R20
悪の華
XS

届かない大空
Squalo14-22
R20
(九代目×S・家光×S ほか)


冷血


(スクアーロ15)
注意
スク陵辱(20禁)継続中


1



 
ゆりかご事件から1年が過ぎた。
事件は過去のこととなり、もともと表に出ることを嫌った御曹司の不在について、誰も疑問をもたなかった。

「オッタビオ、君の働きには助かっている。
ヴァリアーの仕事も大変だと思うが、
本部の仕事も手伝ってもらえんかね」
九代目からの直々の指令に、オッタビオはうやうやしく膝をついた。
「光栄です。
つつしんで、お手伝いさせていただきます」
礼をしながら、オッタビオは冷たい笑みを浮かべた。
耐えて待ち続けていれば、
一段一段階段を登るように、
すこしずつだが権力や地位が転がり込んで来る。

九代目からの言葉が伝えられると、部屋の中にいた沢田家光が立ち上がった。
「ヴァリアーのアジトでは任務がこなせないだろうから、
本部に居宅を準備させる。
荷物を運ばせよう。
足りないものがあれば、九代目ではなくオレに言ってくれ。
ただし、残してきた「部下」には、おさわり禁止な」

オッタビオはぎくりとして家光を見た。
「なんのことです?
私は部下になど触れるような趣味は・・・」
言いながら、何のことかは正確に理解していた。
誰にも知られているはずはない。
いつだって内密に行ってきたはずだ。
スクアーロの仲間であるいかれた幹部たちにも気づかれていないはずだ。
スクアーロのために用意した「寝る」任務も、本部に知られているはずはない。

あの頭の悪い子どもは、酷く抱いても、翌日には何食わぬ顔をして剣を振り回している。
屈服して泣いたことを覚えてないかと思うくらい、下品で不遜なままだ。

あれがいけないのだ。
傲慢かと思えば、従順になり、
聞き分けがいいかと思えば、手に負えなくなる。
罰は続けられてあたり前だ。
スクアーロを前にすると、
オッタビオがひた隠しにしている闇の部分が目覚める。
あれさえいなければ、ゆりかご事件は起こらなかった。
ザンザス様はあんなガキにたぶらかされるわけがない。
憎いあのガキは、今や私の前にはいつくばって許しを乞う。
ザンザス様にも同じようにしたのか?
任務にかこつけて「処分」してやってもいいのだ、スクアーロなど。
憎い、いやらしい子ども。
動かなくなった時だけ、しおらしくなる。
かつてあの獰猛な鮫の主はザンザス様だった。
今は、このオッタビオだ。
逃がしはしない。








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