べしゃり機能

 

車がしゃべる?

うちのすぴーでぃーわんだー号はしゃべります
ええ、ナビとかじゃなくて車自体がお話しします
エンジン始動時にキーをひねるとオープニング曲とともに

「ようこそ、すぴーでぃーわんだー号へ」

って迎えてくれます(爆)
んでもって続けざまに

「それではいつもの曲を」

といってオーディオの電源が入って音楽が鳴る
とまぁこんな具合です

あ、そうそう短時間のうちにまたエンジン再始動する時には

「それでは参りましょうか」

と台詞を変えていってくれます
なかなかお利口でしょ うちのすぴーでぃーわんだー号は・・・



なぜしゃべらすの?

子どもの頃「母さんは28年型」という
米国のテレビドラマを視たときに
すごく強いインスピレーションを受けました
弁護士である主人公がある時1928年型の
クラッシックカーを買ってしまいます
しかしこの車がなんと母親の生まれ変わりだった・・・
というお話でした

今思えば他愛もない話なのですが
車がしゃべるというのは
すごーくうらやましかったのを覚えています(笑)


車がしゃべるというと多くの人は
「ナイトライダーみたい!」と言うのですが

「ちがいます!」(笑)

後述しますが
本当は「ナイトライダー」からパクッた部分もあるんです
ちょっとだけね・・・


どうやって?

けっこう簡単です
少し電気の知識のある人なら出来ると思います
基本的に音声を録音・再生する回路と
タイマー回路の組み合わせで出来ていますから・・・
あとはあたかも車自身が考えてしゃべっているかのような演出を
いかに電子回路の組み合わせで再現するかという点
これが一番の様な気がしますしセンスの問われる所でしょう


ちゃんと整理しろって

基本となるタイマー回路は
電子キットで有名な「秋月電子通商」の
ワンチップマイコン「PIC」を使った
「簡易PICシーケンサーキット」を使います
4つの回路を好きなタイミングで
ON-OFFコントロールできます

このタイマー回路でコントロールされる発声回路は
これまた電子キットで有名な「エレキット」の
「ボイスメモ」という録音再生回路のキットです
20秒間の録音再生が出来ます

メーカーの違うこのキットを選んだ理由は
ともに「オープンコレクタ」でコントロールする(される)
設計になっていたからです
(電源が12Vで作動するということもあるのですが)
回路のオンオフにリレーを使わずにすむのです
自動車内はかなり過酷な「ノイズ環境」にありますから
やっかいなノイズ対策をしなくてすみます
とはいってもリレーを使わねばならない部分もあるのですがね・・・

簡単に流れを説明します
クルマのキーをひねってACC電源が流れると
これによりタイマー回路がスタートします
あらかじめ設定されたタイミングで
録音再生回路が音声を再生します

ま ただこれだけではつまらないので
セリフに合わせてオーディオの電源も
コントロールする事にしました
キーをひねる・・・
「ようこそ〜」としゃべる・・・
「いつもの曲を」というセリフと同時にオーディオがON
というわけです
これだけで「クルマが意志を持った?」
・・・かのような印象を受けます
こういった演出が「それらしさ」を生むことになるんです
そのかわりとてもセンスを問われます

私は「2001年宇宙の旅」という映画に出てくる
「HAL9000」というコンピュータを
お手本にしたいと思ってました
めちゃめちゃクールなべしゃりで鳥肌もんです
(名古屋では 鳥肌のことを「ぞぞげぼろ」というそうです・・・爆)


自力で回路を設計するまでの能力がないもので
既製の回路キットを使っております
このために数回秋葉原まで脚を伸ばしました(馬鹿)
おかげで東海地方在住なのに
名古屋の大須よりも
アキバのパーツ屋さんに
詳しくなっちゃいました(笑)


音声を発生する回路は色々出回ってます
もっと安くもっと高音質のものが
安価に出来るかもしれません
いろんな回路の様々なキットがありますから
考えようによっては
もっとおもしろい演出が出来そうです



問題噴出!


簡単だと書きましたが
回路的にいろいろと問題がありました

まずACC電源が通電された際に
タイマーのスタートスイッチを一瞬だけ
ONにする回路が必要な事がわかったんです
これは「555」という定番のタイマーICを使った回路で解決しました
でもここでリレーを使わざるを得なかったんです
リレーは強いノイズに対しガードが難しいですから・・・

あと 車内で取り付けするときは
必ずバッテリーのマイナス線をはずしておきましょう
私は回路をショートさせてしまい
タイマー回路の頭脳部分即ちマイコンチップを
ひとつオシャカにしてしまいました(泣)
クルマのヒューズとばしたこともあったな(汗)
まあくれぐれも気を付けましょう

しかしながら本当は
電気的な問題よりももっと難しい問題があります
・・・それは「声の主」です・・・
録音再生回路がしゃべってくれるのはいいんですが
それには台詞をあらかじめ録音しておかねばなりません
あなたならどうします?

もし自分の声で録音したら・・・
クルマのキャラまで自分になってしまいそうです(笑)
それに自分の声で迎えてもらって嬉しい?(爆)
じゃあいろっぺーおねーちゃんの声で・・・
でもそんな声の人身近にいます?
おまけに録音に協力してもらえますか?(爆)

一番の問題・・・
それは録音ソースなんです!



そして録音・・・

色々考えましたよ
ウチのヨメにやらそうか・・・とか
ウチの子にやらそうか・・・とか
人選に非常な難儀をしました(笑)

でも決められた時間内で
決められたセリフをきちんと言う
というのは意外と難しい・・・
わかってても恥ずかしさが先に立ってしまいます(笑)
「声優さんってすごいんだ!」
ということがようくわかります(爆)

結局何がしたいのか一番よくわかってる
自分の声で録音することにしました
ただ素のままの自分の声では興ざめなので
エフェクターなるもので音を加工することにしました
バンドやってた事が初めて役に立った?(爆)

具体的には「ピッチシフター」で2音ほど音程を下げ
「ステレオディレイ」で左右の音に300ミリ秒位の時差を付け
「コーラス」効果を付加したもの
となっております
これで自分でも元ネタが自分だとわからないくらいになります



さらなる演出

クルマをさらに擬人化するために
もう一つの演出を考えました
それがこれです



キーがONになっている間
緑色の明かりが左右に流れています

ナイトライダーではこれが車外に着いてましたが
私は車内の一番目立つところに付けてしまいました(笑)

これも電子キットで有名な「ワンダーキット」の
その名もズバリ「ナイトライダーキット」だあ!(本当)

キットそのままだと赤色LEDなので
これを当然緑色にしたい・・(笑)
おまけに昼間でも視認できるようにと
超高輝度緑色LEDに変更しました

窓枠は得意の「光重合レジン」で作製
グレーに塗装して
スモークのアクリル板をはめて・・・
で アートクレイシルバー
「スピワンマーク小」を製作
窓枠センターに接着・・・

そしてこれがクライマックス
ダッシュボードの穴あけだあ!!
壮大な決意とは裏腹に
ホットナイフで簡単に穴が開いてしまいます(笑)

あの部分の内部・・・
換気ダクトの上は
結構隙間があることは知ってましたから
それほど当てずっぽでやってるのではないのですがね


しかし・・・
これやっても車が速くなるわけでも何でもありません
単なる私の思いこみのためだけの演出品です
そのためにダッシュボードに穴あけ・・・

このあともう開き直ったのか
割と簡単に愛車に穴開け出来るようになりました(笑)



これから

今後は当然もっと語彙を増やしてやることになろうかと・・・(笑)
例えば助手席に座った人間の顔の弱点を指摘するとか(爆)
段差を乗り越えたショックが大きかったときはときは
「イテテ・・・」とかね
時には「やってらんねぇよ」って
ふてくされるのもいいかも(爆)
基本的にはタイマー回路と
録音再生回路を増やせばいいのですが・・・

・・・難しい問題点もあります・・・

現在べしゃりの音声は
オーディオのアンプを通さずに
別スピーカーで鳴らしていますが
これはあまりに非効率です
音楽で台詞が聞こえないことも考えられます
そこでオーディオ回路にべしゃりの音声を
割り込ませる事をもくろんでいます
これがなかなか難しい
誰か電気に詳しい人教えて下さい・・・




ほーむ


ビートとっぷ