番外編
kuro*sanji
外せない鎖
2
サンジは激しい痛みを感じて意識をとり戻した。
ガチャガチャと鎖の音がする。
「気をヤるんじゃねえ」
背後から男の声がする。
誰だ・・・。
こいつは・・・。
ああ、今日の客だ。
クロは上客だから、上手くやれと言っていた。
だけど上手くやるも何も、
好き勝手にオレの体で遊んでるだけだ。
都合のいい体が欲しいだけなんだ。
オレの意志なんかどうでもいい。
性欲処理の道具。
意識がはっきりしてくるとともに、
体じゅうが痛みを訴えてくる。
両手、両足につけられた枷からは鎖が伸び、
うつぶせで大きく四肢を開いた形でサンジは宙づりにされていた。
「ひ・・・ああっ・・・」
口からはひっきりなしに、
苦痛に満ちた声が漏れている。
その中に混じるかすかな嬌声。
大きく開いた脚の間からはアーロンの体が離れない。
アーロンが腰を動かすたびに、
サンジの体はゆらゆらと揺れた。
繋がったままで既に幾度となく放たれた内部からは、
精液がしたたり落ちて床を濡らしている。
アーロンは笑いながらサンジのモノを握りこんだ。
既に何度となく精を放っているが、
固くなったままだ。
苦痛を訴えながらも、
あきらかに混ざる快楽の声。
まったくよく仕込まれている。
クロの奴は出ししぶっていたが、
確かに上玉だ。
オレの買う男娼には服はいらない。
無駄な言葉もいらない。
美辞麗句など必要ない。
ただ肉体だけだ。
そそる体をして、いい啼き声を上げるだけでいい。
クロの売り込む、
くだらない上品さだとか言葉づかいだとかは必要ない。
その点、こいつはいい。
いい声をしている。
もっとも、オレが聞いた声は喘ぎ声と泣き声と悲鳴と哀願の声だけだが。
涙を目にためながらも、
従順に奉仕する姿は劣情を刺激する。
男を拒みながらも欲しがっている。
よく締まった体。
手触りもよい。
柔軟な体はいろんな体勢もさせられる。
こういう人種には相応しい扱いをしてやればいい。
ひざまずき仕える性の人形。
貴様らの身分を思い知らせてやる。
男娼にふさわしい扱いで。
いちばん男娼を追い詰めるよい方法は恐怖だ。
サンジは朦朧とした意識の中、
アーロンが手を拘束している鎖を外そうとしていることに気づいた。
両手の鎖が外されたら、
両足だけで自らの体重を支えることになる。
それもアーロンに穿たれたままで。
体が震えた。
でも、こういう相手に抵抗したり、哀願したら、
それは火に油を注ぐようなものだ。
さらに苛酷に責められる。
「恐いか」
アーロンはニヤニヤしながら問いかけた。
コイツはバカじゃねえ。
次に自分の身に起きることを知っている。
必死でうなずくサンジの手の鎖を外し、
両手首を一括りにして掴んだ。
「手を離すとお前は逆さづりになっちまうぜ。
離して欲しくなければ、動いてオレを楽しませろ」
サンジは喘ぎながら、
自ら腰を振り、
アーロンの体にうちつけるようにして、
自らを責めたてた。
脚は鎖で、
手はアーロンによって釣り下げられている。
もうひとかけらのプライドも残っていない。
早く楽になりたい。
ただそれだけの思いで、
サンジは懸命に体を振りつづけた。
「あ・・・はあはあはあ・・・」
コイツはいい。
久々に楽しめる。
アーロンはサンジの狂態を眺めた。
うつぶせで吊るしているため、
はっきりとした表情は見えない。
だが体は雄弁にサンジの状態を物語っている。
汗にまみれた背中。
床にはサンジが放った精液がぽたぽたとこぼれ続けている。
アーロンの放ったものもサンジの内部から流れ落ち飛び散っている。
涙と涎でぐしゃぐしゃになった顔を無理矢理髪をつかんで向けさせて、表情を見て楽しんだ。
今日のところはこれくらいにしてやるか。
アーロンはサンジの手首を離した。
不意に離されてさまよう手。
アーロンは傾くサンジの体に自らの重みをかけた。
「ひぃいいい」
重みで足首がちぎれそうな程の痛みが走る。
同時に、サンジの体の奥深くまでアーロンのモノが突き刺さった。
あまりにキツい刺激に、サンジは絶叫し、完全に意識を失った。