皇帝の正しくないチェス

インデペンデンス・デイを見た。


 「インデペンデンス・デイ」のビデオを借りてきました。
 とはいえ、私は映画オタクでは無いので、別に映画そのものについて語るつもりはありません。この映画に、チェスが使われたシーンがあったのです。
 この手の話(チェスが出てくる映画など)は、朝霞チェスクラブのHP内にある、Gallery Asakaに載っていそうなんだけど、載っていなかった、ラッキー(笑)。

 さて、この映画の始めの方、ニューヨークの(たぶん)ハドソン川側の公園で、チェスのシーンがあります。
 公園にいくつかの机が並べられ、そのそれぞれでチェスの対局が行われていました。その机の上にはアナログのチェスクロックなんかもあったりして、「へー、結構真剣勝負なんだなー」なんて思ってしまいました。

 で、その机の一つで、主人公の一人である科学者とその父親がチェスに興じています。どうやら、その科学者は妻と別れて数年経ったにもかかわらず、結婚指輪を外さないので、そのことについて父親に文句を言われているようです。

 それはともかくとして、この勝負の行方はどうやら息子の方(つまりは主人公の科学者ね)が勝利したようで、「チェックメイト」なーんて言っています。

 ところが、この「チェックメイト」の台詞にあてがわれた字幕は、なんと「王手」でした。

 待て待て待て〜い!「王手」を意味するのは「チェック」で、「チェックメイト」ときたら「詰み」だろう?

 こんなことでむかついちゃう私は、ビデオを見終わった後、研究社の「英和中辞典」を調べちゃうのでした。どれどれ・・・。

check・mate
 名  詞:1.《チェス》王手詰み
      2.(計画・事業などの)行き詰まり,敗北
 間投詞:《チェス》詰み!〈今はMate!の方が一般的〉
 他動詞:1.《チェス》(相手のキングを)王手詰みにする(して勝つ)
      2.(人・計画などを)行き詰まらせる,失敗(敗北)させる,阻止する

 ほれ、見てみぃ!「checkmate」を「王手」は誤訳じゃ、ボケェ!辞書に書いてある表現を間違えんな!!

 実は物語も終盤にさしかかり、この科学者の乗る宇宙船が、敵の宇宙母艦に捕らわれるのですが、この時にも科学者が「チェックメイト」なんて言っているのです。
 ところが、字幕はまたもや「王手」・・・(涙)。

 この場合は、上記の名詞あるいは他動詞の「2」の方の意味ですね。「失敗だ」とかあるいは「もうダメだ」とでも訳せば良いんでしょうね。

 なんて、ツッコミはあるにしろ、映画そのものは無茶苦茶盛り上がりましたね。基本的には如何にも「アメリカ的!」なんですが、わかってても燃えます。

 いや〜、映画って本当に良いですね。