R20
悪の華
XS

マフィアの血
Xanxus24-Squalo22
X×S ほか S受

選ばれざる者




4



スクアーロは床に倒れていた。
ザンザスに呼び出されてから、
どれくらいたったのか定かではない。
いつものように何度か殴られ、
それから暴力的なセックスが始まった。
今日のパーティーに跳ね馬が来ていたということはルッスーリアから聞いた。
会話の内容も聞いた。
ルッスーリアはオレのことだと言った。
ザンザスはオレのことなんてどうでもいいから、
許可でもなんでもするだろう。
「おい、跳ね馬にどうやって取り入ったんだ?」
ザンザスはオレを殴りながら言う。
知らねえ。
知らねえんだ。
オレには何のことだか分からない。
「てめえは本当に淫売だな」
ザンザスがバカにしたように笑う。
笑いながら、オレの身体の中に熱を吐き出す。
そうされたら、オレは何も考えられないくらい気持ちよくなってしまう。
これってセックスだよな。
ザンザスがイったんだから、そうだよな。
オレもイっちまったから、そうだよな。
セックスって身体が満足することだよな。
ルッスーリアは気持ちがよくていやらしいことって言う。
気持ちいいよな。
イく時は、何もかもどうでもよくなる。
すべてを忘れて、意識まで飛んでしまう。
一瞬、死んでる気がする。
そのまま死んでしまってもいい気がする。
でも、死にはしない。
ザンザスが側にいると、触れられたところは焼けるように熱い。
熱い身体が離れていっても、まだ身体中が火照っている。
快楽はしばらく留まり続け、動くことも億劫になる。
すっかり冷めてしまうまでに、かなり時間がかかる。
身体が冷えた後には、ざらざらした感覚だけが残る。
身体と一緒に心も冷える。
そんなことは今にはじまったことではない。
スクアーロはぼんやりと近づいてくる足音を聞いた。
ザンザスが戻って来たのだ。
早くここから出ないといけないのに、
身体がだるくて動かない。
暗殺者失格だぁ。
行かねえと。
そう思ったのに、動くことができなかった。
シャワーを浴びて戻ってきたザンザスは、
スクアーロが床に倒れたまま微動だにしないことに気づき、顔を顰めた。
目は開いているが、全く動いておらず、人形のように見えた。
「おい、ドカス、さっさと出ていかねえか!!」
軽く蹴ったが、反応はない。
「ちっ!!」
ザンザスは舌打ちして、内線電話を入れた。
「あらー、ボス、深夜に何の用かしらーーー。夜這のお誘いなら大歓迎よーーー」
「2分後に来い」
ルッスーリアを呼ぶと、2分きっかりたってザンザスの部屋にやってきた。
ルッスーリアは部屋に入って眉を顰めた。
スクアーロが壊れた人形のように転がっている。
「ボス、ちょっとあずかっていいかしら」
ルッスーリアの声に反応したのか、スクアーロの瞳がかすかに動いた。
意識がはっきりしてきたので、声も出た。
「・・・ゔぉおぃ・・・動けねえみてぇだぁ・・・」
「はいはいはいはい、ルッス姐さんに任せなさい」
スクアーロの服を素早く拾うと、何食わぬ顔をしてぼろぼろの身体を担ぎ上げた。
「じゃ、ボス、あとは任せてねーーー」
ルッスーリアはむっつりして立っているザンザスから逃げるように部屋を出た。
不安で胸がどきどきしていた。
ボスは今日、跳ね馬ディーノと話をした。
好きにしていいと言ったのはボスなのに、
それが元でのやつあたりなのは間違いない。
この子まで失ったら、ボスがすがれるものは何もない。
やつあたりすらできなくなる。
「・・・ルッス・・・悪いなあ・・・」
スクアーロがぽつりと言った。
ルッスーリアは慣れた手つきでスクアーロにシャワーをかけた。
スクアーロは自分で後始末をし、引き出しから楽になる薬を出した。
ルッスーリアはそれを見てぎくりとした。
普段薬など一切使わないスクアーロだが、
どこからか「いい薬」を手に入れ、たまに「楽になって」いるのは知っていた。
ただの銀色の座薬で、表示も何もない。
ルッスーリアが一年ほど前に見た時は数個しかなかった引き出しには、
かなりの量が補充されていた。
どういうことなの?
スクアーロの瞼はすでに閉じかけている。
「スク、いつも使ってはないわよね!!」
スクアーロはぼんやりした表情のままだ。
ルッスーリアはなぜか凄く怒っているようだ。
・・・ボスの時は・・・めったに使わねえ・・・。
思ったけれど、答える気はしなかった。
ルッスーリアは眠りに落ちてしまったスクアーロを見て、涙が出そうになった。
どうして!!!!
なんでこんなものがいるの?







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