top地下食料庫knockin'  on  heaven's  door

■ knockin  on  heaven's  door
       
■  ZORO*SANJI
 

 

■9■
■色欲■
 
 
 

夕食の片づけ、翌朝の仕込みは惰性でやり遂げた。
サンジは重いカラダを引きずりキッチンの椅子に腰掛けた。
あの男に言われた言葉。
「ゾロって君の男?」
オレは本当にその名を呼んでるのか?
普段、名前も呼ばないような相手の。
それを初めての男の前で呼んだ。知らないうちに。別に相手はどうだっていい。
二度と顔を会わすこともねえ相手。そいつはどうでもいい。だけど、問題は・・・。
オレには「オトコ」なんていねえし、欲しくもねえ。クソ・・・。何で。
ナミさんは凄く心配してくれた。でも、言えねえよ。ゾロの事で落ち込んでるなんて。

ゾロはテーブルに顔を伏せているサンジの姿を見つけた。
ためらわずにキッチンに踏み込み、ドアに鍵を掛けた。
鍵を掛ける。それはもう二人の間では合図だった。二人きり。
それだけでもう激しい淫行の合図だった。

サンジは顔を上げた。目の前のゾロは燃えるような瞳をしている。
駄目だ。今日は・・・。嫌だ。
「ヤりたくねえ」
そう言うと同時に強くカラダを床に叩き付けられた。
肩から落ちて痛みが走る。
・・・嫌だ。
サンジはのしかかってくるゾロから逃れようとする。
だが、馬乗りで押さえつけられていて、思うように逃げることはできない。
だが、懸命にゾロの手から、カラダから逃れようともがく。
カラダに降り注ぐのはゾロだけでなく今までの陵辱の記憶。
忘れるはずは無い。忘れたはずだったのに。どこかを殴られ、息が止まる。
必死で暴れ、ケリを狙う。もう相手が誰なのかも段々分からなくなってくる。

ゾロはひたすらに暴れるサンジを殴った。顔は避けて。
ちょっとぐらいでは効かない。最終手段で男の急所を強く蹴る。壊しちゃマズイな。
痛みに動きが止まった隙にネクタイをほどき、素早く後ろ手に拘束する。ベルトを外し、足も拘束する。
ぐったりとしながらまだ抵抗しようとするサンジ。
きつい目でゾロを睨んでいる。だがもう息があがっている。
あたり前だ。毎日、鍛えているオレに勝てるとでも。

まったくコイツは凶悪な気分にさせてくれるぜ。
サンジの怒りの視線を感じてゾロは勝ち誇った笑みを浮かべた。
じらすようにサンジのシャツの間から手をさしいれ、敏感な乳首を愛撫してやる。
「あっっっ」
もうそれだけでサンジはきつい瞳を閉じてしまった。
ゾロは荒々しくサンジの服を引き剥がす。
案の定、ゾロではない誰かのつけた跡が白い肌に散っていた。
怒りに似た激しい色欲。
秘部にもはっきりと色づいた跡。
許せねえ。
ゾロは慣らしもせずにサンジの中に自分を突き立てた。
既に今日、幾度も男を飲み込んだ場所は抵抗を見せながらも、ゾロのものを飲み込んでいく。
「いつっっっゾロっ・・・い・・・た・・・い・・・」
涙に濡れて懸命にゾロに許しを乞うサンジ。
この顔を誰にでも見せるくせに・・・。
誰でもいいくせに・・・。お前は誰でもいいんだ。だからその口でオレの名を呼ぶな。
「オレの名前を言うんじゃねえ」
サンジの瞳から涙が溢れ出す。
どうして・・・。
ワカラネエ。
ナマエ。
ああ、それもオレがしちゃいけないことなのか。
これも罰なのか。
だってオレはゾロの名を呼んでしまう。
呼んではいけないのに。誰が決めた。ゾロが決めた。
ナマエ。
さっき寝た男の名前なんて呼びたくなかったんだ、オレ。
今頃分かるなんて、バカだな。

ゾロは夢中でサンジを抱いた。
ただ焼きつくされるような灼熱の快楽。
サンジの流した涙への1%の哀れみと99%の欲望。
もっと抱いて。もっと泣かして。もっと奥まで。
限り無くサンジのカラダを貪る。夜通し貫き続ける。
嬌声も悲鳴も哀願ももはやゾロには届かない。一匹の獣。己の欲望が満たされるまで陵辱は続く。
 
 
 
 

10■