皇帝の正しくないチェス

2. ワシとチェスとの出会い


 ワシがチェスを始めたきっかけは、そう、1998年の10月10日の体育の日のことぢゃった。

 パソコンを買っておよそ5ヶ月が過ぎ、三国志による中国統一にも飽きが来たあの頃。ワシはふと、yahooのゲームに迷い込んだのぢゃ。

 今考えると、何故オセロではなく、チェスだったのかが良くわからん。その時のワシのチェスの知識は、駒の動かし方は知っている程度(キャスリングやアンパサンは知らない)ぢゃった。

 そんなワシ、初手は当然のようにa4やh4を指したものぢゃ。そりゃそうだ。最初にルークを繰り出さないことには攻撃できんと信じ込んでおった。 

 その日、ワシは7〜8局ほど指したが、1回も勝てんかった(涙)。

 翌日、ワシは車で出張ぢゃった。一人であることを良いことに、出張先で本屋に入り、チェスの本を探した。あったのはたった1冊(爆)。やっぱ、チェスはマイナーなゲームやね。「最新図解チェス」を買ったワシは、仕事をそこそこに切り上げ、家へ帰ってチェスの勉強を始めた。

 「ふふふ、これで全国のチェスオタクどもを撃破してやる!!」

 気づけば、ワシもチェスオタクの一員か〜(笑)。ま、しょうがないやね。