top地下食料庫knockin'  on  heaven's  door

■ knockin'  on  heaven's  door
       
■  ZORO*SANJI
 

■1■
■ゾロ■
 
 

ゴーイングメリー号は今日も快調にすすんでいく。
ゾロはいつものように昼寝をしていた。
風が気持ちのよい、日。
新しいコックが増えた。
5人目の船員。
名前は、サンジ。

いきなりつっかかったきたサンジ。
利口なのか、バカなのか。
普通は「三刀流のゾロ」と知ってケンカを売る奴なんていねえ。
女と見るとすぐにハート目になり、思うようにされてる。
バカなんじゃねえの。
あのタチの悪いナミにいいように使われて。
あんな女のどこがいいんだか。
女なんて、どこがいいんだ。
くだらねえ。

「オイ、メシだぞ!!」
頭上から声がした。
おっと、もう昼か。
サンジは忙しい。
だから、この船に乗ってからもあまり話はしていない。
言い争いやケンカはしょっちゅうやってはいるが。

ソリがあわねえ、ってやつか。
でも、そういう感じでもねえし。
っていうか、生意気な奴の方が、楽しい。
ゾロの心の奥に普段は潜んでいる暗い欲望。
久しく忘れていた感覚。

「うめェだろ、オイ!!」
「うめエ!!サンジ、おかわり!!!」
「オレも!!」
ルフィやウソップの明るい笑顔。
サンジも明るい笑顔を返しながら、次々に料理を並べていく。

目につく、明るい髪。
黒いスーツに包まれた体。
客あしらいに慣れた仕種。
無意識の色気。

こいつは絶対、客でもとってたろう。
確信に満ちた思い。
わかるさ。
こういう人種は数えきれない程、目にしてきた。
記憶にないくらい抱いたし。
一時の快楽だ。
欲望処理のための道具。
くだらねえ。

だから、オレはルフィを選んだ。
暗い欲望とは無縁な子供。
自分の夢以外には無関心な子供。
ルフィの求めるものを与えてやれば、絶対的に信頼してやがる。
ちょうど、放浪にも飽きた所だ。
「海賊王」っていうバカバカしい夢も気にいった。
だがルフィは清らかな子供。
船に乗るのは悪くねえが、刺激もすくねえ。

ナミはルフィの女みたいなもんだから、何かやろうって気もしねえ。
やっちまったら後がうるさそうだしな。
色々口うるさそうだし。
あんな女のどこがいいんだか。

ウソップは論外だ。
いい奴すぎるし。健全すぎる。
ああゆう外見でも生意気だったら、ついヤっちまうかもしれねえが。
ウソップとヤれるやつのツラを見てみてえ。

なんとなく、だるい気持ちのところに、サンジが船に乗ってきた。
サンジを見ながら思う。
そういや、最近、男とも女ともヤってねえな。
一人で旅してた時には色んな奴が来た。
だれでもいいって訳じゃなかったが、手当たりしだいに試した。
剣豪たるもの夜も強くねえと。
男も女もオレにヤられると夢中になった。
そうするとオレは醒めた。
オレはくだらない愛の言葉とか、プレゼントなんて必要ねえ。
そんなものをよこす奴には反吐が出た。
涙も怒りも何の意味も持たない。全てが茶番だ。

毎日、目の前をちらつき、ちょっかいをかけてくるサンジ。
一回ヤってみるのもいいかもしれねえ。
オレは乱暴なほうが好きだし。
スーツなんか着いてるとこが、またそそる。脱がせがいがあるってもんだ。
コイツは気がついているのか、いないのか。
テメエ今、視姦されてんだぜ。

バカみてえにナミにお世辞を言ってるサンジ。
お前はオレの欲望に火をつけた。
これをしずめるのはお前の体でだ。
 
 

2■