皇帝の正しくないチェス

参考.2−ICCデータ分析の留意点


 さて、ICCのオープニングデータですが、これを分析するにあたっていくつかの問題点がありました。
 この問題点については、私が以下のようにデータ加工しておりますので、参考にしてください。

1.Modern Defence

 モダンディフェンスは、A41-42とB-06のふたつあります。これはすなわち、1.d4 d6と1.e4 g6のふたつあるということです。
 ですから、モダンディフェンスのゲーム29,062局を、初手e4と初手d4のゲーム数比率で割りかけて、初手e4モダンを18,278局、初手d4モダンを10,784局としました。

2.King's Pawan Game

 キングス・ポーン・ゲーム(B00,C20,C46)は、初手e4に対して、1. ... e5,Nc6,Otherとなります。例えばスリーナイツ・ディフェンス(C46)は、白の3手目まではFour Knights Game(C47-49)と同手順ですが、ECOではKing's Pawan Gemeとして分類されています。
 ですから、キングス・ポーン・ゲーム27,574局を、1.e4 e5と1.e4 other(e5以外)のゲーム数比率で割りかけて、1.e4 e5のKPGを6,504局、1.e4 otherのKPGを21,070局としました。

3.Queen's Pawan Game

 クイーンズ・ポーン・ゲーム(A40-41,A45-46)は、初手d4に対して、1. ... Nf6,d5,otherとなります。
 そこで、キングスポーンゲームと同様な割りかけ計算をします。すなわち、クイーンズ・ポーン・ゲーム120,048局を、1.d4 Nf6と1.d4 d5(Queen's Gambit)と1.d4 otherのゲーム数比率で割りかけました。
 結果は、1.d4 Nf6のQPGは67,626局、1.d4 d5のQPGは46,183局、1.d4 otherのQPGは6,239局となります。

 このようにデータの分析上、生データの操作を実施しています。6.2章でのオープニング局数は以上のような数値操作を前提として参考にしてください。