【写真−1 本と映画のパンフレット】 |
写真−1が、嫁が買ってきたハリーポッターの本と、映画を見に行ったときに買ったパンフレットです。
パンフレットのど真ん中にどーんといるのが、主人公のハリー・ポッターです。左下の男の子がロン君、女の子がハーマイオニーちゃんですね。
で、肝心の本の方、問題となる「魔法使いのチェス」に関する記述はたったの4頁分しかありません。すなわち、第16章「仕掛けられた罠」のP.412〜416だけなんで、この箇所をまるまる無断転載しちゃいます(笑)。
大きなチェス盤がある。三人は黒い駒の側に立っていた。チェスの駒は三人よりも背が高く、黒い石のようなものでできていた。部屋のずっと向こう側に、こちらを向いて白い駒が立っていた。三人は少し身震いした__ 見上げるような白い駒はみんなのっぺらぼうだった。
「さあ、どうしたらいいんだろう?」ハリーがささやいた。
「見ればわかるよ。だろう?むこうに行くにはチェスをしなくちゃ」とロンが言った。
白い駒の後ろに、もう一つの扉が見えた。
「どうやるの?」ハーマイオニーは不安そうだった。
「たぶん、僕たちがチェスの駒にならなくちゃいけないんだ」とロン。
ロンは黒のナイトに近づき、手を伸ばして馬に触れた。すると石に命が吹き込まれた。馬は蹄で地面を掻き、兜をかぶったナイトがロンを見下ろした。
「僕たち・・・・・・あの・・・・・・むこうに行くにはチェスに参加しなくちゃいけませんか?」
黒のナイトがうなずいた。ロンは二人を振り返った。
「ちょっと考えさせて・・・・・・」とロンが言った。
「僕たち三人がひとつずつ黒い駒の役目をしなくちゃいけないんだ・・・・・・」
ハリーとハーマイオニーはロンが考えを巡らせているのをおとなしく見ていた。しばらくしてロンが言った。
「気を悪くしないでくれよ。でも二人ともチェスはあまり上手じゃないから・・・・・・」
「気を悪くなんかするもんか。何をしたらいいのか言ってくれ」ハリーが即座に答えた。
「じゃ、ハリー。君はビショップとかわって。ハーマイオニーはその隣でルークのかわりをするんだ」
「ロンは?」
「僕はナイトになるよ」
チェスの駒はロンの言葉を聞いていたようだ。黒のナイトとビショップとルークがクルリと白に背を向け、チェス盤を降りて、ハリーとロンとハーマイオニーに持ち場を譲った。
「白駒が先手なんだ」とロンがチェス盤の向こう側をのぞきながら言った。「ほら・・・・・・見て・・・・・・」
白のポーンが二つ前に進んだ。
ロンが黒駒に動きを指示しはじめた。駒はロンの言うとおり黙々と動いた。ハリーは膝が震えた。負けたらどうなるんだろう。
「ハリー、斜め右に四つ進んで」
ロンと対になっている黒のナイトが取られてしまった時が最初のショックだった。白のクイーンが黒のナイトを床に叩きつけ、チェス盤の外に引きずり出したのだ。ナイトは身動きもせず盤外にうつ伏せに横たわった。
「こうしなくちゃならなかったんだ」
ロンが震えながら言った。
「君があのビショップを取るために、道を空けとかなきゃならなかったんだ。ハーマイオニー、さあ、進んで」
白は、黒駒を取ったときに何の情けもかけなかった。しばらくすると負傷した黒駒が壁際に累々と積み上がった。ハリーとハーマイオニーが取らそうになっているのに、ロンが危機一髪のところで気づいたことも二回あった。ロンもチェス盤上を走り回って、取られたと同じくらいの白駒を取った。
「詰めが近い」ロンが急につぶやいた。
「ちょっと待てよ__ うーん・・・・・・」
白のクイーンがのっぺらぼうの顔をロンの方に向けた。
「やっぱり・・・」ロンが静かに言った。
「これしか手はない・・・・・・僕が取られるしか」
「だめ!」
ハリーとハーマイオニーが同時に叫んだ。
「これがチェスなんだ!」ロンはきっぱりと言った。
「犠牲を払わなくちゃ!僕が一駒前進する。そうするとクイーンが僕を取る。ハリー、それで君が動けるようになるから、キングにチェックメイトをかけるんだ!」
「でも・・・・・・」
「スネイプを食い止めたいんだろう。違うのかい?」
「ロン・・・・・・」
「急がないと、スネイプはもう『石』を手に入れてしまったかもしれないぞ!」
そうするしかない。
「いいかい?」
ロンが青ざめた顔で、しかしきっぱりと言った。
「じゃあ、僕は行くよ・・・・・・いいかい、勝ったらここでグズグズしてたらダメだぞ」
ロンが前に出た。白のクイーンが飛びかかった。ロンの頭を石の腕で殴りつけ、ロンは床に倒れた__ ハーマイオニーが悲鳴を上げたが、自分の持ち場に踏みとどまった__ 白のクイーンがロンを片隅に引きずって行った。ロンは気絶しているようだった。
震えながら、ハリーは三つ左に進んだ。
そして、白のキングは王冠を脱ぎ、ハリーの足元に投げ出した__ 勝った。チェスの駒は左右に分かれ、前方の扉への道を空けてお辞儀をした。もう一度だけロンを振り返り、ハリーとハーマイオニーは扉に突進し、次の通路を進んだ。
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