暴力的を使って拉致され、西側に売春婦として売り飛ばされているだけでなく、スウェーデン政府治安関係の上層部がその女性たちの顧客になっているとのことです。介在するのはロシア・マフィア。

★　事件発生

ダグの話に飛びついたミレニウム社は、彼と若い女性学者ミアを短期間雇うことに決定。直接の担当はミカエル。ところが暫くして2人が死体で発見されます。凶器にはリズベスの指紋がついています。凶器の持ち主はリズベスを苦しめていた悪徳弁護士。捜査当局はリズベスを指名手配。悪徳弁護士も間もなく死体で発見。

リズベスは取り敢えず姿を消します。ミカエルはこれまでのいきさつからリズベスの無実を確信。警察とは別にリズベスと連絡を取るために、ミカエルはリズベスが通っていたキック・ボクシングの道場に出向き、パオロというボクシング仲間と知り合います。

まだ悪徳弁護士が生きていた頃、リズベスの愛人ミミが雑用を条件にリズベスの新しいアパートを譲り受けていました。ミミの所に白い髪の大男がちらつくようになります。悪徳弁護士は暫くして死体で発見されており、ミミは白い髪の男に強引に拉致されてしまいます。たまたま拉致を目撃したパオロが2人の後を追い、危ういところでミミを助け出します。

★　出生の秘密

悪徳弁護士の所に押し入った時、彼女の出生などに関する書類が無いことに気づいたリズベスは、その後も書類のありかを探っていました。弁護士の所有する家屋にあると思いそちらへ向かったところ、既に家捜しされた後。やったのは白い髪の男。リズベスはしかし屋根裏から書類を発見。出生の秘密を知ることとなります。

母親については以前から知っていました。母親は介護ホームに住んでおり、リズベスが外国に出ている間に死亡。リズベスは父親が本当の意味で誰なのかは知りませんでした。

書類によると彼女の父親はアレクサンダー・ザラチェンコというソビエトからの亡命者。リズベスの苗字サランダーはそこから来ています。ちょうどそこへ白い髪の男から頼まれた愚連隊が来てリズベスを襲い、格闘になります。持ち前の凶暴性を発揮し相手をやっつけ、白い髪の男を追い始めます。男が立ち寄った農家で親子3人御対面。ザラチェンコが父親、白い髪の男が腹違いの弟。血の繋がった親子とは言え、関係はリズベスに不利。

十数年前彼女はこの男に火をつけ、大火傷を負わせています。彼女はこれが原因で精神病院行き。母親はそれまで凄絶な家庭内暴力の犠牲者。火付け事件の後父親は暫くドイツに行っていて、そこで白い髪の息子ローランド誕生。

リズベスにも暴力的な傾向がありますが、ローランドはもっと凶暴。道徳的にもリズベスと反対側に位置します。父親とグル。・・・なのでリズベスは銃弾を受け生きたまま土に埋められてしまいます。

奇跡のように土の中から起き上がったリズベスは何とか父親を倒すことには成功しますが、ローランドは取り逃がします。ミカエルが駆けつけ、警察にも通報。父親と娘は重症で、ヘリコプターでヨーテボリの病院に運ばれます。

3部作の3作目に続く

★　結局ここまでで、何が分かったか

☆　暴力一家ザラチェンコ

ザラチェンコを父に持つ2人の子供は父親同様非常に暴力に惹かれる性格に育っています。リザベスは怒ると暴力を使いますが、暴力自体に快感を持っているようには描かれていません。

腹違いの弟は先天的に痛みを全く感じない体質（映画内の描写を見ているとプロットに穴がありますが、細かい事をには目をつぶりましょう）、かなりの大柄で暴力を顔色1つ変えず使います。彼は何の仕事をしているのか良く分からず、お天道様にはまともに顔を向けられない生活をしています。

父親は40年ほど前にロシアから来た亡命者で、そもそもこの父親が暴力的な傾向が強かったことが2人の子供の人生にも悪影響を与えています。リズベスの母親はこの男に酷い目に遭わされたため、人生の後半介護施設にいても、1人でじっとしていられることは幸せのようでした。

第1話から登場している悪徳弁護士も暴力的なサディスト。彼は暴力自体に魅せられたのではなく、暴力はあくまでも手段。相手より優位に立つということが彼を幸福な気分にさせるという人物。暴行もその方法の1つ。

★　この後本当の事件解明になる

本来ミカエルやリズベスはロシアから若い女性を誘拐して売春婦にしてしまう組織と、その顧客関係を追っていたのですが、第2話はリズベスの家族関係の謎解きに時間を取られてしまいます。主な死者は悪徳弁護士、新人記者、彼の友達で博士論文を書いていた女性。