R20
悪の華
XS

マフィアの血
Xanxus24-Squalo22
X×S ほか S受

名声




5





スクアーロが本部から戻ると、
ヴァリアーの連中は浮かれ騒いでいた。
執務室に報告に行くと、
すかさずグラスが飛んで来た。
「遅いぞ、カスが」
「ゔぉおおおい、会議が長引いたんだぁ!! ボス、さっぱりしたなあ!!」
スクアーロは慣れているので、まったく応えず、いつもと変わらなかった。
書類の束を机上に置くと、
ザンザスに髪を掴まれた。
「女は面倒だ」
「おお、そうだなあ!!」
スクアーロはいつもの調子で答えた。
ザンザスは舌打ちしてから、
スクアーロを殴った。
こいつは何も分かっちゃいねえ。
何も知らねえくせして、分かったふりをする。
てめえにオレの何が分かる。
死んだ女はオレの母親と同じことをしようとした。
ボンゴレの血は権力と名声の証だ。
女はそれを利用しようとする。
ガキなどいらねえ。
ザンザスはいつものようにスクアーロを引きずり、床に押し倒した。
「てめえは、誰のもんだ?」
「お前のだぁ」
そうだ。
このドカスはオレのものだ。
単なる所有物だ。
むしゃくしゃしている時はこいつで発散する。
こいつは誰とでも寝るし、どんな任務でもする。
ろくなもんじゃねえ。
だが、抱き心地はなかなかだ。
だから、使ってやる。
いつものようにスクアーロの身体に押し入ると、
慣れた身体はすぐに反応し、ザンザスを楽しませた。
思いのままに精を吐き出しすっきりすると、
ザンザスはスクアーロから離れた。
離れてしまうと、
のろのろと身繕いしている姿が目障りになる。
いつもの傲慢さや元気さは失われ、
弱い生き物のように見える。
スクアーロはザンザスの視線に気づくと、
あわてて立ち上がった。
蹴ったり小突かれたりする前に立ち去りたい。
しかし、ミッションをこなすのとは違ってうまくできない。
ザンザスは明らかに機嫌が悪いわけでもないが、目障りに思っているのは間違いない。
「おお、悪いなあ。邪魔したなあ」
スクアーロはきしむ身体に力を入れて立ち上がった。
これくらいなら、大丈夫だ。
今日のボスはそんなに怒ってはいなかった。
ボスの機嫌が悪い時にはひどくされるが、それにも慣れた。
ザンザスは振り返りもせずに出て行くスクアーロの後ろ姿を見続けていた。
床に散らばって乱れていた髪は何事もなかったように美しくなびいていた。
あの髪は何なのだ。
あれは何なのだ。
考えるといらいらした。
目を閉じてもスクアーロの姿が浮かび、ザンザスは酒を飲んだ。
酒をいくら飲んでも酔えなかった。







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