fox_masakikiさんはチェス自戦記職人組合の同志。しかも、僕のHPがきっかけで名古屋のチェスクラブに来ていただくようになった方です。
いつか対戦する時が来るとは思っていましたが、私が名古屋の例会をさぼりまくっておりまして、今回の東海オープンが初対決となりました。
日記の方にも書いたように、「お互いに自戦記を書いてHPに掲載しましょう!」と約束しての対決になりました。
それでも私の腹の中は、「負けるわけにはいかない・・・」というプレッシャーが渦巻いていたわけですが・・・。
[Event "2001 Tokai-Open"]
[Date "2001.12.01"]
[Round "2"]
[White "fox_masakiki"]
[Black "anon_emperor"]
[Result "0-1"]
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【図−1】 |
fox_masakikiさん、クイーンズ・ギャンビットが持ち定跡だと言うことは、自戦記を読んで知っていました。
自戦記を書いていて困ることは、自らのネタをばらしていること(笑)。fox_masakikiさんもグランプリ・アタックの対策は練っていたらしいです(爆)。
まぁ、そんなわけでダッチのレニングラードです。
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【図−2】 |
5.Bg5と黒マスビショップを展開してきましたが、黒のキングサイドは既に形が決まっていることから、このビショップは怖くありません。
例えば、f6のナイトをピンするなり、Bxf6とした場合に黒がポーンで取り返す(ダブルポーンとなる)なりということが無いと、このビショップの意味は無いような気がします。
5.Bf4とするか、あるいは何処かでBb2として黒の黒マスビショップと睨み合う手が自然かもしれません。
9. ... e5が戦いの合図です。
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【図−3】 |
白は10.e4と突き返してきますが、黒は10. ... f4と突き越しました。これで白マスビショップの道を開け、キングサイドでの戦いを考えます。
12.Bxf6とナイトを取りますが、普通なら黒にh3と突かせた方が良いと思います。しかし、この場面では白はd5のマスを狙っていました。
白は14.Bc4で白マスの支配を狙います。14.Kh8と逃げるしかありませんが、盤の中央を白に支配され、黒は良い気がしません。
事実、私の頭の中は「やべぇなぁ、どうしよう・・・」と冷や汗ダラダラでした。
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【図−4】 |
15手目以降、白の方からバカバカと駒交換が行われました。これは黒としては助かった感がありました。
図−3の時点では、盤の中央〜クイーンサイドは白が制している感がありましたが、駒交換が終わった17手目では、互角気分にまで戻っています。
18. ... Bg4が待望の手。やっと白マスビショップが攻撃に参加できました。f3のナイトをピンして、キングサイドに活路を見出します。
白は19.Qb3でピンを避けますが、これはあまり良くなかったようです。フリッツ君は19.Bxc6!? bxc6 20.Qe2で互角、と判断しました。
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【図−5】 |
フリッツ君曰く、20.Bxc6?が悪手とのこと。20.Qxf3!?が絶対手とのことですが、20. ... Nd4 21.Qd3 f3でも黒がいい感じ。
白もそれを恐れての20.Bxc6?だとは思いますが・・・。
20. ... Bxg2から、21. ... f3+は当然の流れ。白のキングの頭を攻めます。これで黒優勢を確信しました。
となれば、23.Qb5とクイーン交換に出るのは良くありません。23.Rac1と我慢するところでした。
図−5でクイーンが消え、ルーク・エンディングです。とはいえ、ルークが2つずつ残った形はまだまだ紛れが多い局面です。
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【図−6】 |
図−5の時点で、黒はワンポーンアップで、しかも白のd5のポーンは孤立状態。勝ちを意識しましたが、ここから怪しくなってきます。
黒が考えることは、まず白のd5のポーンを取ることでした。2枚のルークを利用して、30. ... Rdxd6とポーンを取ったところまでは良かったのですが・・・。
31. ... Kf6?が悪手。白のキングに対抗して、黒もキングを前線に出そうとしましたが、フリッツ君によると31. ... Rd2!?とセブンスランクに突入が正着とのこと。
以降、32.Kg3 Rxb2 33.Rxe4 Rxe4 34.Rxe4 Rxa2 35.Re7+ Kh6 36.Rxb7 a5 で黒が有利とのこと。
32.Kf5?も同様です。32. ... Rxe4でルークを交換した後に、33. ... Rd2が正着とのことです。
ともあれ、ルークを交換してしまえば、g,hファイルにポーンが並ぶ分、黒が有利と思いこんでいました・・・。
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【図−7】 |
とりあえず私が考えたのは、f3のポーンを囮にして、オポジションを保つこと。
図−7でオポジションは保ちました。この後は両サイドのポーンのやり取りを間違えないことが重要なのですが・・・。
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【図−8】 |
いや〜、すごいですね。何なんですかね、この悪手の応酬。「?」だらけじゃないの(笑)。
まぁ、僕自身もこれから勉強し直しなんですが、とりあえずフリッツ君の解析結果を書いておきます(爆)。
38.a4?では、38.b4!?で白は踏ん張れるそうです。
38. ... g5?では、38. ... a5!?で黒有利。
40.b5?では、40.a5!?が絶対手。
40. ... a5??では、40. ... axb5 41.axb5 h4で黒有利。
43.Kg2??がトドメの大悪手。図−8が、43.Kg3-g2と指した図なのですが。ここで43.h4!!だと引き分けだそうで。
以下、43. ... gxh4+ 44.Kxh4 Kxf3 45.Kxh5でイコールだそうです。
局後に話をしたところ、二人とも45.Kxh5の場面が黒勝ちだと思っていたのでした(苦笑)。
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【最終図】 |
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