終焉への序曲



「ダーリン!!」

突然、誰もいないはずの地下墓地に声が響いた。

思わず目を開け、顔を上げる少年。

「ダーリンっ!!!!!!」

「……ど、どうして!」

自分に嬉しそうに走り寄ってくるのは、邪神教団の司教の妹だった。

「ダーリン、会いたかったよ……」

ギュ、と食物繊維の身体を抱きしめる少女。

「どうして……どうして放っておいてくれなかったんだ!
あのままだと、君もオレも、邪神の生贄にされちまうってのに!」

「それでも、私、あなたと一緒にいたかったんだもん……」

冷え切った身体に、彼女のぬくもりがじわりと染み渡る。

「……」

反射的に彼女の背中に腕を回そうとして……異変に気づく。

「何かお腹、大きくなってないか?」

「……ダーリンと私の間の子よ」

「なっ……なにいいいいいいいいいいいい!!!!!?????????」



 

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