築34年の住宅を改修し、絵画教室の出来るアトリエを設けたいという建主の依頼で計画が始まりました。もともとの住宅は自分の山の木を利用し、知合いの大工さんに建ててもらった家でした。計画当初は、新築と改修の両方で検討していましたが、開発申請等の必要があり、この古い思い出の残る住宅への愛着が残っていることもあり、既存の住宅を改修することになりました。

今回の計画の主な要望は、２階にワンルームのアトリエを設けること、アトリエを絵画教室に利用するために、外部階段を設け、直接外から入れるようにすることでした。また既存の住宅は、昭和47年の確認申請のため、現行法の規定には適合しておらず、耐震診断を行い、限界耐力計算により、耐震改修を行っています。

プライバシーの確保と防犯のために、周囲には高さ３ｍほどの杉板張りの塀を作り、その中に坪庭・デッキスペース・玄関・２階アトリエへの螺旋階段を設けています。杉板は通風を確保するため、目透かし張りとしています。また玄関前にスロープを設けたり、キッチンはIHクッキングヒーターとすることで、高齢者に使いやすい住宅としています。

耐震改修に当っては、兵庫県と姫路市の「わが家の耐震促進事業」の補助金を受けて、耐震改修工事を行っています。