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ナミは苦労して作り上げた作戦書を広げた。
何度も何度もあらゆる可能性を考えた作戦をたて、
限りないくらい書き直した。
この日のためだけに、すべてを賭ける。
命を賭けた戦いだ。
失敗は許されない。
「オールブルー奪還作戦の全貌を話すわ。
チャンスは一度きり。
それぞれが全力で戦って。
不可能を可能にする、それが麦わら盗賊団よ!!」
「しししし、あたり前だ!!
クロコダイルをぶっとばそう!!」
ルフィがきっぱりと言い、
ウソップは震えながらうなずいた。
・・・こここ、このウソップさまに失敗などない。
でも・・・これで、本当の反乱者になっちまう。
もし、失敗したら、間違いなく死しかない。
ここここ、こええけど・・・。
男には、逃げてはいけない時がある!!
戦わねばいけない時がある!!
今がそれだ!!
チョッパーも、震えながらうなずいた。
おれ・・・がんばる!!
取り戻すんだ・・・。
サンジを取り戻して、
ゾロの宝を取り戻す・・・。
がんばるんだ!!
麦わら盗賊団は、立ち上がった。
これまで準備してきた、
あらゆる武器と、あらゆる知恵を使い、
強大な敵を倒す。
「おれを忘れてもらったら困るな」
出口のところに、エースが立っていた。
その後ろには、
久しぶりのエースに会って、高揚してくるくると回るボン・クレー。
それを苦虫をかみつぶしたような顔で見ている、スモーカー。
「あちしたち、クロコダイルによって潜伏させられていた警察の精鋭部隊に声をかけたのようっっっ!!
そいつらもともに戦うのようっっ!!」
ボン・クレーは華麗な舞を続けた。
これが最後の舞になるかもしれないのようっっ!!
エースとの友情に言葉はいらなかった。
あちしがここに来たら、
エースもここにいた。
心は一つよう!!
すばらしいのよう!!
あちし、戦うわようっっ!!
華麗に戦ってみせる!!
「正義は勝つ。
あきらめたら、負けだ!!」
スモーカーの言葉に、みなうなずいた。
しあわせは、ここにはない。
でも、今から、とりもどせばいいのだ。