R20
      悪の華
      
XS
      
      第1章  遠い昨日の記憶 
 
      
  運命の出会い
(XS)
 Xanxus16-Squalo14
 注 R18(XS)
      6
      
      
  
 
 ザンザスは女を撃つと銃を投げ捨てた。
 倒れた女に目もくれずに、スクアーロに近づくと、その顔を殴った。
 
 最近、あまり呼んでなかったので、女はいらついていたようだった。
 どこから聞きつけてきたのか、カスザメのことを知っていて、
 男に手を出すなんて信じられないと言った。
 女は最低だ。
 オレの子を生むだと?
 ボンゴレの血など流れていないオレの子を。
 決して後継者になれない血を欲しがるとは、何と愚かな女だ。
 もう帰ったと思っていたが、勝手に居座って、このバカなカスザメを誘惑したんだろう。
 こいつは、剣だけしか興味がねえ。
 どうせ、女も知らなかったに違いない。
 くだらねえ、どうでもいい女だった。一回出したら、それで興ざめした。
 三十分前に殺しておけば良かった。
 
 「おい、カス。女ははじめてだったのか?」
 髪の毛をつかんで問いつめると、スクアーロはかすかにうなずいた。
 下半身はむきだしのままで、真っ白な足が覗いている。
 
 「お前は、ひっかけられたとはいえ、オレの女に手を出した」
 ザンザスは、息がかかるほど顔を近づけて、スクアーロの顔をにらんだ。
 このバカに筆下ろしさせてやっても別によかったのだ。
 何発か殴っておどして、反省させればそれでいい。
 最初は確かにそう思っていた。
 
 スクアーロはかすかにまばたきをし、
 不安げにザンザスを見上げている。
 言い訳もできず、観念したように押し黙っている。
 むき出しになった下半身は、誰かに陵辱されたあとのようにも見える。
 
 ザンザスはすでに色事に熟練していたので、男も試したことがあった。
 相手は、慣れた男で、抵抗もなかった。喜んでザンザスを受け入れた。
 
 だが、目の前にいる、このガキはどうだ。
 なまっちろい薄い身体をして、どうみても、慣れているとは思えない。
 抱き心地も悪そうだ。
 でも、妙にそそりやがる。
 
 「カスザメ、男とやったことはあるか?」
 ザンザスの問いに、スクアーロは大きく目を見開いた。
 「・・・あ・・・あるわけねえぞぉ・・・」
 「ふん。てめえみたいな、カスに手を出すやつなんざいるわけねえか」
 ザンザスはそう言いながら、奇妙な満足を感じていた。
 こうして見ると、スクアーロは、誰かに何かされていてもおかしくはない容姿をしている。
 いつもあまりにもうるさいし、がさつで図々しいので気づかなかった。
 下半身は昂り、スクアーロを汚したくてたまらなかった。
 ザンザスはスボンのベルトを緩めた。
 
 「ザ・・・ザンザス・・・何を・・・?」
 後ずさろうとするスクアーロの腰をつかむと、
 ザンザスは強引にその腰を割り、未経験を承知でその昂りを押し込んだ。
 
 「罰だ」
 スクアーロの喉がひゅっと鳴り、わななく身体はザンザスを受け入れまいと抵抗するが、
 ザンザスは強引にねじり込み、乱暴に腰を動かした。
 
 
 
 
 スクアーロは、身体がばらばらになりそうな痛みに、漏れそうになる声を必死にかみ殺した。
 どうしてこんなことになってしまったのか。
 目の前には、事切れた女が転がっている。
 その女の罰は生を奪われることで、
 スクアーロへの罰は、男としての誇りを奪われること。
 
 「スクアーロ。お前は、オレのものだ」
 薄れ行く意識の中で、ザンザスの声がした。
 
 確かにその通りなのだ。
 だから、自分には文句を言う権利などない。
 とりあえず自分は生かされた。
 この怒りに焼きつくされるのは本望なのだ。
 
 
 
 
   
      
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