ここの背景画像は「miho's lovely material」からお借りしました。

ルイ16世の小部屋

La Chamble de Louis XVI

「余は、余の全ての敵を許す。」

ルイ16世の小部屋にようこそ。ここは、ルイ16世だけの小部屋です。「概要」や「人物スケッチ」の内容をもっと掘り下げてご紹介します。

  はじめに

  「年表」

  「家系図」

  人に歴史あり

  「ギャラリー」

既存のページから

  「人物スケッチ」

  「あ・ら・かると」




はじめに

ルイ16世はフランス革命時の国王であり、断頭台の露に消えた国王であるにもかかわらず、今一つ影が薄いようです。何と言ってもマリー・アントワネットの印象が強すぎ、一般的な歴史書は別ですが、何か語られるときは、マリー・アントワネットのついでに語られます。日本ではマリー・アントワネットに関する本は山のようにあり、父や母や幼年時代に関してもかなり詳しくわかっていますが、ルイ16世のみを扱った書物はほとんどありません。彼がルイ15世の子供であると思いこんでいる人も多いようです。

また、ツヴァイクを初め、マリー・アントワネットを庇う本はたくさんありますが、マリー・アントワネットを弁護するあまり、ルイ16世を必要以上に「愚鈍」「錠前ばかり作っている」「お馬鹿」と強調しすぎているような気がします。国王時代に描かれた肖像画すら、ちょっとあまり教養高くなさそうなお顔です。絶頂時代ですらこうです。おまけに妻は公然と夫を馬鹿にしていました。宮廷ではまるでルイ16世を馬鹿にするのが流行のようでした。

そのような既成の概念で辻褄を合わせれば、それはそれで楽です。国王が間抜けだからフランス王国が崩壊した、錠前ばかり作って政治をしないから貴族がやりたい放題した鈍感だから断頭台に登ったときも怖がらず、図らずも国王らしく死ぬことができた

しかし、彼は少なくとも祖父ルイ15世よりは政治をしようとしました。有能な人物も積極的に登用しました。彼の書斎には古今東西の本がたくさんありました。息子に勉強も教えました。そのような人物が断頭台に上った時、愚鈍過ぎて意味がわからないなんてことがあるでしょうか。もちろん欠点はたくさんあります。その最たるものは自分に一番近い妻を支配できない程の気の弱さでしょう。市井の人間ならともかく、国王ともあろう人が、いくら芯が善で正しくて知的でも、それをきちんと表現できなければ「無い」と同然です。

いい政策を出しても妻の一言で撤回する、妻の目に余る行動を制すことができない、これではどんなに弁護しても国王としても資質はゼロとしかいいようがないでしょう。しかし、国王の地位を剥奪され、タンプル塔に幽閉されてからのルイ16世は父と夫に専念することができました。これこそ彼の天職だったのかもしれません。マリー・アントワネットもルイ16世もここでお互いを愛し尊敬する本当の夫婦になったようです。

人気投票ではお兄さんにしたい人ナンバー1でした。「優しさ」は国王に不要な資質であり、ルイ16世の場合「のろま」な点と合いあまって当時の人からはどうやら気が付かれなかったようですが、200年後の異国日本では彼の人間性のすばらしさ(もちろん国王としてではありませんが)が見なおされ始めているようです。ここではなるべく客観的に、ルイ16世のすばらしさを探し出していきたいと思います。

ホームに戻ります 小部屋のトップへ