POV-Tree の基になったのは TOMTREE というマクロです。
TOMTREE のダウンロードはこちら。>■ AUST MANUFACTURE
ここで tomtree.zip をダウンロードして解凍すると、以下のファイルができます。
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TOMTREE.inc |
TOMTREE本体 |
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TOMLEAF.inc |
葉の生成用インクルードファイル |
TESTTREE.inc |
サンプル |
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BIRCH.inc |
サンプル |
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OLIVE.inc |
サンプル |
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PALM.inc |
サンプル |
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TREE.pov |
使用サンプル |
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LEAF.tga |
葉の画像 |
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LEAF.gif |
葉の画像 |
※ |
LEAFx.tga |
葉の画像 |
※ |
BLOSSOM.tga |
花の画像 |
tomtree.txt |
説明書 |
まず※マークをつけたファイルを、POV-Ray のフォルダの中の include フォルダにコピーします。
その後、POV-Ray で TREE.pov を開き、レンダリングすると、このような画像が出来上がります。
では TREE.pov の内容を見てみましょう。
グローバルセッティング、カメラ、ライトの設定の後、問題の部分になります。
#include "PALM.inc"
#include "TOMTREE.inc"
object
{
TREE
scale 1000
}
まずサンプルの“PALM.inc”を読み込み、次に“TOMTREE”を読み込みます。
そして“TREE”というオブジェクトを配置して終りとなります。
つまり TOMTREE の使用方法としては、設定を書いてあるインクルードファイル、TOMTREE 本体の順に読み込み、TREE というオブジェクトを配置するだけ、ということになります。
では設定を書いてあるインクルードファイルの中身を見てみます。
サンプルの“PALM.inc”を開きます。
//XXXXXXXXXXXXXXXXXXXXX S E T T I N G S XXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXX
//TREE
#declare BRANCHES=40;
#declare TWIGS=70*BRANCHES;
#declare BUNCHES=1*TWIGS;
・
・
・
//TRUNK
#declare TRUNK_RADIUS=26;
#declare TRUNK_STRENGTH=1;
・
・
・
#declare 文がズラズラと並んでいます。
その内容をみてみると、POV-Tree で見たパラメータと似ていませんか?
TOMTREE ではこのようにインクルードファイルでパラメータを設定して、それをもとにマクロが木を作成しているのです。
このサンプルをコピーして、数値などを変更すれば、POV-Tree を利用することなく、オリジナルの木を作成することができます。
各パラメータの内容は、添付されている説明書に書かれています。
(POV-Tree でポップアップしてくるヘルプの内容はこの説明書の内容とほぼ同じです)
POV-Tree 単体では、作成した木を[Export Mesh]で出力すると、かなり大きなインクルードファイルが出来てしまいます。
そこで POV-Tree から TOMTREE用の設定ファイルを出力してみましょう。
まず、POV-Tree で適当なサンプル(今回は[PALM])を開きます。
その後、[File]から[Save as]を選び、“treetest02.inc”という名前で保存します。
POV-Ray を起動し、“treetest02.inc”を開いてみましょう。
TOMTREE のサンプルファイルと同じように #declare 文がズラズラと並んでいますね。
つまり、POV-Tree から[Save as]で保存すると TOMTREE用の設定が記入されたインクルードファイル が出力されるのです。
では“treetest02.inc”をレンダリングしてみましょう。
新規ファイルに次のシーンを記入して、“treetest02.inc”と同じフォルダに保存します。
sky_sphere { pigment { color rgb 0.7 } }
camera { location <0,1,-1> look_at <0,0.5,0> }
light_source { <100,500,-1000> color rgb 1 }
#include "treetest02.inc"
#include "TOMTREE.inc"
object { TREE }
このシーンファイルは、前編で作成したシーンファイルの内容に『#include "TOMTREE.inc"』という一行を追加しただけです。
これで作成された画像はこちら。
このように TOMTREE用のファイルとして出力することのメリットは三点あります。
[Export Mesh]で出力したファイルは POV-Tree では読み込めませんが、[Save as]で保存したファイルは POV-Tree で読み込むことができ、修正することが可能となるのです。
また、木のオブジェクトは TOMTREE がその都度 作成することになるので、巨大なインクルードファイルを保存しておく必要がなくなります。
POV-Tree では葉は単なる板状として出力されていましたが、TOMTREEではテクスチャを使用した葉なので、ある程度のアップにも耐えるものができます。
また、花の作成も可能となります。
デメリットとしては、レンダリングの度にマクロが木を作成していくことになるので、レンダリングに時間がかかるということくらいですかね。
以上で POV-Tree の紹介を終わりにします。
細かいパラメータの解説などは結局しませんでしたが、それはみなさんがイロイロ触ってみて試してみてください。
実は私もまだまだ理解していない部分が多いもので・・・