ここから先は、星の数ほどある結末の一つを描いたものです。
定まらぬ未来を求める方は、このまま引き返すのがいいでしょう。

しかし……彼らにさらなる試練が課されることを望むのなら。
どうか、この闇の先へ進んで下さい。
彼らに与えられた最後の試練を、その目で確かめて下さい。



























― 終焉の果てに ―


噴水が、地下墓地が、神殿が、山が、海が、空が。
砂のように崩れていく。泥のように混ざっていく。

……全てが、始源の混沌へ還っていく。


ボオォ――――ン……

光と闇さえ混じり始めたこの空間が、爆音と爆風と共に一瞬灰色に染まった。

「くっ……?!!」

煙幕の中心には、戦士風の男の姿。
そして、男が立ちすくんだ隙を見て、クモの子を散らすように逃げ去っていく複数の影。

「……逃げる気か、だがまだ……――――っ!?」

ボォ――ン……
ボォ――ン……
ボォ――ン……

面を上げ影を追おうとした男に、たたみかけるように煙幕が投げ付けられる。
だが、男の動きを鈍らせることは出来ても、完全に止めることは出来ない。

「っ…………しまっ……!」

それはわずか数秒のラグ。
しかし、命を賭ける戦場では、そのわずかが致命的な差となる。

それは充分承知していた。
それなのに……


「――……!!」

目の前で、流れが途切れた。
希望の光と共に。



 

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