top地下食料庫knockin'  on  heaven's  door

■ knockin  on  heaven's  door
       
■  ZORO*SANJI
 

 

■10■
■煉獄■
 
 

ゾロは荒い息を吐いていた。
欲望のまま、力まかせにサンジの体を蹂躙した。
我に返ると、力なく投げ出されたサンジの体が目に入る。
体じゅうに残る男に抱かれた証。意識のない体は体液にまみれている。
ゾロの精液が開かれた体から溢れだしている。
男娼の末路なんてこんなもんだ。弱い奴は強い奴に屈する。ただそれだけのことだ。

サンジは目を開けた。
終わったのか。体が焼かれるような快楽と苦痛。
もう声すらでない。涙もかれた。木偶みてえだ。木偶ならいいのに。
そうしたら、嬉しいこともねえけど、泣くこともねえ。
黙って出ていくゾロの後ろ姿が目に入る。
どうしてこんな事になったのか。
 
 
 

ゾロは剣を手に取った。
剣を振り、精神を統一する。
心を落ち着ける最良の方法。
ゆっくりと刀を振り降ろす。日が差し込み、新しい一日が始まる。
照り付けるような太陽。
オレの体を焼きつくすつもりか。
いいだろう。やってみろ。ゾロは天に剣をかざす。
体を焼きつくす炎は消えることはない。それが何だ。オレはそんなものは恐れない。
痛みもいらねえ。炎と共に生きてみせる。

まぶしい太陽。
ふと、サンジのことを思い出す。
アイツ・・・。まだあそこにいるのか。
オレの知ったことじゃねえ。バカかオレは。見に行ってどうするっていうんだ。
この船の中でオレは自分を人に合わせようとしている。
今までそんな事をしたことはなかった。ルフィは確かに特別な奴だ。同じイカれた目標を持っている。
目標の為には命をかけるキチガイ。そうさ、オレと同じだ。時々あいつはオレと同じ目をする。
だから、分かる。コイツは同類だと。鷹の目のミホークもそうだ。滅多にいない相手。

サンジは日常、とか平凡を維持するためには必要な存在だ。
食欲と言う、つまらねえものを満たす。メシなんてどうでもいいと思う。
だが、サンジは懸命に、バカバカしい食い物を作る。
オレの筋肉は以前より増えた気がするから、アイツの食い物が多少は関係してるのかもしれねえが。

キッチンに戻るとサンジはさっきのままの状態で、壊れたように目を開いていた。
コイツ、まさか精神イってねえよな。ゾロは眉をひそめた。

「オイ、朝だぜ。あいつらが来るぞ」
サンジの表情が微かに動く。
「・・・朝・・・メシ・・・」
力の入らない体を支えようとするが、起き上がることすらできないようだ。

ちっ。
ゾロは舌打ちするとサンジの体を抱え上げた。
とりあえず誰も来ない所に寝かせ、服を投げてやった。
サンジはぐったりと倒れたままだ。
面倒だな。どうしてイロイロ面倒なんだ。これがただの男娼だったら、こんなことはしない。
サンジは「仲間」だから、この状態でいられたら、困るわけだ。
っていってもしばらく動けそうにもねえ感じ。
「まったく、だらしねえな」

何でオレが、と思いつつ、サンジの体に手を伸ばす。
べとべとの体にお構いなしにサンジの衣服を着せようとする。
サンジは嫌がって少し動いた。力を込めて押さえつけるとサンジは怯えたような顔をした。
ゾロが初めてみる顔。
ゾロはその顔に見入り、そして欲情した。
好きにできる獲物。
何一つ自分の身を守れないサンジの体を再び犯す。
罪? もう数多く犯しすぎてもう分からない。
ほら、セックスなんてこんなに簡単だ。
サンジお前が悪い。オレに餌をちかつかせるお前が。その身をもってあがなえ。

サンジは強く腰を打ちつけられるたびに微かに意識をとりもどした。
どうして・・・。ここは、どこだ。体の焼かれる煉獄。
オレが天国になんていける訳はねえんだ。だけど、苦しい。いてえよ・・・、ゾロ。
「・・・ゾロ・・・な・・ん・で・・・」
声にならない言葉。声にならない想い。
伝わらない心。感じられないゾロの心。
 
 
 
 

11■