インターネットにプログラムを公開している店で、以前に比べ長期の予定を発表しない傾向が強くなっています。閉店したり、ライブを止める店も出ています。

経済状況や社会の状況が安定しないと、まず第一に節約されてしまうのがエンターテイメント部門という宿命を抱えた分野なので、ここ暫く不景気になっているのかも知れません。今後もできる限り定点観測を続け行くつもりではいます。

ひところに比べ私の肌感覚では失業者が減ったように思いますし、ホームレスや乞食の姿も減ったような気がします。ドイツでは長年乞食など見たことが無かったのですが、90年代から急にホームレスと乞食が現われ、増えていました。最近はそれがやや減ったような感じがしています。

最悪の事態を覚悟していた私自身の例もあるのですが、だめと思ってもずっと仕事を探し続けていました。それが数年前急に口があり、臨時で入ったら、そのまま正社員に。給料は日本では考えられないほど低いのですが、ドイツではこのぐらいの給料でも失業よりはいいと考える人が結構いて、私も自分が例外という感じは持っていません。

早朝地下鉄やバスに乗り合わせる他の人たちも自分と似た境遇なのだなあと思いますが、少し前まではどんなに頑張っても無償の職業訓練・研修までしかたどり着けず、その先の就職は全然無理でした。一緒に学んだ人たちもすっかり諦めていました。それが数年前から僅かずつチャンスが見え隠れするような感じでした。私は恐らく様々な会社、職種で働いたことがあったので、即採用になったのだと思いますが、同じように近所でずっと失業し、生活保護で暮らしていたドイツ人にもボランティア系の仕事などが入るようになっています。ボランティアとは言っても多少お金が出ます。

しかし、社会の底辺はこんな感じなので、最低必要な物を買うのがせいぜい。コンサートに行く余裕はありません。私も1年の給料を貯めて、ファンタに参加。幸い、昔買った衣料品が今でも使えるとか、1つの時計が壊れたら、昔使っていたのを出して来て使うってな感じで急場をしのいでいます。自分でも驚いたことに古い眼鏡がまた使えるようになったりもします。以前は読書用に使っていたのを、今はPC用に使っています。

ライブ・コンサートはこんな暮らしぶりの人には1番最初に敬遠されてしまいます。映画祭は通しのパスで入ると、かなり割安になりますが、ライブ・コンサートにはその種の割引はありません。夏場以外は寒いので、野外コンサートは少ないですし、野外は無料なので店の収入にはなりません。その上最近はお気に入りのミュージッシャンをユーチューブなどで視聴することも可能。それが店の営業に影響したのかと思います。勝手な想像ですが。