患者さんのための緑内障の治療情報
眼ぐすり療法
緑内障は単一疾患ではありませんが、緑内障は進行性で放置すると失明に至ることもあります。日本の中途失明者第一位は緑内障です。
緑内障治療の目的は眼圧を視神経や視野に障害を加えない範囲に下げることです。
薬物療法は患者さんが自分で点眼したり、内服したりするので、患者さんがいかに正しく医師の指示に従うかが効果発現のポイントとなります。
例えば、来院する前日から点眼したり内服をしても、クリニックの眼圧データは満足すべき結果が得られます。しかし視野障害の進行が予想以上に早く、医師はレーザー治療や手術に踏み切らなければならない症例もあります。
医師の指示にしたがって点眼や内服を忠実に実行している患者さんは、「たかせ眼科通院の緑内障患者さん」の70%程度のようです。ある報告ではコンプライアンス60%との数字も出ております。
点眼や内服を医師の指示に忠実に行わないのに、生活や食べ物の注意ばかりを訊ねられる患者さんがおられますが、医師から納得できるまで薬の説明を受けて、「薬を正しく用いること※」が患者さんが自分の視機能を護る最大の方法です。
※涙は瞬きをすると、涙嚢から下涙道に排出されて、涙線から新しい涙が分泌される。点眼した薬は、瞬きが多いと早く希釈されて、角膜透過で眼内に入る薬が少なくなる。目薬を点眼したら、瞬きを抑えるために2〜5分程度 閉眼していると薬の効果が減ぜられることが少ない。
眼圧(眼のかたさ)は房水の眼の中の出入のバランスで決まります。
眼圧は一日の中でも高い時と、低い時があります。さらに、寒い時は高く暑い時は低い季節変動があります。ストレスや仕事の量や肥満度・血圧も眼圧に影響します。
したがって、眼圧は機会があれば頻繁に測定するのが良いのです。
患者が自分を守る最良の方法は、定期的な受診、薬の使い方を守り治療の中断を起こさないように注意することです。
1.眼圧を下げるためには眼の中に入る房水をブロックするか、2.房水が眼から排出されるルートを広げるか、さらには1.と2.を組み合わせて用います。たかせ眼科で処方している眼圧の薬について以下に解説します。
眼から房水排出を強める薬
副交感神経作動薬 ピロカルピン点眼薬、縮瞳作用があることが特徴で、暗く感じたり、老視が軽くなったように感じる。閉塞隅角の場合には必ず使用する。
プロスタグランディン関連薬 レスキュラ点眼薬、キサラタン点眼薬など、さらに新薬が臨床に供せられています。副作用は結膜充血、眼瞼皮膚色素沈着、睫毛が長くなるなどで 使用時には工夫が必要です。
αー遮断薬 アイオピジン点眼 レーザー治療時に使用。
上記の眼圧下降薬は多彩な副作用があり緑内障専門医の指示に忠実に従って使用することが肝要です。
房水の眼に入るのをブロックする薬
βー遮断薬、αβー遮断薬 チモプトール系統の点眼薬、ミケラン点眼、ベトプテック点眼、ハイパジール点眼、ミロル点眼など種類が多い。
それぞれ眼圧下降効果や副作用に特徴があり、全身的副作用にも要注意。
炭酸脱水素酵素阻害薬 内服、静注、点眼薬などで用いる。トルソプト点眼、 ネプタザン、ダラナイド、ダイアモックス内服、ダイアモックス静注など。多彩な副作用あり。医師の指示に忠実に従って使用する。
最後に、通院間隔のQuestionがありましたが、緑内障検査も保険診療上制限を受けます。
たかせ眼科では、患者さんの病状やクリニックまでの通院時間などの個々の条件に応じて通院間隔を決めております。
待ち時間は、緊急患者や処置が必要な患者が予定外に受診した場合に起こります。診察順番は厳しく守っておりますが、緊急患者が先になることもあります。
ご了承ください。
緑内障ヘルプ