POV-Ray で星空を製作する場合、標準インクルードファイルの中に星空のテクスチャがあるので、まずはそれを使用してみましょう。
“stars.inc”というインクルードファイルです。
まずは以下のシーンファイルを作ってレンダリングしてみます。
#include "stars.inc"
camera { location <0,1,-5> look_at <0,0,0> }
light_source { <100,500,-1000> color rgb 1 }
sphere { <0,0,0>,1 inverse texture { Starfield1 } scale 10000}
sphere { <0,0,0>,0.5 texture { pigment { color rgb <0,1,1> } } }
上のシーンファイルは、半径10000の球の内側にテクスチャを張り、それを内部から見た状態を作っています。(青い球はオマケ)
プラネタリウムのような状態を想像してもらえればいいと思います。
さて、stars.inc には、Starfield1 〜 6 の6種類のテクスチャが定義されています。
それぞれを上のシーンファイルに入れてレンダリングしたのがこちらになります。
Starfield1 |
Starfield12 |
Starfield3 |
Starfield4 |
Starfield5 |
Starfield6 |
数字が大きいほど、密度の高い星空になっています。
※この stars.inc で定義されている星空は texture なので、sky_sphere(天球)では使用できません。
標準インクルードファイルの星空では、ちょっと物足りないという人もいるでしょう。
もっと神秘的な星空を作りたいという人は、Galaxy インクルードファイルを使用してみることをオススメします。
Galaxy.inc のダウンロードはこちら。>■ the pov-ray include files page
上のページで「include files」→「Galaxy」→「download」→「GALAXY.ZIP」の順で進めばOKです。
解凍すると、以下のファイルが出来ます。
※ |
Galaxy.inc |
Galaxy 本体 |
※ |
Galaxy.bg |
Galaxy 背景 |
※ |
Galaxy.obj |
Galaxy オブジェクト |
※ |
Galaxy.sf |
Galaxy 星空 |
Galaxy.htm |
説明用HTMLファイル |
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Readme.txt |
説明 |
|
AllObjs.pov |
オブジェクトのサンプル |
|
Trifid.pov |
サンプル(詳細に設定したもの) |
|
Rand.pov |
サンプル(ランダムに作成したもの) |
|
Rand.ini |
Rand.pov用設定ファイル |
|
DnmcOpts.pov |
アニメーションサンプル |
いろいろなファイルがありますが、とりあえず※マークの付いたファイルを POV-Ray の include フォルダにコピーします。
その後、下のシーンファイルを作成します。
camera { location <0,1,-5> look_at <0,0,0> }
light_source { <100,500,-1000> color rgb 1 }
sphere { <0,0,0>,0.5 texture { pigment { color rgb <0,1,1> } } }
#declare galaxy_seed = 4137089 ;
#include "GALAXY.INC"
このシーンファイルは、標準インクルードファイルのところで作ったシーンファイルから“stars.inc”の読み込み部分と星空を張った球を削除し、新たに2行加えたものです。
レンダリングした結果はこちら。
素晴らしい星空というか宇宙空間のような背景が出来ます。
Galaxy.inc のもっとも簡単な使用方法は、上記のシーンファイルのように
#declare galaxy_seed = (適当な数字);
#include "GALAXY.INC"
の2行を加えるだけという、非常に簡単なものです。
適当な数字の部分を変化させることで思いもよらないような星空が出来上がります。
この Galaxy.inc は、細かい設定を行うことにより思い通りの星空を作ることが出来ます。
Trifid.pov を見るとわかりますが、パラメータの設定により、星や星雲を思い通りに作ることが可能なのです。
それらのパラメータの詳細については Okamoto'
Homepage で非常にわかりやすく説明されています。
ぜひそちらを参考にして下さい。