今回から始まる新講座「初めてのhamaPatch」では、初心者向けに hamaPatch を解説していこうと思います。
「hamaPatch」は、これまで解説してきた「六角大王」「Metasequoia LE」「POV-Ray」「DoGA-L1」と同じくフリーウェア(2002.1.11現在)です。
しかしこれらのツールと違い、hamaPatch は解説本も出版されていませんし、Web上でも取り上げられることはほとんどありません。
そういう状況では、「面白そうだから使いたいけど使い方が分からないから止めた」という人がかなりいるのではないかと思います。
そういう人のための講座にしていこうと思います。
hamaPatch を開発されているのは HAMAKAZUさんで、そのサイトはこちら。<HAMAKAZU
HOMEPAGE>
ここの「Soft」の「sPatch関連」のところから hamaPatch のページに行くことができます。
2002.1.11現在のバージョンは 2.4 です。
近々機能アップしたシェアウェア版が完成するらしいですが、フリー版も残すそうなので、とりあえずは安心してダウンロードしましょう。
ダウンロード後は解凍し、できたフォルダを「Program Files」などの適当なディレクトリに移動するだけです。
フォルダ内の hamaPatch.exe が本体なので、デスクトップにショートカットを作れば、hamaPatch に関しては準備OKです。
しかし、hamaPatch を十分に活用するためには POV-Ray と MegaPOV もインストールしておくことをお勧めします。
POV-Ray のダウンロード先はこちら。<POV-Ray公式サイト>
MegaPOV のダウンロード先はこちら。<PathcedPOV>
POV-Ray のインストール方法についてはうちの講座に書いてあるので、MegaPOV のインストール方法だけ簡単に説明しておきます。
まず POV-Ray をインストールしてあることが前提です。
PatchedPOV のサイトで Download をクリック、Downloadページで「winmegapov07.zip」をダウンロードします。
それを解凍してできた「megapov.exe」を「POV-Ray for Windows v3.1」のフォルダ内にある「bin」というフォルダ内に移動して完了です。
これらのレンダラーについては hamaPatch から各種設定を行うことが可能で、さらに直接起動できるため、POV-Ray や MegaPOV の知識はそれほど必要ありません。
hamaPatch からこれらのレンダラーを起動するために、以下の設定をしておく必要があります。
画面右にあるダイアログの「etc.」パネルで「MegaPOV設定」-「バージョン&その他の設定」を開いて、バージョンを 0.7 にしておいてください。
(2002.1.15現在の MegaPOV の最新版は 0.7 です)
次に「etc.」パネルで「環境設定」-「パス設定」を開いて、「POV-Rayのパス」の下の「...」をクリックします。
「Program Files」-「POV-Ray for Windows v3.1g」-「bin」と開き、「pvengine.exe」を選択します。
同様に「MegaPovのパス」で「同じフォルダにある「megapov.exe」を選択します。
これで準備は完了です。
これまで解説してきたモデラーと hamaPatch との大きな違いが一つあります。
それは hamaPatch がスプラインモデラーであるということです。
六角大王、メタセコイアはポリゴンモデラーであり、基本的に直線、平面を扱います。
それに対し、hamaPatch は基本的に曲線、曲面を扱うのです。
下のスクリーンショットを見てみましょう。
左から hamaPatch、Metasequoia、六角大王v5.2.5 で作った球です。
同程度の球にするために必要な頂点の数はポリゴンモデラーに比べて非常に少なくできることがわかりますね。
ポリゴンモデラーでもサブディビジョンサーフェスという機能を使えば同じ頂点数でもきれいな球を作ることができますが、複雑な物体ではその曲面を正確に制御することはかなり難しいです。
両者の特徴を簡単にまとめると以下のようになります。
ポリゴンモデラー : モデリングが簡単。曲面の正確なコントロールは苦手。
スプラインモデラー : モデリングにはコツが必要。少ない頂点、カーブで正確な曲面を作成できる。
どちらが優れているというものではなく、どちらにも一長一短がありますので、個人個人で使い分けていくのがよいと思います。
ちなみに hamaPatch はメタセコイアにデータを出力することができます。
さらに開発中のシェアウェア版では、メタセコイア、LightWave、3dsなどのポリゴンモデラーのデータを読み込み、ポリゴンモデルの編集もできるようになるようです。
次回は hamaPatch の基本的な操作方法を解説します。