R20
悪の華
XS

マフィアの血
Xanxus24-Squalo22
X×S ほか S受

選ばれし者






3



   ザンザスが復活した。
その情報はボンゴレの幹部たちだけが知っていた。
表向きには氷付けにされていたことなど誰も知らないはずだった。
ボンゴレには何一つ起きてはいない。

復活から3日たった。
ヴァリアーには特に任務はなく、
いつもならそれぞれが好きなことをして過ごしていた。
だが、今は違う。
誰もがぴりびりし、張りつめた空気が漂っていた。
ザンザスは本部に戻ってから、
空白の8年間についての情報を集めた。
ボンゴレのボスは相変わらずあのジジイのままだった。
何度かボンゴレをおびやかす事件があったが、
ヴァリアーはその度に活躍し、
きちんと仕事をこなしていた。
ザンザスは、ヴァリアーのボスが知りうるすべてのデータを見た。
集めた膨大な情報を頭に入れると、コンピュータのスイッチを切った。
今、何が起きているのか?
過去に、何が起きたのか?
未来に、何を起こすべきなのか?
ザンザスは超直感できれいに整えられた情報の歪みに気づいていた。
何かがおかしい。
なぜ、ゆりかご事件は失敗した?
ヴァリアーは、オッタビオが恩赦を願い存続したとある。
やつはボスなどという器ではねえ。
ザンザスは時計を見た。
データを見続けて半日近く立っていた。
ドアの外には、いつでも食事できるように軽食が置かれていた。
おそらくルッスーリアが準備したものだろう。
昨日から幹部たちともろくに顔を会わしてもいない。
こもりきりで、8年間の情報を集め続けていたのだ。
ドカスどもがそれぞれこなしてきた任務のデータも見た。
どいつもこいつもろくな任務に出ていねえ。
ベルとレヴィはだいたいただ殺すだけの任務。
マーモンとルッスーリアは少し策略が必要な時。
スクアーロの記録を見てみると、任務の数にとてもむらがあった。
たてつづけにたくさんこなしているかと思えば、
何もしていない期間が妙に長い時もあったし、
任務内容がきちんと書かれていないことも多い。
たった一人のターゲットに何日もかけている時もあった。
カスザメが無能すぎて、日数がかかったに違いねえ。
そう思いながらも、何故か気になった。
軽食を食べ、少し休憩したザンザスは再びコンピュータの前に座った。
8年前には知らなかったボンゴレリングの情報が詳しくデータ化されていた。
ボンゴレを継ぐ者だけに許されるリング。
それを手に入れるのだ。
そしてボンゴレ十代目になるのは、このオレだ。









TOP