R20
悪の華
XS

第1章  遠い昨日の記憶  

禁じられた遊び(XS)
Xanxus16-Squalo14
R18(XS)
1



 
「ザンザス様、剣帝テュールが亡くなりました」
ザンザスが朝食をとっていると、執事がやってきてうやうやしく報告をした。

ザンザスは無表情な顔を向けた。
そう言えば、あのカスはテュールと戦うと言ってなかったか?
スクアーロは、ここ数日、ザンザスのところには来ていない。
無理もねえ。
この前来た時には、女に乗っかられ、
それからオレに罰としてヤられたから、
ちっとはこたえたことだろう。

「剣帝テュールを倒したのは、スペルビ・スクアーロという少年です。
二日間の死闘のもと、勝利しました。
少年もまた負傷しているようです」
執事はただの伝達事項のごとく無感動にその内容を伝えた。
よくこの館に出入りしているガキがいることぐらいは知っているだろう。
だが、その名まで知っているかどうか。

「そうか。下がれ」
あのカスはどうしているのか。
気になったが、自分が出向くほどのことではない。
しかし、まさかあのスクアーロがそれほどの腕前だったとは。
ヴァリアーはトップを失った。
あの力があれば、オレの計画を実行に移すことも可能だ。
オレの野望は現実のものとなる。

ボンゴレの誇る剣帝テュールが、14才の少年剣士に倒さされたという話題はあっという間に伝えられた。
少年の生死については、噂だけが飛び交い、はっきりしたことは何も分からなかった。




一週間がたち、二週間がたっても、スクアーロの動向は不明のままだった。
ザンザスにできることは何もなかった。
いつもスクアーロが勝手にやってきて、うるさくつきまとうが、
普段どこで何をしているか、ザンザスは全く知らなかったし、知ろうともしていなかった。

「ゔぉおおおい、ザンザス、勝ったぜぇ!!!」
久しぶりに大声が響きわたり、
足音も荒く、スクアーロが現われた。

前回、それで失敗して、女にひっかかりひどい目に会わされたというのに、
スクアーロはさっぱり覚えていないようで、
ずかずかと部屋に入りこんできた。

「うるせえ、カス!!」
ザンザスがコーヒーを投げつけると、カップがまともにスクアーロの頭に当たって大声を上げた。
「ゔぉぉおおい!! 何しやがる!!」
スクアーロは以前と同じように、うるさくてがさつだった。

ザンザスはどこか安心すると同時に、いらいらした。
もう一度何か投げてやろうかと思ったが、
スクアーロの左手に巻かれた包帯を見て、動きを止めた。
左手の先は失われ、包帯がぐるぐる巻きにされていた。
「てめえ、その手・・・」

「ゔぉおおい、勘違いすんなよ。
オレは左手を持たない剣帝の技を理解するためにこの手を落としたんだ。
これがオレのお前とやっていくための覚悟だ」
ザンザスはその言葉に答えることができなかった。
どうして、こいつはここまでするんだ。
くだらねえ。
そんな手で何ができるって言うんだ。
いや、こいつはやる気だ。
本当に、例の計画を成就する気だ。

そうだ。それでいいんだ。
それこそがオレの望み。

ふはははは。待っていろ、老いぼれ。




スクアーロは、憎しみと怒りに彩られたザンザスの笑いを陶然と眺めていた。
なぜ、この男にこんなに惹かれるのか分からない。
なぜ、この怒りについていきたくなるのか分からない。
これまでスクアーロには、守るべきものなど何もなかった。
下町に生まれ、自分の力のみを頼りにこれまで生きてきた。
命などいつ失っても構わない。
価値など見いだせなかった。
強くなることだけがすべてだった。
誰のためでもなかった。
何のためだかも分からなかった。
まわりはずっと暗闇だった。
そこに炎を見つけた。
ザンザスは目がくらむほど煌煌と輝き続ける炎なのだ。
それが怒りでも憎しみでも構わない。
スクアーロはやっと自分が行くべきところを見つけたのだ。

ザンザスの剣であること。
それだけが望みだ。

ザンザスはしばらくスクアーロを見ていた。
こいつは本当は、オレを通して自分のしたいことをしているだけなんだ。
そう思うと、急に怒りがこみ上げてきた。

スクアーロをはり倒すと、容赦なく押さえつけた。
「ザンザス!! 何を・・・」
「うるせえ、黙ってろ!!」
引き裂くように服を脱がし、熱い楔を打ち込もうとすると、
はっきりした抵抗が返って来た。
顔には非難と怯えの表情が浮かんでいる。
無意識にザンザスの身体を押し返そうとするスクアーロの片手を押さえ込んで、
ザンザスはせせら笑った。

「片手で、ろくに抵抗などできねえくせに。
だから、てめえは浅はかなんだ!!」
ザンザスは、スクアーロを殴ると、無理やりに楔を打ち込んだ。
「ゔぁああっ!!」
スクアーロが苦痛の声を上げ、涙を浮かべて苦しむ様子を見ると、
さらに欲望が増した。
完全なる支配と、絶対的な服従。
そうだ。これでいいんだ。こいつはオレの好きに使える道具にすぎない。
普段、生意気で傲慢なやつが、抵抗もできず赤くなって震えているさまを見るのは、いい気持ちだ。
くだらねえ女をヤるより、よほど興奮する。
しばらく女どころではねえし、こいつなら、いつでもヤれる。
飽きるまで、せいぜい楽しむとするか。
ザンザスはひときわ強く穿つと、中に精を吐き出した。






  
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