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2009 Schweden/DK/D 147 Min. 劇映画
出演者
Michael Nyqvist
(Mikael Blomkvist - ミレニウム社の記者、共同編集長、暴露記事専門)
Annika Hallin
(Annika Giannini - 弁護士、ミカエルの妹)
Noomi Rapace
(Lisbeth Salander - フリーランスの調査員)
Tehilla Blad
(Lisbeth Salander、子供時代)
Lena Endre
(Erika Berger - ミレニウム社の共同編集長)
Jacob Ericksson
(Christer Malm - ミレニウム社のスタッフ)
Sofia Ledarp.
(Malin Eriksson - ミレニウム社のスタッフ)
Anders Ahlbom (Peter Teleborian - リズベスの精神状態について検査を担当する医師)
Georgi Staykov
(Alexander Zalachenko - ロシア人亡命者)
Micke Spreitz
(Ronald Niedermann - ザラチェンコの息子、リズベスの腹違いの弟)
Per Oscarsson
(Holger Palmgren - 弁護士、リズベスの最初の保護司)
Peter Andersson
(Nils Bjurman - 弁護士、リズベスの2番目の保護司)
Tanja Lorentzon
(Sonja Modig - 記者殺人事件の担当者)
Johan Kylén
(Jan Bublanski - この事件担当の刑事)
Tomas Köhler
(ハッカー、リズベスの知り合い)
Michalis Koutsogiannakis
(Dragan Armanskij - リズベスの前の雇い主)
Aksel Morisse
(Anders Jonasson - ヨーテボリの病院の医師、リズベス担当)
Hans Alfredson
(Evert Gullberg - 売春組織に関与する政府高官、癌患者)
Lennart Hjulström
(Fredrik Clinton - 売春組織に関与する政府高官、エヴァートのかつての同僚)
Mirja Turestedt
(Monica Figuerola - 特別な調査をする警官)
Niklas Falk
(Torsten Edklinth - モニカの上司)
Ismet Sabaredzovic
(Miro Nikolic - ボスニア戦争の狙撃手)
Hamidja Causevic
(Tomi Nikolic - ボスニア戦争の狙撃手)
Pelle Bolander
(Sonny Nieminen - リズベスを襲ったチンピラ)
Niklas Hjulström
(Ekström)
見た時期:2010年12月
★ 2人のその後 - 馬鹿な状況
第2作のドンパチの結果リズベスとザラチェンコはヨーテボリの大きな病院に収容されています。同じ階の同じ病棟、数部屋の距離。犯人と被害者を同じ場所に収容するあほらしさ。
リズベスの個人的な謎は第2作でほぼ解明されましたが、ザラチェンコの本職の方で大きな宿題が残っています。
ザラチェンコはスウェーデンに移り住んでから、ロシア人女性を誘拐して来て売春目的で売り飛ばす仕事を本業としてやっていました。顧客はスウェーデン政府公安の上層部の男たち。ザラチェンコは病院に訪ねて来た元高官に対して「全ては息子がやった事だ」ととぼけますが、「もし自分の身が危なくなったら、警察とメディアにばらすぞ」と脅しも忘れません。普通の警察がザラチェンコを尋問して自白が取れてしまうと困るのはこの男たち。相談の結果高官の1人が犠牲になり、ザラチェンコと娘を消してしまおうという話になります。
ここで1人の男が仲間の犠牲になることになります。銃を持って病院に押し入り、ザラチェンコと暫く話をしてから頭を撃って殺してしまいます。このシーンの会話は迫力があります。そして次に狙うのが娘のリズベス。
ところがリズベスは助かってしまいます。リズベスの弁護を引き受けたのがミカエルの妹のアニカ。ちょうど公判の準備で来ていたところへ即席ヒットマンと化した元公安の高官が襲って来ますが、アニカの機転で助かります。不利な状況を見届けた即席ヒットマンは持っていたピストルで自殺。
個人主義の権化のような国スウェーデンで公にできない話に手を染めた元上層部の公務員が、悠々自適の年金生活を中断してなぜ自分を犠牲にしたか。それほど仲間思いの男ではありません。 - 実は彼は癌にかかっていて、先が長くなかったのです。
事件直後病院内でリズベスが父親を殺そうとしたことにしてリズベスを子供の時に入っていた精神病院に戻そうという試みがなされ、精神鑑定医を抱き込んで、その医者にリズベスと面会をさせようとしますが、リズベス担当の医者が買収にも脅しにも乗らず、ノー。
★ ミカエルの恩返し
第1話の最後にリズベスに助けられ釈放となったミカエルは、リズベスの無実を信じており、サポートをしようと思いつきます。リズベスは捜査中の事件の被疑者。なので入院とは言っても監視付き。担当の医者が圧力に対してノーと言える人物なのが救い。 そんな状況の中、ミカエルはこの医者にリズベスがはめられていることを説明し、リズベスにインターネットも使える携帯を渡すことに成功します。
同時にリズベスの弁護士としてミカエルの妹がつきます。当局(売春組織と関わる男たちも含まれる)は気の遠くなるような数の罪状を挙げてリズベスを告訴しています。裁判では絶望的なほど勝ち目がありません。人を殺しても死刑はありませんが、延々と長い懲役刑にして、一生娑婆に出て来れないようにすれば悪人たちはひとまず安全。少年時代精神病院に入っていた上、今回もかなりの暴力犯罪があるので、ただの刑務所ではなく精神病棟に閉じ込めてしまえばしめしめ。
ミカエル、妹、ミレニウムの編集部はせっせと資料を集めており、ザラチェンコから公安の高官に拡がっていた話はさらに1970年代の首相あるいはその近くにまでのびていることを突き止めます。元々はザラチェンコが亡命後ソ連の情報提供という形で当局と協力関係にあり、関係者の間で起きた事は全て極秘扱いになっています。
ザラチェンコ、リズベスに続いて悪漢の作るブラック・リストに挙がっているのはミカエル。ミレニウム社も安全ではありません。共同編集者のエリカには具体的に脅しがかかります。その結果スクープ発表は延期。何しろ既に編集部から死者2人。普通の神経の持ち主ならビビります。相手側はミカエルを殺してしまうのではなく、麻薬使用の容疑で信用を落とさせようという作戦で来ます。
ここで意外な部署から助け舟が出ます。連邦憲法擁護庁。この部署が独自の調査を始めます。 普通調査の対象となるのは民主主義と対立する思想で動く政治的な団体ですが、いくらか巾は広いようです。外国と結託して売春組織に関わるのが公安の上層部となれば、こういう部署が登場して独自の調査をしてもおかしくありません。しかもその部署には別の暗い影も差しています。
この部署の刑事たちがミカエルに連絡をして来ます。ここが事件に関与した人物を全員特定したら、その後でミカエルたちは事件を報道しても良いとのお墨付きを貰います。この取引でミカエルたちは既に関与が判明した人物の名前を言い、刑事たちはリズベスの件などの真実を認める方向になります。
リズベスは自分の人生について少しずつ整理し始めます。そんな中腹違いの弟が病院を狙いに来ます。またミカエルに麻薬の嫌疑を着せる作戦は本人がそこにいなかったことがばれてしまったりして失敗。
★ 裁判 - ちょっと粗いハッピーエンド
山のような訴状を背負い込んだリズベスは晴れ姿(パンクのメイク、皮ジャンパー、ピアス、モヒカン刈り)で裁判に出席。相手側は彼女の精神状態が異常に強暴だという路線で精神病院へ追い込むべく頑張ります。話が世間にばれては困るので原告側は裁判を非公開でやることに同意させることに成功します。
リズベスの方は少年時代に入れられていた精神病院が法規を守らず酷い扱いをしていた事を事細かく証言。対抗するは、保護司の彼女に関する観察記録。リズベスに不利な事がたくさん書かれています。弁護側はリズベスの病状を記した公式記録で対抗。リズベスの証言が正しいことが証明されます。決定打はリズベスが保護司からサディスティックなセックスを強要されているビデオ。加えてリズベスの友人のハッカーからも捏造書類の証拠資料提供を受け、弁護側はどんどん有利になって行きます。ついでにハッカーがリズベスの精神鑑定医のPCに幼児ポルノが見つけたため、医者は御用。
リズベスは釈放、売春組織に関与した高官たちは御用。
★ エピローグ
悪党ザラチェンコにはいくらか財産があり、リズベスが相続。もうかなり金持ちになっているためかあまり関心が無かったリズベスは家屋の調査にだけ行きます。そこには腹違いの弟が。一石数鳥を狙い、まず弟の足を床に貼り付け動けなくし、そこへ前に自分を襲った3人組を呼び寄せ、その後警察に通報。
★ 続編を作るのか
3作目の最後助かるべき人が皆助かります。この人材で4作目を作ることは可能です。全部で10作の計画のうち半数近く書き始められていたようですし、4作目は後少しで終わるところまで来ていたようです。しかし法的な作品権の相続者と、実質的に妻に当たる立場だった人、権利を譲り受けた出版社、著者がかなり前に書き残していた遺言状などでごちゃごちゃに揉め、一定の和解には至ったようですが、まだすっきりしていない様子です。
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